DグレRPG劇場 | ナノ

第十二話




ブ「・・・・またここで寝ておったか。」


神田の治療を終えたブックマンは神田の頼みでわざわざレイラを呼びに来た。

彼女はラビと一緒に丘で転寝している。

やれやれとため息をつくと、


ブ「起きんか!!」


と頭を叩いた。


「って!!」


ついでにラビも叩く。


ブ「お前もだ!」


ラ「っつ!」


二人は、痛みに顔をしかめながらがばりと起き上がった。


「なにすんの!」


ラ「痛いさ!!」


口々に不満の声を漏らす二人にブックマンはひとつため息をついた。


ブ「こんなところで転寝しておって・・・あやつの治療が終わったぞ。」


ブックマンの言葉に二人は先ほどまでの不満はどこへやら、目を輝かせてブックマンよりも先に家へと帰った。








「神田!」


ラ「ユウ!」


扉を開けて、家の中へと入るとベッドに横になっている神田がいた。

彼はばたばたと騒がしく入ってきた二人に顔をしかめながら、彼の愛刀である六幻に手をかけていた。

ベッドに寄る二人。

その片方に神田は六幻の刃を向けた。


ラ「な、なにするんさユウ!」


神「俺の名をファーストネイムで呼ぶんじゃねぇ・・・!!」


後ろに、鬼が見えるとレイラは心のうちで叫びながら神田をいさめる。

神田は舌打ちをしながら六幻を収めた。


「それほど元気があるなら大丈夫そうだね。」


よかったよかった、と安心したようにいうレイラにラビが面白半分に言葉を発する。


ラ「レイラはユウのこと心配して泣きそうな顔になってたさ。」


レイラは即座に否定した。


「はぁ!?泣きそうになってない!」


ラ「そんな必死で否定するところがほんとっぽいな。」


「なってないって!」


ラビの言葉に神田は無言でレイラに顔を向けた。

そして神田はあのときのことを思い出す。

勇者を守るために仲間となったが、あのときはなぜか勝手に体が動いていた。

勇者を守らなければならないという使命感からではなくただ、守りたいと心の中で切に願ったからだった。・・・・そしていつの間にか庇っていた。

ただ、今考えると守られた側も自分が傷つけば心配するに決まっている。

神田は二人の言い合いがいつの間にかそれて行こうかしたときにポツリといった。


神「・・・・心配をかけた。」


と。


「な・・・!!だ、だから心配は・・・!!」


神「してなくても、心配かけたな。」


「っ・・・!!」


ふっと、神田が笑みを浮かべればレイラが顔を赤らめた。

ラビは、ニヤニヤと笑いながら二人の様子を見る。


「あ、え、っと、とにかく休んで!!」


レイラは顔を赤らめながらぶっきらぼうにそういって外に飛び出した。


ラ「いい感じだったじゃん?」


レイラが家を出て行ったあと、ラビは面白そうな顔を崩すことなく神田に言った。

神田は、ラビを刻んだとか刻んでいないとか。








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