棗×昴 R18 海嶺様、シーマ様、木葉様リク
どうしてこんなに切ないんだろう
いつも手の届く場所に昴が居て、こんなにも愛されているのに
これ以上、幸せになってしまったら
幸せに慣れてしまいそうで…
欲深くなってしまいそうで…怖いんだ。
昴の傍に居られるだけで、充分だった筈なのに
もっと、昴の深いところまで触れてみたいと思っている俺が居る…
一分一秒でも、離れていると寂しいなんて…
俺は、どうかしてる…――。
「なつ兄、大丈夫?さっきからぼんやりしてるみたいだけど…。考え事?」
朝のロードワークを終えて、リビングで一息吐いていると向かい側のソファーに座っていた昴が隣に来て、顔を覗き込んでくる。
「…いや、気にしなくて大丈夫だよ。………。」
昴の首から鎖骨に滴り落ちる汗を見て、俺は固まってしまう。
昴に触れたい…そう思った瞬間、俺は昴をソファーに押し倒していた。
「っちょっ、なつ兄…っ…だめ、だよ…こんな、とこ…で…っ…!」
「…そうか。ここじゃなかったらいいんだな?じゃあ、俺の部屋に行こう。」
「なつ、兄……?どうしたんだよ、そんなに俺と…したいのか?」
昴の言葉に、胸の奥がキリリと痛んだ。
こんな事、考えたくないけど…昴はもう、俺の事を好きではないのかもしれない。
何の根拠も無いけど。ただ単に疑問に思って訊いただけかもしれないけど。
それでも、不安は急激に俺の胸に広がっていってしまう。
「……昴は、どうなんだ?」
「え…?」
思ったよりも声が低くなってしまったけど、そんな事を気にしている余裕なんて、今の俺には無かった。
昴の唇を指先でなぞると、昴は身体をぴくんと揺らしトロンとした表情で俺を見つめてくる。
「…昴は、俺とするの、飽きたのか?もう…俺の事、興味なくなった?」
「っ…な、んで…そんな事訊くんだよ…!飽きる訳ないだろ…俺にはなつ兄しか居ないんだから…なつ兄が不安になると、俺も不安になっちゃうよ…。」
昴の瞳に涙が浮かんだのを見て、俺の胸は切り裂かれるように痛んだ。
俺は昴を思いきり抱き寄せると、昴の肩に顔を埋めた。
昴の温もりが俺の身体を熱くさせる。
この温もりを、ずっとずっと離したくないともう何度想っただろうか。
「…昴…ごめんな…ごめん…俺、昴の言葉だけを信じるよ。昴…愛してる…。」
「うん…俺も…ごめん。なつ兄が不安になったのは、俺のせいだよね。俺も…なつ兄の事、愛してるよ…。」
部屋に向かう途中、俺達はずっと手を繋いでいた。
少し恥ずかしがりながらも、ちゃんと指を絡め返してくれる昴が愛しくて仕方ない。
部屋に着くと、俺と昴は自然とベッドに腰を下ろし、唇を重ね合った。
昴の舌を舌先で撫でるように舐め廻すと、昴は悩ましい声で俺の名前を呼んだ。
「…ん、ふ…ぅ、んん……っ…なつ、兄……。」
「…ずっと、昴に触れたくて…気が狂いそうだった…昴の全部に触れたい…。」
「…うん…俺も、ずっと…なつ兄に触れて欲しかったよ…沢山触れて…?俺を…なつ兄でいっぱいにして…?」
「…っ…昴…!」
濡れた瞳で誘うようにねだられ、俺の下半身はドクドクと脈を打ち始める。
俺は昴をベッドに押し倒すと、その綺麗な喉に舌を這わせていく。
喉仏に唇を押し当てると、昴は少し息苦しそうに眉を顰めた。
「…んっ…は、ぁ…っ…なつ、兄……っ…。ぁっ…んぁっ…!」
昴の服の裾から手を入れ乳首を弄ると、昴は小さく身を捩らせ甘い声を漏らした。
乳輪を撫でながら尖り始めた乳首を舌で転がすように舐めていると、昴自身が反応を示している事に気付き俺はそっと服越しに昴自身を撫で上げた。
「…昴…胸だけでもうこんなに固くして…本当に昴は可愛いな…キツそうだから脱がしてやるよ。」
「ぁんっ…だ、って…なつ兄に弄られてるって思ったら、興奮して…っ…。」
俺は優しく微笑むと、昴の履いているジャージに手を掛け、下着ごと剥ぎ取った。
勢い良く姿を見せた昴自身の裏筋をツツ、となぞるように撫でると、昴自身はヒクヒクと震え先端からは淫らに先走りの滴が溢れ始める。
俺はその滴を指に絡め取ると、その指を昴の口の中に半ば無理やりに挿し込んだ。
「んっんぅっ……!…ん、ふ、ぅ…んん…。」
驚きながらも俺の指を愛しげに舐める昴の表情は羞恥と欲望に染まっていて、とても妖艶だった。
「…たまんねえな…その羞恥と欲望に染まった表情。そそられるよ…。」
俺は昴の口から指を引き抜くと、昴の唾液で充分に湿ったその指を今度は昴のまだ閉じたままの秘部にツプ、っと捩り込んだ。
「ひゃぅっ!ん、ぁっ……は、ぁ…ん…っ…あっぁ……なつ兄…俺…もう、欲しい…っ…。」
「…ちゃんとおねだりしなきゃだめだろ?昴は…俺の、何が欲しいんだ?」
