10



重ねた唇。

おずおずと舌を差し出せば、素直に応じてくる盗賊バクラ。

温く彼を貪っていると、不意に身体を押し返され、再びベッドに沈められた。
覆い被さると同時に、激しく塞がれた唇。

絡まる舌と奪われる呼吸が、まるで溺れるように私を淫らな沼へと沈めていく。

この強引さの動機が懐柔策のためではなく、一人の『バクラ』としての欲情から来るものだったらいいな、などとぼんやりと考える。

「ん、っ……ふ、」

耳の輪郭をなぞって、白銀の髪に指を通す。
あのバクラよりも硬質の髪。

砂漠の砂と埃に塗れていた彼からは、今私と同じ香りが漂っていた。

たまらなく愛しい。


「ヒャハハ、もう待ちきれねえってか?
だがゆめ……満足すんのは役目を果たしてからだぜ」

「っっ……!!」

唇が離れた途端、大事なことを確認するように吐き出される声。
同時に、下半身に伸ばされた彼の指。

とっくに潤みきった部分を不意になぞられ、脳天を貫いた快感に息が止まった。

「っ、ぁ……」

そのまま形を確かめるように這い回った指が、一番敏感な芽を探り当て、押し潰す。

「っあッ……!!」

ぞくりとしたものが背筋を駆け抜け、頭の端が一瞬明滅してあられもない声が漏れる。

「なぁ……ヤツは何故、千年リングを持ってやがる……?」

低い声で問いかけてくるバクラの声。
ぬるぬると芯を撫で回されながら紡がれた言葉に、劣情が堰を切ったように溢れ出した。

「やぁ、だ、バクラさん……っ、そこなぞっちゃ……あぁっ………っ!!」

彼がもたらす刺激によって、身体の奥からはさらに蜜がしたたり、彼の指を沈ませていく。

「答えろよ、ゆめ……
ヤツはどうやって千年リングを手に入れた……?」

「っっあぁん……! んぅ、んん……っ!!」

熱を湛え、痛いほど引きつる秘所。
恥ずかしい水音が耳をつき、何もかもが溶けだしてしまいそうな錯覚に襲われる。

「イイ反応すんな、オマエ……
素直に答えたら、このままイカせてやってもいいぜ……!
だが答えねえならこのままだ」

バクラという名の悪魔から提示される、とんでもない条件。

先程の予測通り、彼は快楽を人質にして私と交渉しているのだ……!

「あっ、あ……っ」

答えずにいると、バクラの指の動きが弱く緩慢になり、高まりつつあった熱が停滞する。

しかし決して冷めてはしまわないよう、彼は私の下半身を弄びつつも耳朶に唇を寄せ、甘く食んでから密やかな声で囁くのだった。

「別にこれくらい答えたって問題ねえだろ……?
全部隠そうとすると無理がたたってボロが出るぜ、ゆめ……
ヤツは何故千年リングを持ってる……?
何故、『ヤツ』だったんだ……?」

「ぁ、あ……」

頭が回らない。
バクラにバクラの声で言われると、その通りなんだろうという気がして来る。

『ヤツが何故千年リングを持っている』って……
だって、千年リングは、あの人の本体、で――

ああそうか、盗賊王は、獏良君がバクラの宿主だと知らないから……

「っ……、彼は……、千年リングに、選ばれた、から……っ
いきさつは、詳しくは、知らない……っ」

「ほう……」

無難に、切れ切れに答えてみれば。
不意に頭が撫でられ、小さな音を立てて唇を吸われた。

「やれば出来るじゃねえか」

「…………っ」

どくり、と高鳴る胸。
策略だとは分かっていても、褒められた嬉しさが自分の口元を綻ばせる。

「ヤツの本名は何てぇんだ……?」

「っ……!」

ぬるく陰核を撫で、もう片方の手で私の頬を撫でながら問うバクラ。

「この世界の人間にゃ、上の名前と下の名前があんだろ……?
夢野ゆめ……オマエみたいによ。
ヤツはなんて名前なんだ……?」

「っ、それは……!」

頭の中で警告音が鳴る。

獏良了の名前は答えてはいけないはずだ。
でも、バクラ、とだけ言ったところで彼は納得しないだろう、どうしよう……!

