最後の日
卒業式後の奥村
ちょっとだけ大人の未来の話。





「あー。終わったな」

「終わったね」

「なんかあっという間だった」

「うん」

「毎日早起きして弁当作ったりとか、わけわかんね授業受けたりとか」

「そういえばテスト前はよく泣きつかれたっけ」

「うっせ」

「ふふ、」

「でもよかった。わけわかんなかったけど雪男が居たし」

「友達はあんまり居なかったけどね」

「数じゃねえだろ。友達は」

「…そうだね。」

「雪男の卒業生代表のあいさつよかったぞ!予行では寝てて聞いてねぇからちょっと頑張ったけど何言ってるかは分かんなかった」

「兄さんに麗らかな〜なんて日本語が理解できるとは思ってないから安心して。あれは一般の方たち用」

「おいそれ俺が一般の人じゃないみたいじゃねえか」

「え、一般人のつもりだったの?」

「おい!」

「この制服も着修めだね」

「話逸らすな!」

「まあまあ。僕意外と気に入ってたんだよ?兄さんの制服姿」

「な…そんなら俺だって」

「制服デート、したかったなあ」

「……散々買い物行ったろ」

「デートがしたかったの。青春っぽいでしょ」

「雪男に青春〜?ぶは、それ超ウケる」

「うるさいなあ。そういう兄さんもどうせ憧れてたでしょ?自転車で2ケツ」

「…!、べつ…に」

「図星ですね」

「うるさい眼鏡」

「うーん…今考えると案外やり残したことがあるなあ。高校生」

「たしかに…なんかただ学校いって卒業したってかんじ」

「……」

「……」

「「あのさ」」

「…兄さんからどうぞ」

「いや!雪男から!雪男言っていいぞ!」

「はあ…。じゃあ兄さん」

「ん」

「今からこのまま一緒におでかけしませんか」

「…!」

「そうだな、電車に乗ろう。駅前に新しく出来たクレープ屋さんに行きたい。久しぶりに洋服も見たいな。それで夕飯の買い出しの時に自転車にも乗ろう?」

「雪…」

「だめかな?」

「…〜〜〜、行こう!!」

「…ふふ、僕らってまだ高校生?」

「当たり前だ!」

「兄さん」

「ん?」

「卒業、おめでとう」「……ふは!さんきゅ!雪男も卒業おめでとう!」

「ありがとう。そうだ兄さん、父さんに報告に行こう?母さんにも」

「!、それだ!」


(手をつないで、会いに行こう。)
(歩く力ならもうここにあるから)
(どんな未来でも君が隣に居れば)



3月1日が卒業式な学校が多いと聞いたので小話程度ですがちょっとだけお祝いです‥。
今年度ご卒業のみなさまおめでとうございます!
皆様の未来が明るく暖かなものでありますように*
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