手のひらの花がさいたら
手のひらの花がさいたら

手のひらの花がさいたらどんな色なんだろう。

俺は魔神の息子だけど一応半分は人間だし、血の色通りだったら赤か?

それとも炎の色は青いから青か。まあどっちでも構わねーけど。

赤でも青でも、何色であっても俺は「雪男」と名付けそうな気がする。

そこら辺の奴が聞いたらただのブラコンだって思われるかもしれねーけど。俺は雪男でぴったりだと思う。

だって雪男は女より色が白くて、目がでかい。身長は全然可愛げねーけど花に例えるのがぴったりな繊細な顔立ちだと思う。

頭も俺と違ってすげーいいし、(女子に)人気だし、塾のセンセーやってるくらいだからきっと咲いてくる花も均整の取れたきれいな花なんだろうな。

俺なんかじゃ価値もよくわからないくらいかも。

そんな花が咲いたとしたら、綺麗だろうな。

枯れてしまうのがもったいないくらい大事にすると思う。

というか枯れる前にそれなりに押し花とかにして半永久的にそばに置いておきてーな。

だってそれはきっと息を飲むくらいきれいな花のはずだから。

俺は目を閉じずにはいられない。

呪われた子供には眩しすぎるくらいきれいな花に触れていられるだけで。そばに置いておけるだけで十分なんだ。

だから俺は目を閉じずにはいられない。

開いたその瞬間には壊れて消えてしまいそうな儚い光だと気づいてしまうだろうから。

だから俺は目を閉じずにはいられない。

考えることはいつだって簡単だ。

俺は目を閉じずにはいられない。

失いたくはない。

手のひら級の光でも、それは希望だから。

だから俺は目を閉じずにはいられない。


(できるなら、もう少しこのままで)
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