「っ……、んぅっ! や、ぁ……っ!!」

ぐり、と指先に込められた力に頭の隅が麻痺した。

「や、だ……」

もどかしさが募る下半身。
もうずっと前から甘く疼くだけのその場所が、更なる熱を求めて蠢いている。

「ならヒントだ。ばくらりょう、ってのはヤツの名前か……?」

「ッッ!! ど、うしてそれを……っ」

今度は不穏な音を立てて跳ね上がった心臓。

回らない頭で考える――
え、でも、その名前を知る機会は、このバクラには無かったはずじゃ……!

「教えてやるよ……
携帯電話、だっけか……そいつを拾った時に、な」

「っ……!」

息が止まる。

え、だって。携帯電話に表示されていたのは、漢字で――

「オレ様は一言もこの世界の文字が読めないとは言ってねえぜ。
オマエが勝手にそう思い込んだだけだ」

「あ、ぁ……」

打ちのめされる心。

私は何度か、バクラがこの世界の文字を読めないのか疑問に思ったはず――
でも、そこで彼が何と答えていたか。
今となっては思い出せないのだった。

「今の質問はもういい。
オマエの反応が全てだからな」

「……っ」

バクラは再び私の頭を撫で、キスをくれた。
蕩ける心。

だめだ……このままじゃ、何もかも……!

「そうなると、オマエが何故ヤツを『ばくら』と呼んでるのか理由は分かったぜ。
……だがな、」

発せられる剣呑な気配。

相変わらず私の下半身を人質に取りながら、彼は更に重要な質問を私に投げかけた。

「何故ヤツは、オレ様と同じ声で話す……?
何故オレは、お前が惑わされるほどヤツに似ている……?
……おっと、『歴史上の人物』に憧れて真似てる、なんつーふざけた答えはナシだ。
奴の正体は、一体何者だ……?」

核心。

その質問は、盗賊王であるバクラと現代に発現しているバクラを繋ぐ、重要な質問だ――
恐らく、千年パズルに宿るファラオの魂にまつわる秘密の次くらいには。

バクラは相変わらず私の下半身を責め続けている。
その快楽に喘ぎながらも、言葉を紡がない私。

自分でも制御出来ない無意味な嬌声だけが、全てを吐露してしまうまでの執行猶予だ。

だがそれすらも、バクラによって奪われてしまう。

「答えねえならここまでだゆめ……
もうやめるぜ」

バクラの指の動きがふと止まり、高まっていた熱が急激に停滞していく。

「や――、やめないでバクラ……っ」

咄嗟に口をつく、あられもない要求。

「なら言うんだな……アイツの正体をよ……」

「っ……!」

完全に冷めてしまわない程度のところで、再び動かされる指。

それだけでは足りないと思ったのか、同時に胸の突起を舐めあげられ、優しく噛まれてみれば、何もかもを吐き出して快楽に溺れたい衝動にかられてしまうのだった。

「やだ……っ、あっ、バクラ……
ずるい、そんなの……っ、あぁ……っ」

下半身を緩く刺激しながら首筋を吸われ、耳朶を甘噛みされる。

たとえ乱暴にされてもたやすく反応してしまう私の身体が、こんなにも優しく丁寧に愛撫され、蕩かされたらどうなってしまうか。

想像に難くないだろう。
現に私は、あのバクラへの忠誠とこのバクラとの愛欲の間で激しく揺れていた。

「あ、は……っ、バクラぁ……っ」

バクラの熱い吐息が耳元をくすぐる。

「素直になっちまえよゆめ……
なぁ……オレだってこのままオマエをイカせてやりたくて仕方ねぇんだぜ……?」

「っっ……!」

私だけに聞こえる声で、密やかに吐き出されるバクラの甘い誘惑。

やはり彼は卑怯だ。
私が逆らえないのがわかっていて、そんなことを言うのだから。

「言っちまえよゆめ……
別にヤツに危害を加えようってわけじゃねえ……
ただ知りてぇのさ……なぁ、お前にもわかんだろ……?

