不安になって、俺たち付き合ってるんだよな?って思わず聞いてしまった。仕方ないじゃないか。付き合おうと言う形になって、およそ半年。
キスの一つや、手を握ることさえ、憚れるらしい。
俺はもっとトキヤと、いろんなことがしたい、と言っても、もう少し待ってください、の繰り返しだった。

トキヤは何が怖いんだろう。
俺が、傷つくことが?
泣きじゃくるとでも思っているんだろうか。
そんなことがあるはずないのに。

単純な俺は言葉ひとつで一喜一憂するし、態度で(例えば抱き締められたりとか)示されれば嬉しくってその倍の態度で示すはずだ。
だから、何もしてくれないなら、こちらから仕掛けるしかないじゃないか。


そう思った俺は、トキヤ、と名前を呼んで?、振り向いたトキヤの唇に唇を押し付けた。キスと呼ぶには雰囲気なんてあったもんじゃないけれど、それでもトキヤを動揺させるには十分だった。

「な、なにを…!?」

「いつまで経ってもトキヤがしてくれないからだろ?」

トキヤの顔が真っ赤になる。そういう俺の頬も熱いからきっと紅いんだろうけど、元の肌の色が黒いからたぶんあまりわからない。
はあ、と深呼吸したトキヤの口は何かいいたげだったから、次の言葉を待った。

「どうしてそう唐突にできるんですか…」

「……俺からしないとトキヤしてくれないじゃん。俺はトキヤともっといろんなことがしたいし、…その、先にも進みたいよ…」

目を見てそう言えば、私だっていろんなことがしたいです、と言うくせに、トキヤはこちらを見てくれない。
こっち向いてよ、と催促すれば、

「どうしてそんなに余裕があるんですか…」

と問うもんだから、だんだん腹が立ってきて、トキヤの手を掴んで俺の心臓目掛けて、引っ張ってやった。

「ドキドキして余裕がないのは自分だけなんて思わないでよ!」

そう声を強めると、呆気に取られた顔をされる。
前途多難だ、と呆けた顔に二度目のキスをすれば、掴んだ手を握り返された。
少し前進、なんてね。







駄々っ子真似っ子甘えっ子






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おまたせしました!もずくさんリクエストの、トキ音で淡白なトキヤに耐えかねて誘っちゃう音也、でした!なんだろう、誘っちゃう一十木くんでどうも音トキ臭がしてるんですが、だいじなんでしょうか、これは…。
書き直しはいつでも受け付けます!リクエストありがとうございました!\(^o^)/


111012 遊良
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