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今日は大学進学の為に村を出ていた祐一先輩が、久しぶりに帰って来る。
夏休みの長期休暇を季封村で過ごす為だ。

守護者達が宇賀谷家に集まり、バスの到着までの時間を皆で待つ。

「祐一が帰ってくんのっていつ振りだ?」
「5月の連休振りっす」

美鶴の入れたお茶に手を伸ばし、真弘と拓磨が話す。

「早く逢いたいですね」
「えぇ」

にこやかに話す慎司と卓。
と、そこへ身支度を終えた珠紀が居間に姿を現した。

「みんな、おっはよー」
「おっ姫様。気合入ってんなぁ」
「いつもに増してめかし込んでんな」
「うるさいっ拓磨!」

普段のラフな格好ではなく、今時の女の子らしい格好で現れた珠紀。
ミニスカートは制服で見慣れているが、今日珠紀が着ているのはショートパンツ。
その上にパンツが隠れる位の半そでロングシャツを纏っている。

ショートパンツから伸びる綺麗な生足がなんとも艶っぽい。

「可愛いです、先輩」
「ありがとう。慎司君」
「いいぜ・・・俺好みだ」
「遼は黙ってて!」

顔を赤らめながら賛辞を述べる慎司に答え、からかう遼を叱咤する珠紀。

「さて、そろそろ参りましょうか?」

溜息混じりの卓の言葉を合図に、居間にいる全員が立ち上がり、バス停へと向かった。



―――・・・



バス停で待つこと数分。
季封村に1日1本しか来ないバスに乗って、祐一が季封村入り口へ降り立つ。

「祐一ぃっ!!」
「・・・・・」

真弘のお約束、ヘッドロックを軽く受け流し変わらない笑みを浮かべた祐一が皆の方へ歩み寄る。

「おかえりなさい。祐一先輩」
「あぁ。やっと村限定のいなりずしが食べられる」
「・・・・・え?」

慎司の言葉に相変わらずの祐一。
かみ合わない会話に、その場にいる全員が苦笑を浮かべたのは言うまでもない。

「祐一先輩っすね」
「変わんねぇな。狐邑は」
「ふふっ、そうだね」

拓磨・遼・珠紀が笑い合う。

「珠紀・・・」

3人で笑い合っていた所に響いた、自分を呼ぶ声。
久しぶりに聞いた優しい呼び掛けに、胸が高鳴った。

「祐一先輩」
「あぁ」
「おかえりなさい」
「ただいま」

笑顔で語りかけると、祐一の腕にふわりと包まれる。

「会いたかった」
「私もです」


「・・・オイ・・・」
「コイツら・・・俺らの存在忘れてねぇか?」
「絶対・・・忘れてますね・・・」
「う〜ん。久しぶりの再開と言えど、殺意が芽生えちゃいますね」
「チッ」

