精霊でも魔物でもない謎の力を宿す女と、一戦を交えた後。
アクナディンはその身を
人道的な正義感を持つファラオに知られぬよう、今はこれ以上派手に動かない方が良いと彼は考えた。
女は速やかにセト側で捜索するという。
セトが捕らえたという、肌の白い女――
たしかにあの噴き出す獣のような力を手に入れれば、セトの言う通り強力な兵器となるかもしれない。
だが――
あの女はともかくとしても、
ファラオには言えない、後ろ暗い蛮行――
強力な魔物の力を手に入れるために行なう、人狩り。
それは禁断の果実だ。
冷静に考えれば必要だし、堪らず魅力的ではある。
しかし人道的には許されない。
関わった者達の心に重くのしかかる、罪悪感。
罪は恐れを生み、恐れは人を闇へと誘う。
このような事を続ければ、セトもアクナディンも闇に足を踏み入れることになってしまうだろう。
セト――
己の出自を知らない、アクナディンの実の息子。
アクナディンは恐れた。
息子は、自分と同じ過ちを犯そうとしている――
国の為、王の為と力を求めた結果、千年宝物を生み出す呪われた儀式に手を染めてしまった、自分と同じように――
アクナディンが人知れず苦悩を覚えた時だった。
現れる剣呑な気配。
「何者……!」
振り向けば、見覚えのあるシルエット。
「バクラ……!」
薄暗い神殿の中で不敵に笑うバクラの胸には、絶対に有ってほしくないモノが輝いていた。
千年輪。
先日浮かんだ悪い想像が現実となって目の前に突きつけられる。
決死の覚悟でバクラと刺し違えた神官マハードは、盗賊バクラを仕留めきれず千年輪を奪われた上、王墓からの脱出も許してしまったのだ。
――最悪の展開。
だが、起きてしまったことを嘆いていても仕方ない。
アクナディンは石版の守護者として、魔物を呼び出そうと動く――
しかし。
――遅い!!
バクラの精霊獣の能力の方がはるかに素早かった。
アクナディンが呼び出そうとした魔物の石版は砕け散り、それだけではなく、壁に潜んだディアバウンドが次々と神殿の石版を破壊していく――
バクラの胸元で、千年輪が光る。
同じ千年宝物同士のはずが、アクナディンはリングの力に抗えずに壁に叩きつけられた。
身動きの取れぬまま、バクラの背後から精霊獣が姿を現す――
「さあて――
殺すか生かすか……貴様に選択の機会を与えてやるぜ」
石版の神殿に、バクラの非情な声が響き渡るのだった――
**********
「はぁ、っ……!」
英瑠は少しだけ息を乱していた。
手には槍。
衛兵から奪ったものだった。
そして、懐には――
神官から奪った千年宝物。
彼女は、走った。
英瑠をただの罪人だと思ったらしい女神官アイシスが、己の精霊と石版の魔物を英瑠へけしかけた時。
英瑠から噴き出た虎はそれを振り払い、隙をついた彼女は生身でアイシスに飛び掛った。
そして、首元からタウクを引きちぎるように奪ったのだ。
驚くアイシス、何が起こったかを瞬時に悟り、千年宝物を奪い返そうと精霊たちを英瑠に向かわせる――
英瑠が応え、彼女の精霊と雌雄を決しようと構えた、その時。
炎のように揺らめく虎が、まるで獲物の匂いを嗅ぎつけた獣のようにピンと反応し、ある者の気配を捉えた。
それは、この世界で一番良く知っている気配で、英瑠の抑えきれない感情と直結していて、どの精霊よりも激しくて――
英瑠は虎を使って反射的に精霊スピリアへと一撃を食らわせると、振り払うようにして外へ飛び出した。
バクラが、この王宮に来ている――
白き虎のような精霊――ではないのだが、とりあえず『それ』を出している時は、他の精霊や魔物の気配をいつもより敏感に捉えることが出来るようだ。
バクラの精霊獣ディアバウンド。
忘れるはずのないその気配を追って、英瑠は走る。
たった今手に入れた千年タウクを握りしめて。
ただでさえ速い彼女の脚が、虎の力によって何倍にも強化され、英瑠は放たれた矢のごとく王宮を駆けた。
「ぐああああ……!!」
どこからか響き渡る、男の悲鳴。
ややあって、遠く石版の神殿の方から踊り出てくる小さなシルエット。
(バクラ!!)
