要×祈織 R18


「ねえ、要兄さん。僕は……冷たい人間だと思う?」

「…そんな事、思うわけないだろ。祈織は優しいよ…優しすぎて、心配になる…。ちょっと目を離したら、消えてしまいそうで…。」

僕が何気なく訊くと、要兄さんは瞳を揺らして僕の頬に触れた。

その指の温もりが優しくて、僕の瞳からは涙が溢れ僕の頬を濡らした。

「要兄さんだけだよ…そんな風に、僕の事を想ってくれるのは。でも…僕は、要兄さんに心配ばかりかけてるね…ごめん…。」

「謝らなくてもいいんだよ、祈織。俺にまで気を遣う必要なんてないんだから…そんな悲しい瞳をしないで…。」

要兄さんは、僕の胸の奥に常に渦巻いている苦しささえも、その大きな愛で包み込もうとしてくれる。

「優しすぎるのは……要兄さんの方だよ。どうして、こんな僕でも傍に居てくれるの…?僕にはわからないよ…。」

「……理由なんて、一つしかないよ。俺が…祈織の傍に居たいから。ねえ、祈織……抱きしめてもいいかな?もっと近くで祈織を感じたいんだ…。」

要兄さんの真っ直ぐな言葉に、僕の灰色だった心が少しずつ色付いていく。

僕はゆっくりと頷くと、自分から要兄さんの大きな胸に飛び込むように抱き付いた。

「……要兄さんの鼓動…すごく速いよ?ドキドキしているの…?」

「そうだよ。大好きな祈織に抱き付かれて、すごくドキドキしてるんだ…。」

「…要兄さんは…どうして、僕を好きになってくれたの…?」

要兄さんの胸に頬を寄せたまま呟くように問い掛けると、要兄さんの唇が耳に触れ、僕は思わずビクンと肩を揺らした。

「……時々不安定になる祈織が心配で、俺が支えてあげなくちゃと思ったのがきっかけかな…でも、逆に俺の方が支えられてるんだけどね。祈織の存在そのものに支えられているから。…祈織?」

「…要兄さん…そんなに耳元で喋られたら…僕…っ…どうしたらいいのか、解らないよ…。身体が熱くて…変な感じがするの…っ…。」

瞳を潤ませながら要兄さんを見上げると、そこには先程までの優しい瞳をした要兄さんは居なくて、僕の胸はドクンと跳ね上がった。

「……ねえ、祈織…?俺、さっき言ったよね。祈織の事が大好きだって…なのに、どうしてそんなに無防備なの?襲われたいと言っているようにしか聴こえないよ…?」

要兄さんの熱い舌が首筋に這わされると、僕の下半身は熱を帯び始める。

恥ずかしさと不安で、僕の瞳からは涙が次から次へと溢れ出していく。

「ぁっ…ん、や…っ…要、兄さん…っ…僕…そんなつもりじゃ…っ…ぁっ…!」

乳首をコリコリと弄られると、僕の口からは甘い声が漏れ出す。

「…祈織……乳首だけで、もうこんなに勃たせて……敏感なんだな…そそられるよ…。」

乳首をぴちゃぴちゃと舐められ、僕は足に力が入らなくなり、そのまま床に座り込んでしまった。

要兄さんはそんな僕の股間に顔を埋め、淫らに先走りを垂らしヒクヒクと震えている僕自身に手を添え、舌を遣い舐め始めた。

「…あ…っ…ん、ぁっ…は、ぁ…んんっ…んっ…要兄さん…っ…!も、だめ…イッちゃう…あ、ぁっ…んぁぁっ……――ッ!」

先端を強く吸われると、僕は切なげな嬌声を上げ、要兄さんの咥内に熱い精液を放つと、濡れた視線を要兄さんに向けた。

「…祈織……もう、我慢できない。祈織の中に入りたくて、気が狂いそうだ…。」

「…う、ん…僕も…要兄さんが欲しくて、おかしくなっちゃいそうだよ…ねえ…早く、ちょうだい…?」

「…っ…!祈織…っ…愛してるよ…。」

要兄さんは僕の唇に自分の唇を重ねると、僕の両脚をそっと開かせ、ヒクヒクといやらしく蠢いている僕の秘部に熱く昂ぶる自身を宛がうと、ゆっくりと挿入してきた。

「あっ…んぁっ…は、ぁんっ…ん、ぁっ…ひぁっ!あ、ぁっ…僕も…っ…要兄さんを…愛してるよ…っ…んぁ、は、ん…ぁっ……あ…っ…!」

何度も繰り返される激しい律動に、僕は気が遠くなりそうな程感じてしまった。

「……っ…祈織……!もっと言って…?愛してる、って……まだ、信じきれないんだ…もっと…祈織の気持ちを、聴かせて…?」

最奥を突き上げながら耳元で甘えるようにねだってくる要兄さんに、僕の胸は苦しくなる。

僕は我慢できずに自身から熱い欲を迸らせると、要兄さんにギュッと抱き付き要兄さんの胸に頬を寄せた。

その後すぐ、要兄さんも僕の中に欲望の証を注ぎ込むと、僕の髪に愛しげに唇を寄せた。



「…要兄さんも、不安なの…?僕の気持ちは…もう、要兄さんだけにしか向いていないのに…。信じてくれないの?」

「…信じてるよ。祈織の事だけを…。祈織を愛すれば愛する程…苦しくなるんだ。祈織を独り占めしたくて…何もかも奪ってしまいたくて…怖くなる…。」

僕の頬に触れる要兄さんの指が微かに震えているのが伝わってきて、僕は思わず要兄さんを見つめた。

目の前には、瞳を不安でいっぱいにした小さな要兄さんが居て…僕はそんな要兄さんから目を逸らせなくて、ただその震える指を握り締める事しかできなかった。

「……怖がらないで…?全部、奪ってくれて構わないから…僕は、要兄さんに…傍に居て欲しい。僕には…要兄さんが必要なんだ…。やっと、気付いたんだ…遅くなって…ごめんね…?」

「…祈織……俺、絶対に祈織の事…離さないから…ずっとずっと…傍に居るよ。祈織だけの傍に…。」

見つめ合い、触れ合うだけのキスを交わし、そして僕らは抱き締め合いながら眠りに就いた。

もう、これ以上の愛の言葉なんて、見つからないくらい…

要兄さんの苦しい程の愛が、僕の胸に降り注いでくる…。

これからも、ずっとずっと…僕に、愛をくれるのは…

もう、世界にたった一人…要兄さんしか、居ないんだ。

だから…僕も、この胸に溢れる切なくて温かな愛を、要兄さんに届け続けるよ。

愛してる…これ以上の愛の言葉なんて、きっとどこにもないから…―――。

苦しいほどの愛が降る
(愛してるなんて言葉じゃ伝えきれないくらいの愛しさが、僕を苦しくさせるんだ)

end.
今回は要×祈織でした。ちょっと…いや、かなり短いんですが、性描写あるのでメインにアップしました。結構、気に入ってます。それにしても、私のサイトの受はみんな喘ぎすぎですよね…もう少し溜めさせた方がエロくていいかな。…研究しようと思います。皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。

素敵なお題は残香様よりお借り致しました。ありがとうございました。



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