「っちゅ…ちゅ」

「……すぅ、すー…」

「…ちゅ、…ぺろ」

「…こら」

「うぉっ」

「なにしてるの…」

「うーん…夜這い？」

「夜這い？じゃないよ…全く……疲れてるんだから勘弁して…ふぁ…、ぁ」

「だから迷惑かけないようにように夜中にキスしに来たんだろ…お前最近飯もロクに食ってないし」

「兄さんにしては頭使ってるけどなんか違うってことに気付いて下さい…」

「ん。悪かったな。じゃ戻る…うぉ」

「はぁ…」

「ん？雪男ろーした？兄ちゃん息し辛いんだが…ふが」

「戻っていいとは言ってない」

「んー？」

「せっかく夜這いに来てくれたんならまっとうして欲しいな？一人で眠るのは寂しいよ」

「ん、まじで疲れてるだろお前。抱きつく時はいつもそうだ」

「だからさっき言ったじゃないか…鈍いんだから」

「俺ここ居ていいの？」

「それもさっき言った」

「ん。なら居る。なんかして欲しいことあるか？」

「勉強…」

「それじゃなくて！いま！なう！」

「…とくにない。ここにいて」

「りょーかい。…雪男」

「なに？」

「キスしていいか？」

「疲れるのは嫌だ」

「わかった。ちゅっ」

「ん、くすぐったい…」

「お前いい匂いがするからついこうしたくなる…ちゅっ」

「そう？」

「そう。ちゅちゅ…んわ…、そこぞわぞわするから、やめ…」

「首弱いもんね。でも僕ここ触るの好き。させて？」

「んー…、今日だけだぞ」

「はい。…ふぁ」

「眠いか？」

「安眠妨害されたのでまぁそれなりに」

「眉間にシワ寄せて寝てるくせに安眠とか言うな。ちゅ」

「クセだよ癖」

「クセでもダメなもんは駄目。心配だから…ちゅっ」

「ん、そう。ありがとう。兄さん…」

「ん？んぐ…」

「ちゅっ、…ちゅっ」

「ん、ふぁ…。ぁ」

「うん。だいぶ目が慣れて来た。あんまり見えないけど」

「ふはは、なんかかわいいな。お前」

「嬉しくない」

「？、いーじゃん。皆が知らないかわいい雪男は俺だけのもんなんだぞ？普通に嬉しいって思っちゃダメか？」

「ダメじゃない。でもかわいいは嬉しくない」

「強情なやつだなー。ちゅ」

「僕より兄さんの方がかわいいし」

「俺？いやいやねぇから」

「はぁ、兄さんはもうちょっとそういうところどうにかした方がいいと思うよ」

「ため息をつくなため息を。ん？なに、撫でてきて」

「気まぐれな猫みたいだなー、と思って」

「にゃー？」

「ふふ、かわいいね…ちゅ。今日は一緒に寝ようか？」

「狭くね？」

「猫さんは小さくてかわいいから大丈夫。」

「小さいはよけーだ」

「ふふ、ごめんね猫さん？」

「……ったく、んな甘え方反則だっつの。ふん」

「ん？寝てくれるんだ。ありがとう兄さん」

「今日は猫だから特別なだけだからな！クロだってたまにお前の布団に来るだろ？それと一緒だからな」

「はいはい」

「ん。ちゅ…おやすみ」

「うん。……おやすみ」

(頭を抱えて抱きしめて、眠って)