英瑠は声を出さずに心の中で叫んだ。
彼女は鷹の目のごとき視力でバクラを捉えたが、バクラは気付かないのだろう、闇夜の中で派手な外套を翻し王宮の外へと向かって行った。
――追う。
夜の宮城内を警戒する衛兵たちが、英瑠の姿を捉える。
虎を己の中に押し戻して、槍で突き、振り払った。
敵を手に掛けることに躊躇いは無い。
だがそれは、己の奥底に眠る半妖の部分ではなく、武器を握った手で、肉体の力を奮って行うべきだ、と彼女は考えていた。
それでこそ、戦場を駆ける武人なのだ、と。
安全な場所から腕の一振りで千の矢雨を降らせるなど、どこぞの指揮官にでもやらせておけばいい。
ここは前線だ。
バクラが用意した、復讐劇という名の戦場の。
王宮を去ろうとしているということは、バクラは今夜の目的をもう果たしたのだろうか。
修行は終わりだ。
『武器』はそろそろ、持ち主の元へ戻らなければ――
英瑠はバクラを追った。
馬に跨る兵を襲ったバクラが、強引に馬を奪い、逃走をはかる。
「……っ!」
バクラの出現を知った兵士たちがざわめき出す。
英瑠は邪魔な兵を薙ぎ払って、バクラを追い続けた。
「っ、その女を捕まえろーっ!!」
視界の隅で衛兵が吠える。
集まってくる兵士たち。
その時、遠く視界の端をすり抜ける影。
(ファラオ!?)
ファラオは先を行くバクラを見据え、馬を駆り飛び出して行った。
逃げるバクラ、それを夢中で追うファラオ――
わかりやすい構図。
英瑠は思わず目を細め、まずいことになりそうだ、と思った。
王が無謀にも単身飛び出して行ったら、当然神官団もその後を追ってぞろぞろとついて行くだろう。
そうなると、最終的にはバクラ対ファラオと神官団……という構図になってしまう。
それではいつかの王宮襲撃の時と同じだ。
今のバクラがファラオに負けるとは思わないが、ファラオの呼び出す『神』とやらは一筋縄ではいかないだろう。
英瑠は獣のように彼らを追いつつもそんなことを考え、ここで自分が後方の神官団を足止めし、ファラオと神官たちの合流を阻んだ方が得策かと思考を巡らせた。
だが果たして、あくまでも『初心者』である自分が、白炎の虎一匹であの神官たち複数に立ち向かえるだろうか。
千年宝物の力があれば、己の精霊とは別に石版の魔物を参戦させることが出来る。
そうすれば、勝機はあるかも知れない。
けれども英瑠は、それは無理だ、と知っていたのだ。
英瑠に宿る、獣――
あれは千年アイテムとやらを本能的に拒否している気がする。
千年眼、千年錫杖、そして千年輪――
千年タウクはそれらよりはマシだろうが、それでも首にかける気にはならなかった。
これは耐性のない動物が腐肉を拒否するような――抗い難い感覚だ。
英瑠は己に眠るものの性質を少しだけ疎ましく思った。
そして、自分一人で神官たちに立ち向かうことが難しいと感じた理由のもう一つ。
英瑠は、先程より自分の走力が落ちていることに気付いていた。
やはり慣れないうちから何度も立て続けに白き虎を呼び出したせいだろうか。
まだ完全に獣をコントロールするには至っていないのだろう。
『あれ』は、まるで注ぎ口の折れた急須のように、あまりにも勢いよく噴出し過ぎるのだ。
過剰な攻撃力。
敵の精霊や魔物に一撃を加える時だけでいいはずなのに、虎は生まれた瞬間から全力で雄叫びを上げ始めてしまうのだ。
魔力だか魂だか知らないが、『あれ』を戦わせ続けると、少なからずそれらが徐々に削られてしまう。
無駄打ちは控えなければならない。
だから――
いや。
いいや。
否!
英瑠はたった今分析した己の力量と限界を、そしてそこから導き出させる後ろ向きな選択肢を、頭を振って捨て去った。
捨てる、というよりは賭けた、に近いかもしれない。
まるで財布の底に残った僅かな食費と帰りの路銀を全て、最後の一賭けにぶち込む賭博狂のような。
恐らく、だが――
それは確信に近いものだった。
あの『虎の力』には、まだ先がある。
息が切れるだの走る速さが落ちたかもしれないだの、そういった余力を全て忘れた先に、まだ残るモノ。
バクラの元へは必ず帰る――それは確かだ。
先程手に入れた千年アイテムを彼に渡さなくてはならない。
だが、五体満足で帰るとは言ってない。
そもそも、傷つくことを恐れる武将など、武将ではない。
ならば。
取り得る選択肢は、たった一つ!
英瑠は先のバクラと同じように馬を強奪すると、二人を見逃さぬよう彼とファラオの後を追った。
追いつつも――後方へ注意を向け、彼らに近付き過ぎないよう距離を取って馬を走らせた。
不意に、前を行くファラオから発せられる剣呑な力。
――神の召喚!!
