現在・全2種
旅行に行きたい
拓磨 ver


「はぁ?旅行に行きたい!?」
「うん!大学の入学式までまだ日にちあるし、行こうよ!」

「お前・・言ってる意味、わかってるか?」
「え?何が??」

・・・絶対わかってないな。
これは・・・。

「はぁぁぁ〜〜」
「何?拓磨」
「あのなぁ、珠紀」
「うん?」
「旅行っつーことはな?」
「だから何なのよー?」
「泊まりだってこと、わかってるよな?」
「もちろん、わかってるよ?」

・・・・・。
ニブすぎる・・。
俺の女はどうしてこんなに無防備なんだ。

「あ〜、なんだ?・・泊まりってことはな」
「ことは?」
「〜〜〜っ」

首をかしげるなっ!
可愛いとか思っちまうだろうが!

「俺とお前は付き合ってるわけだし」
「そうだよ?」
「高校も卒業したわけだし」
「したねぇ」

まだわかんねぇかコイツは。

「・・・っ!」
「きゃっ!拓磨!?」
「こーゆーこと、されてもいいってことだよな?」

珠紀の髪が畳に広がって、俺を見上げる。
上から珠紀を見下ろしたのは初めてだ。

「なっっ!!」

タコみたいに真っ赤になって。
やっと理解したみたいだな。

「男に旅行行きたいなんて、軽々しく言うな」
「軽々しく言ったんじゃ・・・ないもん」
「は?」
「拓磨なら・・・いいと思ってるから・・・」
「っ」

今度は俺が珠紀に負けないくらい、真っ赤になったのは言うまでもない。

ありがとうございました。

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