01
フォードヘルは広い平原のど真ん中に位置する町である。
フォードヘルの西には大きな川が流れておりその川の水を町の人間は利用している。
大昔、初代勇者が魔王討伐に出発する直前魔界からの魔物の襲撃を受けたため町は魔界とつながるようになった。
「綺麗な町だね。」
神「・・・あぁ。」
何とか会話を続けようとするレイラ。
しかしどうしても会話は続かないのでもう無理して会話するのを彼女はやめた。
一番話のわかりそうな町長の家に向かおうとした二人。
神「おいまて。」
神田がレイラをとめた。
「なに?」
振り返り立ち止まる。
神「町長のところ行く前に教会によるぞ。」
神田の言葉にレイラはどうしてと首をかしげた。
「え、なんで教会?」
無知な彼女に神田は苛立ちを覚えながら言った。
神「・・・テメェなにもしらねぇんだな。」
「・・・だからまだ新米だっつってんでしょ。」
レイラは負けじと言い返す。
神「箱入り娘が・・・」
「そうそう、大事にそだてられ・・・って何だとぅ!!」
神「お前勇者だろ、それくらいわかっとけ!」
「むぅ・・・・・」
にらみ合う二人。
町の通行人は二人の前を通るときなるべく離れて歩いていた。
しばらくして睨みあうことに疲れたのかレイラが
「はいはい・・・もう疲れたよ。で、なんで教会寄るの。」
と先に折れた。
神田が気だるそうに説明する。
神「教会で祈るのはある意味今の状態を"セーブ"するってことだ。
その"セーブ"をやっておかねぇと俺たちが全滅したときにそれまで積み上げてきていたものすべてを失う。
だから祈りに行くんだ。」
「へぇ!すごいところじゃん、教会って!」
レイラは音を出さず拍手をしながら感嘆の声を上げた。
彼女にとっては旅は未知なる発見だった。
「よし、さっそく行こう!」
と走っていくレイラを神田は追いかけた。