ファラオの名の下、召喚されるモノ――神。
天空でとぐろを巻く竜のようなそれは、かつての王宮で見たのとは違う神だった。
バクラの精霊獣ディアバウンドと、ファラオの神が激突する。
ディアバウンドは倒した敵の技をすべて盗み修得するという。
あの王墓で散華した神官マハードの技が、『神』に向かって襲い掛かる。
だがしかし、ファラオの神は素早かった。
ディアバウンドの攻撃を躱し、反撃に転じた。
「召雷弾!!」
バクラが能力を発動させ、精霊獣を地中に逃がす。
ディアバウンドは導火線のように王に迫り、追い詰めていく――
拮抗する、二つの力。
ファラオが放った雷弾が精霊獣に炸裂し、バクラとディアバウンドが怯んだ。
「っ……!」
――追っ手はまだ無い。が、そろそろだろう。
バクラはそのまま市街地に向かい、ファラオも当然のようにそれを追っていく。
英瑠はバクラの考えを察し、馬の速度を徐々に緩めていった。
バクラが市街地に入ったのは決して偶然ではないだろう。
精霊獣と神、互いの力にほとんど差が無い状況であれば、バクラはその差を引き離そうと考えを巡らせるはずだ。
敵の領地での戦闘。
それが何を意味するか。
攻める側は、残酷にも辺りを踏み潰し、破壊や略奪に走る。
それを守る側は、何が何でも己の領地と領民を護ろうと奔走する。
当然の話だ。
先を行く彼らの周囲から、人々の悲鳴が上がる。
建物が破壊される音と、撒き散らされる土煙。
今悲鳴を上げて逃げ惑う民衆達は、王の『弱点』でしかない。
英瑠は遠くなっていくバクラの背中を眼に焼き付け、馬を止めた。
神官マハードの矜持を目の当たりにしたときから気付いていた。
きっとファラオは、良き王でもあるのだろう。
それは、かつて英瑠の主を滅ぼした者たちが、それぞれ自軍では慕われていたように。
戦とは、互いの正義と正義のぶつかり合いだ。
正義と悪の境界線なんざ誰もわかりゃあしねぇのさ――
かつてバクラが口にした言葉が脳裏に浮かぶ。
つまりは、そういうことだ。
二人は英瑠の存在に気付かぬまま、真っ直ぐ町を突き抜けるように走り去っていく。
民を守るような動きを見せる神竜と、それを攻撃する精霊獣。
遠目からでもはっきりとわかる、彼らの熾烈な闘い。
ここまで来れば、見逃すこともないだろう。
どの道彼らの戦いは、空中でそれぞれ距離を取って行なわれている。
地を駆ることしか出来ない英瑠が獣を出して追いかけたところで、バクラの援護が出来るかは怪しかった。
それよりも、今は。
英瑠は馬を止め、来た道を振り返る。
もはや遠くなった王宮から、土煙を上げて徐々に迫ってくる影。
「はっ!」
再び馬を発進させ、彼らを迎撃するために立ち向かう英瑠。
彼女の口元には獰猛な笑みが浮かんでいた。
獣のような高揚感と、人間らしい矜持を共に抱いて。
英瑠は、神官団を迎え撃つ――
**********
バクラとファラオは激しい争いを繰り広げていた。
手綱を取るバクラ。
その手は、とある神官の血で濡れている。
石版の神殿を襲った時、バクラはアクナディンの千年眼をあえて奪わなかった。
千年輪の力を使い、彼の千年眼に己の邪念を吹き込んだのだ。
神官団のリーダー格であるアクナディン。
千年眼に吹き込まれた邪念はやがて増幅し、周囲に牙を剥くだろう。
そうなれば、残る千年宝物も自然と手に入るというものだ。
必死に守ろうとした王国を、彼自らの手で血に染める――
何と滑稽な話だろう。
バクラは嗤いながら、他の神官たちを欺くために千年眼に少しだけ手をかけ、『抜き取ろうとしたが断念した』風を装って神殿を後にした。
それを追って来たのは、あろうことかファラオで――
以前王宮を強襲し、ファラオのオベリスクに返り討ちにされた時とは違う。
バクラの精霊獣ディアバウンドは進化し、もはや神に一蹴されるそれではないのだ。
王が守ろうとしている民衆を盾に使い、ディアバウンドで確実に王の魂を削っていく。
ファラオがまだ知らないであろう、新たな特殊能力――
周囲の環境に同化する能力で、ディアバウンドは闇に姿を隠す。
町への無差別殺戮を警戒するファラオの隙を突き、神へと攻撃と食らわせていく。
「ククク……闇と一体化したディアバウンドを相手にどう闘うつもりだ、王サマよぉ!」
千年輪の邪念を吸収した時から、さらに増幅された殺戮の衝動。
血に飢えた手。
七つの千年宝物を揃えれば、闇の力を得、この世を支配できる――
地獄の底からそう語りかけてくる、千年宝物に宿ったクル・エルナの盗賊たちの怨念。
たとえ何を犠牲にしてでもそうしなければならないという、背中を灼くような妄執。
バクラはそれに身を委ねた。
彼らの怨嗟の声を聞き、闇の中を踏破し、復讐をやり遂げると決めていた。
「さぁ王サマよぉ……貴様の千年錐を渡しな……!
