DUNE-under



入り組んだ地下街はごちゃごちゃと色んな物が詰まってる。行き交う人達の話し声が飽和して、ひとつの響きになって。オレンジの灯り。照らされた店の商品。見難いほど並んだ看板。

「トゥルー!」
「マノス」

がやがやと煩い喧騒の中から、ひとつの声が俺を呼び止める。肩を叩いたのはマノス。

「なあ、今からあそこの肉まん食いに行こうと思ってんだけど、お前も行こうぜ」
「あぁ、この前の」
「うん。美味かったろ?無性に食いたくてさー」
「いいよ。行こう」
「そう来なきゃな!」
「けど、もうすぐ門限だぜ?」
「あ、あぁー。ほら、賄賂に買ってけばいいだろ」
「そうだな」

来た路を引き返して、今度はマノスと一緒に歩いた。マノスとくだらない事を話しながら歩いてると、喧騒も聞えなくなる。店の商品も見えなくなる。

「うめぇー!やっぱ美味いよなぁぁここの肉まん!」
「そうだな」
「もう一個買うわ」
「まだ食うのかよ!」

噛み付くと滲み出てくる肉汁が口に広がる。白い生地も甘みがあって美味い。一つ追加した肉まんを手にしたマノスと、寮への路を歩いた。

「そーいや明日って古代史あるじゃん」
「うわっ眠くなるよなぁ。だりぃー」

他愛もない会話で、一日を終わらせていく。夕刻の日常。






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