と安堵
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Act-4



身に感じるのは、とても優しい温もり。

恋焦がれてようやく手に入れた愛しい人。

意識を失った珠紀の身体を清め、俺は今極上の至福を味わっている。

俺の腕には珠紀。

始めての行為に、かなりの無理をさせてしまったと反省していた所だ。

でも悪いのは俺だけではないと思う。
吸い付くような肌、誘うような唇、俺を求める視線。
それら全てで俺を誘う珠紀も悪いのだと勝手に結論づける。

「ん・・・」
「珠紀?」

長い髪を梳きながら珠紀の寝顔に魅入っていると、小さな吐息と共に伏せられた瞼が震える。

「起きたのか?」
「ま・・・ひろ先輩?」
「あぁ」

こんなにも慈愛に満ちた真弘の笑みは始めて見る。

「身体、平気か?」
「体って・・・ぁ・・・」

問いかけと、目の前の胸板に先程の行為を思い出した珠紀は顔を染め、布団に潜り込む。

「珠紀?」
「恥ずかしいです」
「・・・ぷっ!お前・・・」
「仕方ないじゃないですかっ!」

可笑しそうに声を上げる真弘を、布団の隙間から顔だけを出した珠紀が睨みつける。

真っ赤な顔で睨まれても、全く意味ないってコイツはわかんねーんだろうな。

「なっ!なんで笑うんですかー!」
「悪ぃ悪ぃ」
「もぅっ!真弘先輩なんて・・・ったぁ・・・」
「珠紀?」

反撃をしようと起き上がろうとした珠紀が、身体に走る激痛に顔を歪める。

「無理すんな」
「え?」
「加減、出来なくて・・悪かったな」
「あ・・・いぇっ・・・」

苦笑を浮かべる真弘に、頭を撫でられる。

「珠紀」
「はい?」
「もう一度、ちゃんと聞け」
「は、はい」

突然真面目になった真弘に、なんだろう?と珠紀は首を傾げてしまう。

「俺は、お前が好きだ」
「ぁ・・・」
「誰にも渡したくねぇ」
「私も、真弘先輩が好きです」
「あぁ」

通じ合った想いに、真弘は珠紀を抱きしめる。

「俺だってな、結構色々悩んだんだ」
「何をですか?」
「・・・・・・」
「真弘先輩?」
「モテ男の条件・・・とか」
「はい?」

わけが分からず間抜けな返事を返す珠紀。

「雑誌に・・・長身は譲れないとか色々載ってたんだよ」
「それで気にしてたんですか?」
「悪いか」
「・・・・・・」

以外過ぎる真弘の言葉に、今度は珠紀が噴き出す。

「なっ!お前、人のことなんだと」
「真弘先輩はそのままで十分かっこいいですよ?」
「え?」
「それに私は、真弘先輩の外見だけに惹かれたんじゃないですから」
「どうゆう・・?」
「ふふっ、内緒です」
「はぁ??」

自分の事になると、本当にニブイ人なんだから。
あなたの存在がどれだけ私を救ってくれているか、自分がどれだけ魅力的なのか分かっていない。

「大好きです」
「あぁ」

重なり合った視線に、自然と二人の距離が縮まる。

これから先、どんなに辛い事が待ち受けていようとも乗り越えて行こう。

俺と、お前と仲間達と・・・。




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アトガキ
しの様10000リクエスト
三角関係orVS 真弘裏 でした!
しの様、リクエストありがとうございますww

思いのほか、長くなってしまいましたが・・・いかがでしょう・・・。
なんか中途半端な気もするんですが、お気に召して頂けますと幸いです。

緋色イチ男前な真弘先輩。
男前になれるよう努力したつもりです T^T
真弘先輩って絶対行為中は言葉攻めだと思うのww(←なにそれ)

楽しんで頂けたら嬉しいです。
ご閲覧、ありがとうございました!
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