さもなくば町の人間共が犠牲になるぜ……!」
闇に潜ませたディアバウンドは、いつでも上空から町を攻撃できる状態にある。
それを分かっているファラオは、苦悶の表情を浮かべながら、首にかけられた千年錐に手を伸ばした。
(どの選択肢を選んだところで、貴様はすぐに殺してやるがな王サマよ――)
その時。
カッ、という閃光が闇夜を一瞬にして照らし出した。
「ッ!!」
光はすぐに収束し、力の奔流となって空を切り裂く――
それは光線であり、炎だった。
金色の光に、螺旋を描くように纏わりついている白い炎。
王とバクラが来た方向から、天に向かって放たれたモノ――
バクラは動けなかった。
この世のものではない何か『違う』法則が、彼の琴線のようなものに一瞬触れた気がした。
それは刹那の事だったのだろう。
事実、炎を纏った光線はすぐに消え、弾かれたように我に返ったバクラも、たった今まで対峙していたファラオを見据えた。
だが彼は気付かなかった。
たとえ僅かでも、闇を晴らす光がもたらした影響を――
即ち、闇に潜んだディアバウンドの位置が光によって暴かれたなど――
ファラオはその隙を見逃さなかった。
彼の操る神が、
「ッ!」
しまった、と気付いたバクラと、反応したディアバウンド。
闇の中で素早く身を躍らせる精霊獣、しかし神の方が僅かに速い――
「ぐっ……!!」
神が放った雷撃砲が、ディアバウンドの身を抉る。
直撃ではない。だが無視できるほど軽くもない。
バクラは再びディアバウンドを闇に潜ませると、反射的に手綱を引き、馬を走らせた。
ファラオは真っ先にディアバウンドの行方を警戒し、空を仰ぎ見る。
その隙にバクラは距離を取り、王の視界から姿を眩ませた。
何という事はない。
再び町を人質に取りながら、神の隙を突いて攻撃すればそれで良いのだ。
それで、良い――
バクラはそう自分に言い聞かせながらも、無視できないモノが己の心を蝕んでいることに気付き、歯噛みした。
先程、天空に轟いたあの力。
考えないようにしようと頭の隅に追いやっていた、とある存在。
空を穿った光線と炎を見たとき、全て悟った。
『あれ』は――あの力は。
彼女の、本質は。
この世界とは違う
その力は、千年宝物の存在とは対立するモノだ。
バクラは崖上からファラオを見下ろし、神の隙を窺いながら、自分がとんでもないものと手を組んでしまったのだと後悔していた。
そう後悔――
後悔しかない。己が求める千年宝物と、相反する力を持つ女など。
後悔しかない。それしかないはずだ。
あの人気の無い砂漠で彼女を見つけたとき、欲を出して近付かなければ良かったのだ。
彼女に『武器になる』と言われた時、下らない、と吐き捨ててそのまま立ち去ってしまえば良かったのだ。
そうしていれば、たった今、彼女の力に邪魔されることも無かったのだ――
ずきり。
彼女にまつわる全てを、打ち捨てようと考えた時。
バクラの心臓は僅かに締め付けられた。
忘れろ。考えるな。
バクラ達の後方で、追っ手の神官団を足止めしているかもしれない女のことなど。
忘れろ、忘れてしまえ。
千年輪に宿る邪念が執拗にバクラを責め立てる。
分かっている。ああ、分かっているとも。
分かっては、いるのだ――
だが、崖の上から、あるものを見てしまった時。
バクラの心は、無意識に叫んでいた。
(『それ』と『これ』は、別だろうが!!!!!)
盗賊でも、復讐者でも、千年宝物を狙う者でもない、別の顔で。
まだ二十年と生きていない少年の、とある一面で。
「英瑠……!!」
彼女は己の足で地を踏みしめ、走っていた。
普段からは考えられない、覚束ない足取り。
石にでも躓いたのか、不意にどっと倒れこみ、よろよろと立ち上がる。
遠目からでは良く見えないが、その息も上がっているのだろう。
それでも彼女は、前に進む。
少しだけ後ろを振り返った彼女は、自らが置かれている状況を確認し、意を決したように立ち止まった。
噴出。
いつか王墓で見た白い獣が、彼女の体を包むように出現する。
「、バカ野郎」
バクラは思わず口にしていた。
彼女の
そんな状態で、『あれ』を出現させ続けたら。
だが彼女にはそうしなければならない理由があったのだ。
何故ならば。
彼女の背後には、いつか王宮で見た神官が迫っていたのだから――