Evil3
2013/11/08 19:21


彰宏は慌てて由利に駆け寄ろうとした。
が、何故かスーツの裾をがっちりと掴んでいた圭人に阻まれ止まってしまう。

「けっ圭人、何してんだ!ちょっと離せ」

「イーヤ。ここにいろよなアッキー、まだ話終わってないだろ」

「いや、ちょっと由利とな」

「彰宏ちゃん?俺とも話終わってないよな?」

「す、すまん翔、社長に何とか言ってみるから……!」

「てめえ彰宏いい加減にしろよ!」

圭人と翔に対応している最中、楽屋に怒号が響き渡る。
由利がとうとう堪忍袋の緒をブチ切れさせてしまったようだ。

後1時間でスタジオ入りしなきゃならんのに……!

彰宏は眩暈がするのを堪え由利に謝罪した。

「ごめんな由利、俺お前のこと蔑ろにしたわけじゃ……っ」

「当たり前だろ、俺が仕事するかどうかはお前次第だからな。だからほら、しろ」

「は?」

由利が言い出した言葉の内容を理解できず、彰宏は固まった。
未だに圭人に掴まれ身動き出来ない彰宏に、由利がツカツカと歩み寄ってくる。

「な、何をしろって?」

「何ってなあ、もうわかんだろ」
言い様、由利が唖然としている彰宏の顎を指でひっかけ、そのまま口づけた。
「むー!?」と目を見開く彰宏を、逃さないように抱き込む。

「おい由利ー、お前勝手に何してくれちゃってんだよ」

圭人が文句を言うが、由利は構わずキスを深いものへと変えていく。
口腔内を愛撫する由利の舌に、彰宏の膝が震え始める。
完全にくったりと脱力する頃には、翔が手際よく人払いを完了させていた。
由利が彰宏を抱き抱えるように、ソファーに移動し押し倒す。

「は、はあ……由利、お前……っ」

「スタリハまで1時間か、十分ヤれんな」

「ふざけるなよ……!」

彰宏が必死に止めようとする抵抗を軽くいなし、由利がネクタイを解きシャツのボタンを外す。

「はいはい、彰宏ちゃん抵抗はやめようなー。時間足りなくなっちゃうからね」

人の良さそうな笑顔で言う翔が、頭上で彰宏の手を抑え拘束してしまう。
彰宏は真っ青になった。
こいつら、何を始める気なんだ……?
まさか……!いやいやまさか……
いやまさか!

「馬鹿野郎お前ら!マジで何考えてんだヤメロ!」

「彰宏お、お前も何だかんだで好きだろ?気持ちよくしてやるから素直に抱かれろって」

「嫌に決まってんだろおお!」

素肌を撫でながらの由利の言葉に、彰宏が悲鳴をあげた。


 



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