オレ様は何故ここに居るのか……
どうすれば帰れるのか……
オレ様だけが何も知らねえ状況なんだぜ……?
どうにかしてぇと思うのがそんなに変か? ゆめよ――」

ああ。

やはり彼はバクラなのだ。

私を懐柔するその声が、私に骨の髄まで刷り込まれた本能を丸ごと揺さぶっていく。

バクラのためにバクラを危険に晒す。
バクラのためにバクラを裏切る。

どうしたらいいのかわからない。

もう、何もかもわからない。


「っ、バクラはバクラ、だよ……
そう……、あのひとも、バクラ――
あなたも、あのバクラも、どっちもバクラ――
私が大好きなバクラ……同じ魂を共有する者同士――」

切れ切れに吐き出す。

「……そりゃあどういう意味だ?」

ゆっくりと、確かめるように紡がれる彼の声。

もう、負けだ。私の。

だって……我慢出来ない……っ


「、そのままの、意味だよ……っ
あのバクラの中に、あなたが、居……っ
あなた自身が、っバクラに……っっ、あ……!」

秘めておかなければならなかった事実が、勝手に口から流れ出して行く。

「っ、チ……」

舌打ち。と同時に私の下半身から指が離れ、高みに上りつつあった熱が行き場を失って宙をさまよった。

「や……、」

やめないで、と言いたかった。
だが何かを考え込むように黙りこんでしまったバクラを見た時――

その心情に思いを馳せたら、とてもじゃないが己の欲望だけをさらけ出す気にはなれなかった。

しかし、身体はそんな感情などお構い無しに、じくじくと甘く疼くだけで。

こらえようと思ってもこらえきれない衝動が、とうとう自分自身の手を勝手に動かしてしまった。

「や、ぁ……っ」

自ら指先を下半身へ伸ばし、潤んで腫れた部分に沈ませる。

脳天をつんざくような快感。

けれども、ダメ、こんな……!

自分だけこんなことをしてる場合じゃ――!


「バクラ……、ごめんなさい……っ
本当に、わからないの……
どうして盗賊であるバクラさんがこの時代に飛ばされて来たのか……、あっ……
どうすれば、帰れる、のか……っ、んっ……!

でも……っ!
おこがましい、けど、でも……っ!
力になりたい、から……! はぁっ……

あのバクラのことは裏切れないけどっ、でも……!
あなたの力にも、なりたいと思ってる……
本当、だよ……っ」

何て身勝手で、浅ましい物言いだろう。

そもそも快楽に溺れ、自分で自分を慰めながら何かを言ったところで、まるで説得力がないのだ。

現に、そんな私の様子を見て、バクラは呆れたように鼻で嗤った。

「自分で弄りながらヨダレ垂らしてる女が何ほざいてんだ」

――そうだね。その通りだ、と思う。

「オマエは……あの『バクラ』とオレ様が似てるから、オレ様にも進んで股開いてんのか……?」

まるで哀れな獣を見下すような眼で、私をなじるバクラ。

「ちがう……、似てる、んじゃなくて同じ、なの……っ
あのバクラの中には、あなたの魂が……、時を、超えて……っ、は……」

あのバクラがここに居たら、きっとタダでは済まないだろう。

私は彼に口止めされたにも関わらず、彼にまつわる秘密をこのバクラに仄めかしていた。

自分の意思の弱さが情けない。

だが、目の前に居るバクラが『あのバクラ』の一部である以上、私は『このバクラ』にもまた逆らえないのだ。

このバクラに組み敷かれただけで、その熱に当てられただけで、あらゆる決意が霧散してしまう。
それはまたあのバクラに対しても同じだ。

矛盾――葛藤。二律背反。
たとえるなら、互いの情報を互いに流し続ける二重スパイのような。

どちらが本当に自分が帰る場所か、それすら曖昧で――

優柔不断で、どうしようもなく愚かで。

私は、私は――!


