ガンショップを出たジーナとスティーブは、徘徊するゾンビを避けながらラクーンシティ警察R.P.D.へと向かっていた。 暗い路地裏で目につくのは生気を失った人々や内臓を喰われた死体ばかり。 「酷い……」 変わり果てた人々の様子にジーナはそう呟かずにはいられなかった。 「…なあジーナ…」 スティーブが何か言いかけたとき、通りの方から人の声が聞こえてきた。 『住民のみなさん!この区画は暴動のため、後数分で封鎖されます!残っている人は、急いでこの通りまで出てきてください!時間に間に合わなかった場合は…安全の保障はできません!…繰り返します…』 「スティーブ!今の…」 警察のものらしき放送が聞こえて喜ぶジーナとは裏腹に、スティーブはどこか浮かない表情をしていた。 「よかった…今の声、警察の人みたい…」 「よかないぜ」 「え?どうして?」 「もう自分達の手に負えないから間に合わなかった奴は死体と一緒に置き去りにするって言ってるのと同じさ」 「!」 心臓がドクンと脈打つ。 そうだ。確かに今の放送を言い換えれば、スティーブが言ったようにゾンビ達とこの区画に閉じ込められる…ということだ。 「だから好かないんだ、警察ってのは…」 スティーブは銃を握り締めて後ろを振り返った。 「急ごう」 「うん…!」 no 次へ |