notebook

2019, 05, 06

エッセー

「個人サイト」という場

pixivやTwitterやプライベッター、確かに便利です。HTMLの書き方とか、たびたび表示されるエッチな広告に気を揉む必要なんてほとんどないし、最近はマシュマロなんていうかつての拍手機能にそっくりなものまで出てきました。
私自身もたまにそういう場で作品を発表することがありますが、はっきり言って何だか味気ないのです。数時間かけて練った文章が特に誰にも読まれることなく、あっという間にTLに流されてしまうことは何度もありましたし、プライベッターの閲覧数が1から進まないこともありました。(そしてその1を付けたのは、誤字がないか確認の為にアクセスした私だったりする)
周りの皆さんは本当に凄いんですよね。宣伝力もあれば、社交性もある。そういうのを見ていると、羨ましくなったり、妬ましくなってしまったりして、そんな自分が嫌になってしまったりもします。

はっきり言ってしまうと、私には発信力とか、作品自体の魅力とか、そういう決定的なものが欠けているんだろうな、と思います。
「文章で活動しているからか?」「夢小説で活動しているからか?」と、恥ずかしながら一時は創作方法やジャンルの所為にしたこともありましたが、昨今では夢小説のオンリーイベントなんていうのも行われております。
夢小説以上にアンダーグラウンドだった夢絵文化というものも、随分と認知度が上がってまいりました。
それ以前に、今も昔も、人を引き付ける文章が書ける素晴らしい文字書きさんは大勢いらっしゃる。

これは表現方法が悪いとか、ジャンルの所為じゃないんです。自分自身の所為なんです。
それにようやく気が付きました。
また始末に負えないのは、「魅力が欠けている」という自覚がありながらも、自身は自分が書いた作品の事が嫌いになれないという事です。嫌いならいずれ書かなくなる筈なのです。それでも書き続けている、という事は「例え読まれないと分かっていたとしても、私は文章を書くことが嫌いになれないのだ」ということなのだと思います。

自分が、「作った作品を通してSNSで交流する」のを本格的に始めたのが、ここ一、二年と最近ようやく……だという事も、原因の一つです。作品発表の場として、SNSを利用するのが遅すぎたのです。
もう少し早くやっていたら、状況は変わっていたでしょうか。根暗なのであんまり変わらない気もしますが。

しかし、どんぶらこと流れていく自分の作品を見るのが流石に辛くなったので、「それならいっそ自分でサイトを開いて、ふらっと入ってきてくれた方に読んでいただく方が気が楽だ」と思いました。
ならpixivもプライベッターも変わらねぇだろ、という意見もありそうですが、やっぱり個人サイトは違うんですよね。

私は個人サイトの文化が好きなのだと思います。
どんなテンプレートを使うかとか、どんなフォントだと読みやすいかとか、配色をはカラフルにするか、シックにするか……と、心ゆくまで見た目に拘れる。

テンプレートに関しては、最近では配布サイト様にお任せしてばかりなのですが、「どれを使わせて頂こうか」とリンクを辿って探してゆくひと時も、何とも言えず好きです。

そうやって、自分が細部まで拘りぬいたサイトなので、例え閲覧数が少なくても割と気にならなかったりするんですね。いうなれば個人サイトは、究極の自己満足だから。
無論「逆に拘ったからこそ誰も来てくれないと辛いよ!」という人もいると思うんですが、私の場合は「まあ好きでやってるサイトだしな!」と割と開き直れたりします。

しかし、どうせまたやるからには沢山の方に遊びに来ていただけたら嬉しいですね!

再開後、拙宅は順調にカウンターが回っております。本当にありがたい限りです。
7年前の、学生の頃とは違って、文章を思う存分書けるような潤沢な時間はないですが、周りの雰囲気や反応で一喜一憂しすぎることのない場所をこうして再び得ることができたことが、とても嬉しいです。

今日で夢の10連休も終わってしまいますが、これからは自分のペースで更新ができるようにしていきたいです。

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