人目も気にせず抱き合う二人に、呆れ顔の守護者達。

「・・・祐一先輩」
「どうした」
「皆が・・」
「・・・気にするな・・・」
「気にするわぁぁっ!!」

我慢の限界に達した真弘の攻撃により二人は離れ、珠紀は恥ずかしさから苦笑いを浮かべた。

「さぁ、言蔵さんがご馳走を用意して待っていますよ」
「・・・いなりずし・・・」
「肉っにっくーぅ!」
「夏でも鍋食うのか・・・」

それぞれが反応を示し、久しぶりに並んだ7つの影が夕陽を背に歩き出す。



―――・・・



久しぶりに守護者が揃ったと、居間の食卓には美鶴が腕を振るった料理が所狭しと並べられていく。

最近の出来事を話したり祐一の大学生生活の報告を聞いたりと、絶えず笑い声が響いた。

「ふう。お腹いっぱ〜い」

食器の片づけを手伝う為、中座していた珠紀。
居間から聞こえる賑やかな笑い声に自然と笑みが零れた。

「あ・・、カーテン閉めてない」

台所から居間へと戻る途中、自室のカーテンを閉め忘れていたことを思い出し自室へと足を向ける。



「・・・あれ?祐一先輩?」
「あぁ・・・珠紀か」

何故か襖を開いた自室には、祐一がいた。
窓際で月でも見上げていたのだろうか。
明かりの着いていない自室には、月明かりだけが差し込む。

「こんな所でどうしたんです?」

珠紀は祐一の傍に歩み寄る。

「お前が来るのではないかと思っていた」
「ここへ?」
「あぁ」

月明かりに、祐一の髪が輝く。
浮かべた祐一の優しい笑みに、珠紀は顔を逸らした。

「珠紀?」
「・・なんでもありません・・・」

あなたに見惚れてました、なんて恥ずかしくて言える訳が無い。
だって窓辺に立つ祐一先輩は、幻想的ですごく綺麗だったから・・・。

くるりと祐一に背中を向け、赤くなった顔を隠す。

「・・・・・」

珠紀が後ろを向いたことにより、自然と珠紀の後姿を見下ろすことになる祐一。
それにより惜しみなく外に晒している珠紀の足が目に入る。

「・・・・・」
「っひゃ!祐一先輩!?」

後ろから珠紀を左腕で抱きしめ、右手でショートパンツから伸びる珠紀の太ももに手を這わす。

「ど・・したんですか?」
「・・・・・」

突然の行動に戸惑う珠紀が祐一を振り返り問いかけるが、祐一は反応を示さずひたすら珠紀の太ももを撫で回す。

「・・っ・・祐一先輩っ!」
「珠紀」
「んっ!」

祐一を咎めるように口調を強くした珠紀だが、首だけ振り向いた体制のまま強引に口付けられ抵抗を防がれてしまう。

「ふっ・・・ん・・・」
「・・・・・・」

開いた口の隙間から祐一の舌が入り込み、珠紀の舌を絡め取る。

「・・・ゃ・・・ん・・ぁ」
「・・・・・はっ」

祐一の呼吸も乱れ始め、舌を絡める水音が部屋に響いた。
久しぶりに触れる唇が熱い。

「ゆ・・・いち・・せんぱ・・・」
「大丈夫か?」

キスの間も右手は絶えず動いたまま。
太ももを撫で、内股を摩り、おしりを撫でられる。

「どっ・・して・・・?」

突然のキス。
しかもいつもと違う何か苛立ったような痛いキスに珠紀は涙を浮かべた。

「珠紀」
「・・はっ・・ぃ・・」

なかなか整わない息を必死で整えようと、呼吸を荒げた珠紀が祐一を見上げる。

「お前は最近、そういう服装ばかりしているのか?」
「え?」

言っている意味がわからない。

「こんなに短い服をいつも着ているのか?」
「・・ぁ・・・」

祐一の補足により意味を理解した珠紀。
おそらく祐一は、今日履いているショートパンツをいつも着ているのかと言いたいのだろう。

「こんなに肌を出して」
「・・・あっ」

祐一は再度ふとももに手を伸ばす。

「俺のいない所で」
「やっ・・せんぱいっ!」
「・・・誰に見せる為だ?」
「あっ・・ふぁ・・」

ショートパンツの裾から指を忍ばせ、下着越しに秘部へ触れる。

「こんなに簡単に触れられるんだぞ?」
「ひゃっ・・んっ!」

立ったまま祐一に背を預け、快楽に耐える珠紀。
足を振るわせる珠紀が崩れないよう、祐一はしっかりと腕で支える。

「珠紀」
「ゃっ・・ちがっ」
「何が違うんだ?」

下着を横にずらし、直接秘部に触れる。
くちゅ・・と水音が響き、珠紀は羞恥に顔を赤らめた。

