02
ラ「あ、ありえないさ!傷ついてなかったのかよ!」
「もちろん傷ついたよ。勇者になる前は私だって普通の村に住む女の子だったんだから。」
ラ「な、そ、それでも卑怯さ!」
神「無理やりつれてく手間が省けただけだ。」
ラ「無理やりつれてく気だったのか!」
そうしてほのぼの(?)と話をしながらフルートのパーツと伝説の防具を探して旅を始めた三人。
ラビはまだまだ不満げだった。
ラ「そもそも何で俺なんさ。俺なんてよわっちぃ兎人なんだぜ?」
「私が答える前に神田ユウ様が答えてくれるでしょう。」
おどけて神田に話を振ったレイラに彼はいきなりだなおいと毒づきながら言った。
神「その槌。」
すっとラビの腰にある槌をさす。
ラビはこれがどうしたのかというように不思議な顔をした。
神「よく、使い込んである。」
ラ「あ。」
「おぉ、観察眼鋭い。」
神「戦いなれてる絶対的証拠だな。」
自慢げに鼻を鳴らした神田にレイラはぱちぱちと小さな拍手を送った。
ラ「・・・そんなとこまで見てたんさね。」
神「相手が危険な奴だったらどうする。」
「え、そういう理由でみてたの?」
神「・・・俺がどういう意味で観察したと思ってたんだ。」
「性的な意味で。」
ラ「うへぇ・・・」
神「俺は男に興味はねぇ。」
「神田すっごい冷静だ。」
おふざけをしながらも笑いあう。
はじめ警戒していたラビも段々と打ち解けていった。
ラ「そういやレイラはなんで俺を仲間にしようと思ったんさ。」
ふと、思い出したようにラビが聞いてきた。
レイラはさらっと答える。
「え、勘だけど。」
ラ「勘?」
神「勘って、どんだけお前のーてんきな奴だ。」
「女の勘なめてもらっちゃこまるなぁ。
私この人になら自分の背中任せられるって人としか仲間なりたくないもん。
あ、神田のときも勘で仲間になったんだよ。」
"勘"というだけだとあまりうれしくない気もするが"背中を任せられる"と聞けばなんとなくくすぐったい気持ちになった神田とラビだった