靴下焼け
「あ、」

「お?」

「靴下焼け」

「おお、今日体育2時間外でやったからなー。日焼けくらいするだろ」

「なんか裸足なのに靴下履いてるみたい。かわいい」

「ば、かわいいとかねーよ!そういう雪男だって」

「あ、ちょ…眼鏡」

「ここんとこ痕になってんぞ」

「あ…こないだの任務の時のだと思う。長時間外に居たから」

「…つーかあの暑苦しい恰好で長時間外ってお前やばいぞ」

「?、なにが?」

「ダメだ…何年も祓魔師やってるとそういう感覚バカになるのかもしれん…」

「なにぶつぶつ言ってるの兄さん?」

「まあ…いいよ。ちゃんと水分と栄養補給してれば」

「僕の栄養は兄さんだから」

「バカ言ってんな。お前ちゃんと任務中水とか飲んでるのか?」

「……気づいた時に」

「こまめに?」

「……………」

「黙るなよ」

「ぼちぼち…です」

「……次から無理矢理でも飲め。いいな。」

「でも「わかったな?」

「…はい」

「ならよし」

「はぁ、…じゃあ僕からも」

「んお?」

「高校の勉強の方はまあ見てあげるけど、塾の方の復習と宿題はちゃんと自分で努力して」

「うげ…」

「この間も僕がお風呂入ってる間に机で落ちてたでしょ」

「…〜、だってよぉ」

「だってじゃありません。僕は弟だけど先生なんですよ?」

「はい…ソウデスネ」

「少人数とはいえ1つのクラスを担当してるんだから兄にはちゃんとして欲しいって思うのは我が儘ではないと思うんだ」

「…ソウデスネ」

「僕だってあんまり口うるさくしたくないし、兄さんもしつこく言われたくないでしょう?」

「オッシャル通リデス」

「……ちゃんと聞いてる?」

「聞いてる…うわっ」

「…聞いてないよ。上の空な返事ばっかり」

「お、俺なりにちゃんと反省、つか退けっ」

「ならちゃんと僕の目を見て約束して」

「…お前それ人に言えた立場じゃないからな」

「兄さんにはこれくらいしないと効果ないから」

「お前だって同じだっつの!」

「体育はちゃんと出来てるんだから勉強もちゃんと出来るはず。そうでしょ?ちゅっ」

「ひ、ちゃんと話きけー!」

「じゃあ僕のお願いきいてくれる?」

「〜〜、っかったから足首にちゅーすんのやめろ!!」

「なんで?靴下焼けかわいいのに。ちゅ」

「汚いからやめろ!」

「汚くないよ。兄さんの足だもん」

「…お前それ本格的に気持ち悪いからあんま外では言うなよ?ていうか言うな」

「…?、うん」

「本当にわかってんのかよ…」

「ちゅ、ちゅ…」

「なにが楽しいんだか…、んっ」

「…感じる?」

「うっせ…離せばか」

「うーん…ちゅ、っ」

「うーんじゃねえよ…明日も朝から任務だったろ。ちゃんと寝ろ」

「…ほどほどで止めておこうかと思ったけど、ダメ?」

「ダメだって…ん…な、退け、って」

「思いのほか靴下焼けがいやらしくて」

「やらしいのはお前の頭だー!」

(誰かこいつをどうにかしてくれ)
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