温もり
-Ryo ver-
「・・・・・」
シャワーを浴びてペットボトルの水を手に自室に戻る。
ドアを開いた途端に鼻を掠めるのは俺だけが知る甘美な香り。
朝日がカーテンの隙間から部屋へ入り込み、俺のベッドを照らす。
愛おしそうな優しい瞳で、遼はベッドへ歩み寄った。
「・・・・・すぅ・・・」
普段俺が使うベッドで今寝息をたてているのは、ようやく名実ともに俺だけのモノとなった“玉依姫”、珠紀。
ベッドの周りには昨夜の襲名儀式で珠紀が纏っていた巫女装束と俺の着物が散らばっている。
「珠紀・・・」
寝息をたてる珠紀の頭に手を伸ばし、愛おしそうに撫でる。
昨夜、俺は珠紀を抱いた。
我慢に我慢を重ねた欲望は際限がなく、何度熱を放とうとも満足することがなかった。
結局、珠紀の体力が限界を迎えるまで俺は珠紀を喰い尽くした。
珠紀を気遣ってやる余裕などなかったのだ。
ずっと孤独だった俺を、孤独という闇から救ってくれた珠紀。
あいつらと“守護者”という絆で、俺を結んでくれた珠紀。
『私が狗谷君の最初の仲間になってあげる』
『遼は私の守護者で、大事な仲間だよ』
あの言葉がどれだけ俺を救ったか・・・。
どれだけ俺に光を与えてくれたか・・・。
お前は知らないだろうな。
まぁ・・・改めて言う事でもないし言う気もさらさらねぇがな。
お前はこれからも俺だけを見ていればいい。
俺だけを感じていればいいんだ。
「ん・・・」
俺が昔の思い出に浸っていると、ベッドで眠る珠紀が身じろいだ。
少し声が枯れているな・・・。
昨夜鳴かせすぎたせいだろう。
「・・・・・」
俺は無言でペットボトルの水を自ら含み、眠る珠紀の顔の横に手を付き口移して水を飲ませてやる。
「・・・りょ・・ぅ?」
「珠紀・・」
「・・み・・・ず・・・」
「あぁ」
俺は珠紀が望むまま、何度も水を与える。
時折、珠紀の頭を撫でてやりながら。
「・・・・・・」
「眠った・・か?」
「・・・・すぅ・・・」
「愛してる。これからもずっと・・・」
眠る珠紀に愛を囁き、瞼に一つ口付けを落とした。
アトガキ
ついに書いちゃいました。温もり 遼Ver
やっぱり遼は表現がエロくなる〜。
これ、そのうち裏も書きたいです。
口移しっていいよね(//∇//)ww
な作品です(笑)
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