「……オレ様の魂が、3000年後にも持ち越されたってのか。千年リングを、経て」

バクラは紫がかった双眼をギラつかせ、的確に言い当てた。

「……、」

そうだともそうでないとも言わない。
どの道私に出来ることはもう、無い。

募る慕情があらゆる思考を押し流す。

空腹に喘ぐ人間が、法も、常識も、恥もかなぐり捨てて、目の前に現れた食べ物だけにむしゃぶりつくような。

本能的で、暴力的な抑えきれない衝動――

「はぁっ、ぁ……」

自らの指で潤んだ部分をなぞり続ける。

バクラの見ている前で。彼が、苦悩している前で。
私はこんな、醜くて、汚いことを――

涙が込み上がる。

「ごめんなさい……、」

謝罪など何の意味もない。

だがもはや、この欲望を止めることは、出来な――

「勝手に自分だけ愉しんでんじゃねぇよ」

ガッ、と握られ、引っ張り上げられた手首。
下半身から離れた指が、たちまち寂寥感を生む。

「っ……」

褐色の肌を持つバクラ。

私に覆いかぶさったままの体躯から伝わる熱が、私の身体をどこまでも火照らせる。

「どうしようもねぇ女だな、本当によ」

激情を秘めた双眸は、私の心臓を何度も刺し続ける。

「バクラ……」

バクラが欲しい。
ほんの少しでいい。目を向けてくれなくていい。
詰られても殺されてもいい。

だから、触れさせて、欲しい――

「わかったよ……!
もう面倒臭ェ駆け引きは無しだ。
そこまで物欲しそうにされて黙殺するほど、オレ様も鬼じゃねえよ……
ゆめ。その身体……ありがたく頂くぜ」

ギシ、とベッドが軋み、バクラの手が私の肌を撫でる。

背筋がぞくりと震え、さっきからずっと何かを待ち望んでいた下腹部が、期待に疼いた。

「ぁ……っ、ッッああぁっ……!」

脚を抱え込まれ、突き立てられた杭。

ずぶずぶと身体をこじ開けて行く質量が、ずっと燻っていた熱に火をつけた。

一瞬で燃え広がる業火。
炸裂する、激情。

「や………っ、バクラっ! イっ…………、

ッああぁぁん……!!!」

褐色の肌を持つ3000年前の盗賊王の身体。
その欲望が私を犯し、奥を突いた瞬間全てが白に染まった。


「…………ぁ、あ…………っ」

唇の間から声にならない声が漏れる。
繋がった部分はビクビクと痙攣し、私は呆気なく達していた。

「ククッ……どんだけヤラれたかったんだよ、お前」

彼が呆れたように嘲笑う。

「……だ、って…………ぁ、」

「ハ……食われちまったのはむしろオレ様の方か……?
初めからこうなることを望んでたんだろ? オマエは……っ」

「っ……! ちが――」

ゆっくりと、中を擦って往復されるバクラ自身。
ぞくぞくと背筋を立ち上る痺れに、堪らず制止の声を上げた。

「だ、め……っ、今はぁぁ……っ!」

「はじめはイカレた女だと思ったが、ようやく合点がいったぜ……
オレ様はお前の大事な大事な男の、言わばオリジナルみてぇなモンなんだろ……?
そりゃあ抱きすくめられただけで欲情しちまうよなぁ……?」

