01
黒魔法で行く手をふさぐ魔物を倒したあと、レイラは旧道を通っていた。
「・・・・・・」
周りを警戒しながら歩くレイラは旧道に入ってから何度も魔物と戦闘を繰り返していた。
剣を構え、魔物がでてきたらすぐにしとめようとあたりを睨む。
旧道はあまり複雑ではないが、慎重にレイラは進んでいた。
そのとき。
ジャリ
「わぁぁぁ!!!」
後ろから誰かが歩いてくる。
暗くて何も見えないが足元だけは見えた。
レイラは思わず剣を振るった。
「っ!!」
息を飲む声が聞こえて簡単にひらりとよけられる。
「だ、だれっ!」
?「・・・・いきなり剣を振るうとは乱暴だな。」
低い男の声だった。
レイラはその男に剣の先を向けたまま男を睨みつける。
男はレイラに歩み寄ってきた。
だんだんと足元のほうから姿があらわになって行く。
男は黒いコートに左腰には刀を携えていた。
意外とたくましい体をしている。
ようやく顔があらわになったとき、一瞬レイラは見とれた。
少しつりあがった瞳。しかしその目は強かで奥にまっすぐな心の強さを秘めていた。
高い位置で髪を束ねており漆黒の髪はさらさらそうで。
かっこいい、というより美しいとレイラは感じた。
?「・・・お前はどうしてこんなところにいる。」
男はそうレイラに聞いてきた。
レイラは正直に答える。
「・・・あっちのトンネルが使えないから、こっちにきたの。」
?「旅人のトンネルか。あそこは元からもろいからよく通行止めになってる。
旅人は大抵の奴は旧道を使うぞ。俺は旅人じゃないがな。」
「え、そうなんだ!」
?「旅人の間じゃ常識だ。」
「(むっ・・・)新米だからしょうがないでしょう!
いきなりおじいちゃんからお前は勇者の血筋だなんだといわれて伝説の剣ほいってやられて旅でろって家出されたばかりの私がそんな旅人情報とか知るかっ!!」
?「・・・・今、なんていった。」
「は?」
?「今なんてったんだお前!」
いきなり男がものすごい剣幕でレイラに詰め寄ってくる。
レイラは驚きながら今言ったことをさかのぼりながら言ってみた。
「そんな旅人情報とかしるか・・・?」
?「もっと前だ!」
「勇者の血筋だなんだといわれて伝説の剣ほいってやられて・・・」
?「それだ!確かにお前は伝説の剣といったな!」
「え、はぁ・・・」
男がどうしてこんな風に驚くのかはわからない。
レイラはいつの間にか伝説の剣を下げていた。
?「・・・まさかこんな餓鬼とは・・・しかも娘・・・」
呆然と見つめられたレイラはとにかく逃げたほうがいいのではと考え始めた。
そろりと一歩後ろに後ずさろうとしたら。
ガシ
男に腕をつかまれる。
?「・・・ついてきてもらおう。」
「え!?」
男はそういってレイラを引っ張っていった。
「(何されるの、されちゃうの!?)」
レイラはパニックになりながらもぐいぐい腕を引っ張られてついていくしかなかった。