「ただいま燐。えと、遅くなってごめん!…あれ?」
「ぐー、すかー」
「寝てる…?ぷ」
「ん…むにゃ…」
「燐。こーら燐?」
「んー?…ん…」
「こんなとこで寝てたら風邪引くよ。起きて」
「ぅ…、ゆきお…?」
「ただいま。待っててくれてたのに遅くなってごめん」
「ん…いーよべつに…ふにゃ」
「眠いねぇ…ちゅ」
「ん…だいじょぶ。おきる…ふぁぁ」
「よしよし。今日もいいこにしてたみたいだね」
「ん?うん。いいこしてたぞ」
「っちゅ。あれ…燐、髪がまだ濡れてる。ちゃんと乾かさなかったの?」
「うん?あー、乾かしてる途中で眠くなってきていつの間にか寝てた」
「くす…乾かしてあげるからこっちおいで?」
「別にへーきだよ…っくし」
「ほらおいで」
「あい…」
「まったく…だから放っておけなくなるのかなぁ」
「なにがー?」
「なんでもないよ。痛くない?」
「んーん。きもちい」
「そう。…よし、だいぶいいかな?」
「ん。さんきゅ」
「それにしても燐の髪はまっすぐだね」
「そうか?ごわごわしてて固そうじゃね?」
「そんなことないよ。柔らかくていい匂いがする」
「それは風呂上がりだから…って嗅ぐなー…」
「ん?だめ?」
「だ、めじゃねぇけど…くすぐったいだろ!」
「そんな反応されたらもっとしたくなるなぁ」
「…変態っぽいぞ雪男」
「ふふ。おじさんですから」
「ていうか実際何歳なんだ?」
「…ひみつ」
「ずる…んっ」
「…ちゅ、ちゅ」
「っふ…、ゆ…き」
「ん?…なぁに、ちゅ」
「っ…ぷは…、なんか最近キスがしつこい」
「そうかな?だめ?」
「だからだめじゃねーけど!いってきますとおかえりはするっていう約束だし…でも」
「でも?」
「なんか…変な感じになる、から…その」
「そっか…じゃあ今後はもうキスはやめようか?」
「だっから!そういうことじゃなくて!」
「?、じゃあどういうこと?」
「いや…だから、雪男とキスすんのが…嫌って訳じゃなくて…な」
「うん」
「……だめだ。なんかよくわかんない」
「ええ?」
「俺バカだからなんて言ったらいいかわかんねぇ…こういうのなんて言うんだ?」
「うーん…僕の口から確信的な…それも未証明なことを言うのもなぁ…」
「?、雪男もよくわかんないのか?」
「…うん。雪男もよくわからないかなぁ」
「!、そうか。そうか!」
「ねぇ燐」
「ん?」
「それがなにかわかった時は真っ先に僕に教えてくれる?」
「おう!」
「…楽しみにしてるよ」
(凶と出るか、吉と出るか…)
生殺しとはまさに