「っっ……! おねがい、バクラ……っ、あ――」

「クク……なら教えてやるよ……
本物のオレ様がどんなモンかをな……!!」

「えっ、あ――
っっああぁん! やっ、や……っ!! だめっ、だめぇぇっ、あぁっ……!」

私の請願など無視して、ずん、と奥を突いた質量が、激しく律動を始めた。

「バクラっ……さ、ん、ぁ、だめっ! あっ、あ……っ!!」

盗賊王の熱が私の身体を揺さぶり、中を抉って蹂躙していく。

律動に合わせて揺れる胸の上に広がった、千年リング。
既視感しかない。

身体は――そう、あられもないが、私と繋がっている部分だって、厳密には『違う』はずなのに。

それでも私を犯し、擦って奥を突くバクラ自身はたしかにバクラだった。


「……オマエ、すげーエロいな、っ」

盗賊の姿をしたバクラから発せられる、やけに甘ったるい声。

「や、ぁだ、あっ……! ん、気持ち、い……っ!」

達したばかりの身体を犯されて、何もかもがぐちゃぐちゃでわけがわからなくなっていく。

あのバクラは軽蔑するだろうか――
このバクラに無理矢理されるどころか、抵抗せずに、進んで自分から肌を晒す私を――

でも。

「もっと啼けよ、ゆめ……!
ブチ犯しまくってやる……!」

『同じ声』で吐き捨てるバクラはやっぱり、『バクラ』でしかありえなかった。

「はぁっ……、あっ、あっ、や、あ……っ!」

背筋を這い登る快感が全身の神経を侵していく。

私を貪る盗賊王バクラの熱は、いつかの幻想世界とほとんど同じで、それよりも『本物』だった。

首筋を何度も強く吸われ、引き攣るような痛みが肌に刻まれていくことに嬉しさすら覚える。

「魂は同じ、ったって、この体は初めてだろ……?
どうだよ、『オレ様』は……
滅茶苦茶感じてんだろ、オマエ……っ」

切れ切れに吐き出されるバクラの声。
心なしか余裕のない声が、ひどく愛しかった。

「は、じめてじゃ、ない……んぅっ!
あの、創られた世界で、バクラさんを、体験したから……あぁっ!
や、だから、……ん、
バクラさんの、からだ、好き……っ」

「っ……!?」

狂熱に溺れ、胸元で揺れる千年リングを指でなぞり恍惚としていた私は、自分が何を言ってるのかさえもはや分からなかった。

「どういう、意味だよ……っ」

私の耳朶に唇を寄せ、歯を立てて甘く噛み締めるバクラ。

耳元に吹きかかる熱い吐息に下腹部が切なく収縮し、私を掻き回し続けるバクラをぎりぎりと締め上げた。

「っ、おま、」

「バクラ、さ……、好き……っ
バクラ……、バクラ……っ」

うわ言のように繰り返し、バクラの首筋に縋りつく。

彼の顔を抱き寄せ、唇を吸い上げ、苦しくなって酸素を求める。

「ゆめ……っ、
そのバクラ、ってのは、どっちだよ……?
今、オマエを抱いてるのは、――」

「っ、うん……!
バクラ、だよ……っ、盗賊の、バクラ……
今だけは、バクラって、呼ばせて……っ

好き……、だって、あ……っ!
バクラっ、バクラぁ……ん」

「っ、……!」

溶け合う体温。

あのバクラとは違う肉体のはずなのに、まるでパズルのピースが嵌ったように、心地よくフィットする身体同士。

盗賊王バクラからしたらきっと私は、今日会ったばかりなのに愛を囁いて縋って来る、奇妙な女なのだろう。

でも、止まらない。

たとえこれが、籠絡という名の駆け引きだったとしても。

灼けつくほど熱い炎は、私の内側を舐めるように燃え広がって、ただ唇から淫らな声を吐き出させるのだ。

だから。

バクラに今、肉欲をぶつけるように腰を打ち付けられ、糸の切れた人形のように揺さぶられても。

繋がった部分の奥に、ぐりぐりと彼を押し付けられ、有無を言わさず澱んだ熱を吐き出されても――

私はまた、声にならない声を上げて、あっけなく達してしまうのだった――


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