「が、あっ…、うっ、」
「兄さん、」
「いやだ…いやだ俺が」
「兄さん」
「俺が殺した…、神父さん…」
「大丈夫。うなされてるだけ」
「俺の、俺の…せいだ…、ううっ、ぐす」
「落ち着いて。僕の声を聞いて」
「ごめんなさい、ごめんなさい…、ごめ…、なさ…うう、う〜、っ」
「兄さん、」
「また雪男を傷付けた…ごめん、ごめん雪男、ゆき、…お」
「兄さんに傷付けられたことなんて一度もないよ」
「まも、れなかった……、」
「泣かないで」
「……神父さん、神父さん」
「もう怖くない、誰も兄さんを責めたりしないから」
「い、かないで……」
「だから、今は眠って」
「と…うさん…―、すー…、すー」
「……毎晩うなされるくらい夢見悪い思いしてるのになんでいつも我慢するのかな」
「お…れ、」
「もっと自分本意になっていいのに…僕の心配なんかしないでよ。…バカだな。」
「…、すー…」
「せめてもっと分かりやすく慰めさせてよ…。僕にも、背負わせてよ。弟なんだから…。」
限りなく悲しい夢を見る
(そして願わくば、この人が傷付かなくて済む世界を下さい)