「こんなにして・・・」
「・・・はっ・・ぁ・・あぁっ!」

ショートパンツと下着を畳へ落とされ、外気が下腹部に触れる。
祐一の指が内部へ一気に入り込み、乱暴に中をかき回される。

「見ようによっては、この・・・ブラウスしか着ていないようにも見える」
「あぁっ!せんぱ・・いっ」

水音を響かせ内部をぐるりとかき回すと、祐一は指を抜いてしまう。

「俺のいない所で、こんな格好をしないでくれっ」
「あっんぁぁっ!!」

言葉と共に、ズンっと後ろから一気に突き立てられ、息を飲んだ。

「珠紀っ・・珠紀!」
「ふっ・・あぁっ!・・・はっ・・」
「・・・・っ」

最初から果てを目指した激しい動きに、珠紀は止まらない吐息を吐き出す。

「ゆ・・いち・・せんぱっ・・!」
「悪いっ珠紀・・止められそうにないっ・・」
「やっ・・・はげしっ・・んぁ!!」
「っく!」

祐一の動きがさらに激しさを増す。
打ち付ける腰と耳に直接響く祐一の乱れた吐息に、どうしようもないくらいの興奮が珠紀を襲う。

「ダメっ・・・・もっぅ!」
「・・っ狭い・・なっ・・浮気はしていないようだ・・・」
「きゃっん!・・そんなのっするわけ・・あぁぁ!」

久しぶりの行為に珠紀の体も敏感に反応を示し、中にいる祐一をきつく締めつける。
それは珠紀の限界が近いという前兆でもあり

「っ・・・俺も・・・」

祐一の限界が早まる原因となった。

「せんぱっ・・はっ・・・!」
「あぁ・・・っ」

互いの限界を悟り、祐一は終焉を目指して自身を最奥へ突き入れた。

「あっん・・・いっ・・・んんーーっ!!」
「・・・っ!」

限界を迎えた珠紀のきつい締め付けを受け吐息を飲み込んだ祐一も、熱の飛沫を珠紀の中へと注ぎ込んだ。



―――・・・



「あの・・・祐一先輩?」

嵐のような行為を終え、身なりを整えた二人が抱き合う。

「さっきの・・服の話ですけど・・・」
「あぁ」
「私が今日こんな格好したのは、今日先輩に会えるからですよ?」
「俺に?」
「はい」

不思議そうな目線で抱きしめた珠紀を見下ろす祐一に、珠紀は微笑んで答える。

「久しぶりに先輩に会うから・・・可愛い格好、したくて・・・」

語尾は恥ずかしさから小さくなってしまったが、珠紀の気持ちは伝わっただろう。

「そうか・・・」

見上げた祐一が、優しい笑みを浮かべている。

「辛かったか?」
「いえ・・祐一先輩に愛されてるって証拠ですから」
「ふっ・・そうだな・・・」


珠紀が俺の胸に擦り寄るように身を委ねてくる。

どうやら俺は、自分が思っている以上に嫉妬深いらしい。
俺がいない所で、珠紀があんな格好をしているのかと思うと胸が焼けそうになった。

久しぶりに会った珠紀は、以前に会った時よりも美しくなっていて・・・。
大学進学は自分で決断したこととはいえ、日々美しくなる珠紀の傍にいられないのは正直もどかしい。

珠紀に想いを寄せる男が常に5人も傍にいるのだから、仕方ないだろう。


「珠紀」
「はい?」

俺が呼ぶと共に顔を上げた珠紀の首筋に、顔を埋める。

「先輩?」
「・・・ん・・・」

いつ見ても決め細やかな珠紀の肌に唇を寄せ、軽く吸い上げる。

「っ・・」

ピクンと反応を示す珠紀に心が満たされていくのを感じた。

「俺は、お前を一生愛すと誓おう」
「祐一先輩・・・」
「この印が証だ」
「はいっ!」

うれし涙を浮かべる珠紀の瞼に口付け、珠紀を俺の腕で包み込む。


そろそろ真弘が俺達を探しに家中を暴れまわる頃だろう。
このまま寝てしまいたいのは山々だが、夏季休暇はまだまだ長い。

ゆっくりと、毎日・・・誓いの証をお前に刻もう。
数日で消えてしまう証だが、お前を誰にも渡すつもりはないのだから・・・。



アトガキ
10000hit記念フリリク 1作目
紅様リクエスト 祐一先輩嫉妬裏です★
リクエストありがとうございました。
さて、どうでしょう・・・。
裏は難しいですが書いてて楽しいです(笑)
少しでもご希望に添えていることを祈ります(ノω・、)

季封村へのバスの本数、1本じゃなかったらごめんなさい(逃)

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