第十七話
神「これから今後の方針を立てる。」
ゆらゆらゆれる船内に三日目にしてようやくなれたレイラとラビは二人同時に「イエッサー!!」と敬礼した。
ふざけているのか、といいたいところだがそうすれば話がスムーズに進まないだろうと予想できるので一つ咳をして二人に向き直った。
神「まず、俺たちの探さなければならないものはなんだ。」
ラ「伝説の防具とフルートだろ?」
「うん。」
神「だが封印は伝説の防具だけで破壊すれば何とかなるだろう。俺が言いたいのは防具だけを探すのか、それとも両方集めるのかというところだ。」
神田の言っていることはもっともである。しかしレイラにはその考えは反対だった。
「だけど、」とレイラが身を乗り出す。
「破壊したら魔物がわんさか出てきちゃうじゃん。」
神「・・・・・そうなんだが、早く魔王を倒せばその魔物も消滅するんじゃないのか?」
レイラは神田のその言葉にむっとする。それまでは魔物が大量にとびだし村の人間を襲ってもいいのか。
そんなとき、ちょうどいいタイミングでラビが二人を仲裁するように声を出した。
ラ「二人とも思い出すさ。」
神「・・・・何をだ。」
ラ「一個目のフルート探しに行ったときさ。」
ぴんときたような顔をしたのは神田だけだった。
レイラはなんなのか分からずに不思議そうな顔をしている。
「・・・・どゆこと?」
そんなレイラの問いに、ラビが答えた。
ラ「俺ら、フルート探しに行くとき、村の地下の地図持ってったろ?」
「うん。」
ラ「あれは、あのじじぃからもらったものさ。もう返しちまったけど、あの地図には伝説の剣のありかも示してあったはずさ。」
「え、じゃあ・・・・伝説の防具があるところにフルートもあるってこと?」
ラ「そういうことさ。」
ラビのその説明にレイラは目を輝かせた。同じところにあるということなら、一緒に探してしまえばいいのだ。
「方針は決まりだね!」
ラ「そうさね。」神「あぁ。」
レイラの明るそうな顔に、神田とラビは反対する言葉なんて出るわけがなかった。