前立腺を擦るように刺激すると、昴は喉を仰け反らせながら涙目で懇願した。
「ひぁっ!ん、ぁっ…!…なつ兄の…熱くて固くなってるの…俺の中に、頂戴…?」
気付けば昴は自ら両脚を限界まで開き、俺の指を根元まで咥えようと腰を淫らに揺らしている。
そのあまりに妖艶な姿に、俺は堪らなく欲情した。
俺は我慢できずに昴の腰を掴むと、熱く膨張しきった自身を昴の濡れてヒクヒクと蠢いている秘部に宛がい、ゆっくりと埋め込んでいく。
「っ…昴…俺、ずっと…昴の事…好きで居ていいんだよな…?」
激しい律動の最中、俺は言いようのない不安に襲われ、昴の耳元で震える声で問い掛けた。
「…いいに決まってる、だろっ…!んぁっ、は、ぁっ…ん…!だって、俺は…。」
昴はそこで一旦言葉を区切ると、濡れた眼差しで俺を見つめ、そっと俺の頬に触れた。
「昴…?」
「俺は…なつ兄が思ってるよりも、ずーっと…なつ兄の事が好きなんだから…なつ兄が俺を諦めたりしたら、俺…生きていけないよ…っ…。」
「…昴……だったら、俺は一生昴の傍から離れられないな…昴と一生一緒なんて…幸せすぎてどうにかなっちゃいそうだ…!」
「あっあぁっ!ん、ぁっ…!は、なつ、に…ぃ、あっ!ん、あっ…ぁ……っ!っ、んぁぁぁっ――ッ!」
最奥を高速で突き上げると、昴は身体をビクビクっと揺らしながら、自身から熱い欲を迸らせ、俺の胸に凭れ掛かるように抱き付いた。
数秒後、俺も昴の最奥に欲望の証を注ぎ込むと、昴の肩を力強く抱き寄せ、額にそっとキスを落とした。
「…昴。好きだよ。昴だけが好きだ…。」
「何、どうしたんだよ?そんな改めて言われると照れるだろ?」
行為の後、俺は何だかふと昴に甘えてみたくなり、昴を抱き締め顔中にキスを落とした。
「どうもしないよ。せっかく昴と二人きりだし、思いっきり甘々な時間を過ごしたいなと思っただけだ。…鬱陶しいか?」
俺が少し拗ねたように訊くと、昴は頬を桃色に染め俺の唇にチュッと音を立ててキスをしてくれた。
「そんな事思う訳ないだろ?なつ兄の気持ち、すげえ嬉しいよ?俺もなつ兄とイチャイチャしたいなって…思ってたし…。」
恥ずかしいのか、昴は声のトーンを徐々に下げ、俯いてしまう。
俺はそんな昴の顔を覗き込もうと、昴の胸に頬が当たる位置まで頭をずらした。
「昴?顔見せてくれよ。…昴、何か息が上がってるけど…どうした?」
「ん…っ?い、いや…っ…何でもない、よ…っ…は、ぁ…っ…。」
どうやら、胸にかかる息や乳首を掠める髪に身体が反応していたらしい。
「…そうか…昴、もう一回したいんだな?昴もなかなかの淫乱だな。」
「なっ…!何、バカな事言って…!んっ…ぁ…。」
昴は真っ赤になって反論するが、どう見ても嫌がっているようには見えない。
むしろ俺には、もっと欲しいと、濡れた瞳が物語っているように見えた。
「じゃあ昴は、俺が欲しくないんだな?」
「…あ……っ…な…なつ兄の、意地悪っ…!そんなの…欲しいに決まってるだろ…!」
瞳に大粒の涙を浮かべ俺を睨んでくる昴に、俺の下半身は再び熱を持ってしまう。
「…ごめん、昴の事が好き過ぎて、意地悪したくなっちまうんだ。昴は…こんな俺は、嫌いか…?」
「…俺、は…どんななつ兄でも、大好きだよ…?だから…不安になっても、一人で抱えたりしないで…ちゃんと俺にぶつけて欲しい…。俺は…なつ兄の全部を、愛したいから…。」
昴の優しすぎる言葉が、真っ直ぐな愛が、心の中に僅かに残る不安を跡形もなく拭い去っていく。
「…昴…愛してる…。ずっと、ずっと…昴だけが俺の特別だよ…。」
「…なつ兄…俺も、なつ兄を愛してるよ。ずっと…なつ兄の一番大切な人で居させてね…。」
愛する昴が隣で笑っている。これ以上の幸せなんて、俺には…見つけられそうにないから…――。
これ以上のなにを欲しがればいい
(一番欲しかったものは、もうこの腕の中に在るから。)
end.
海嶺様、シーマ様、木葉様からのリクで、棗×昴でした。長い間待たせてしまってすみません。
幸せすぎて不安になる事ってありますよね。私は恋をしたことがあまりないので想像ですけど…(笑)
あんまりエロく出来なかったけど、情事後の二人が可愛く書けたかな、なんて…自分で言うなってね。
海嶺様、シーマ様、木葉様、リクエストありがとうございました。皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。
素敵なお題は寡黙様よりお借り致しました。ありがとうございました。
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