棗×椿 R18
雨が降っている夜は、決まって思い出してしまう。
あいつの声、濡れた銀色の前髪から覗く真剣な瞳…。
忘れなきゃ…って思う度に、思い浮かべてしまう。
どうしてだろうって、ずっと思ってたけど…。
俺…やっと気付いたよ。
この気持ちの正体に…―――。
「つばき、あずさー!久しぶりだなっ。元気にしてたかー?」
「椿が俺の家に一人で来るのって、あの雨の日以来だな。今日は一体どんな用があって来たんだ?」
「んー?そんなの、棗に会いに来たに決まってんだろー?」
つばきとあずさとじゃれ合いながら、椿が俺の方を向いた。
そのおどけた声とは裏腹に、真剣な瞳をしている椿。
俺はそっとしゃがみ込むと、椿の肩に手を置きその瞳を覗き込んだ。
すると、椿の顔が近づいてきて…唇を塞がれた。
俺は思わず口を開くと、その隙間からすかさず椿の舌が入り込んでくる。
「んっ…んん…!つば、き…おまえ、何考えてんだよ…?」
「…いきなりごめん。けど…俺、あの雨の日からずっと…棗の事ばっか考えちゃうんだ。…どうにかしてくれよ、棗…。」
椿の瞳には薄っすらと涙が浮かんでいる。その表情を見た瞬間、俺は椿を抱き締めていた。
「……椿…俺も、あの雨の日以来…ずっと、椿の事を考えてた…こんな風に椿を抱き締めたいって…ずっと、思ってたよ…。」
椿の首筋に唇を押し当てると、椿の口から甘い声が漏れた。
「ん…っ…ぁ…!棗…っ…。」
椿のこんな色気のある声、初めて聴いたかも…これは、思ってた以上に…そそられる…。
椿の服の裾から腕を滑り込ませ乳首に触れると、椿はぴくん、と身体を震わせ熱い視線を俺に向けてくる。
太腿に椿の熱い塊を感じ、俺はそっと椿の耳朶を甘噛みしながら耳元で囁いた。
「…椿…乳首だけで感じてんのか?もう固くなってるな…触ってやろうか?」
「…んぁっ…棗だって……固くなってるくせに…っ…!俺ばっか感じてるみたいに言うなよっ…!」
椿の手が俺自身に服越しに触れると、俺は身体が熱くなるのを感じ小さく身を捩らせた。
「っ…椿…俺……おまえが好きなのかもしれない。椿にもっと触れたくて……仕方ないんだ…。」
椿の頬に指先で触れると、椿は俺の指に愛しげに唇を寄せた。
「……俺も同じ気持ちだよ。棗に触れたい…棗が愛おしくて、たまんない…。」
今にも泣きそうな椿に今度は自分から口付けると、そのままベッドに倒れ込んだ。
椿の咥内を堪能しながら、右手で椿の服を性急に脱がせていく。
椿の下着を剥ぐと、恥ずかしそうに右脚を曲げ、大事な部分を隠そうとする椿に俺は堪らなく欲情した。
「椿……隠したらダメだろ?ちゃんと見せてくれよ…俺だけに、椿の可愛いところ……。」
「ん…っ…だ、って…!俺だけ裸で…なんか、恥ずかしいし……な、棗も脱げよな…っ…!」
「…そうだな。待ってろ、今脱ぐから。……椿?」
椿の視線が気になって思わず椿を見ると、椿は頬を真っ赤に染めながら俺を見つめている。
椿自身は先走りでぐしょぐしょになっていて、俺は我慢できずに椿自身に触れると、口に含み手で扱きながら舐め始めた。
「やっ、ひぁっ…!ん、ぁっ…な、つめっ…おまっ…あぁ…!んぁ、あ…っひっ…んぁ…っ!」
「椿…俺の裸見て、興奮したのか?もうこんなにいやらしい滴溢して……淫乱なんだな。」
椿自身から口を少しだけ離し、椿を見上げて呟くように言うと、椿は頬をかぁっと赤くし涙目で俺を睨んでくる。
「ぁっ…!ん、やっ…!わざわざ言うな…棗の、バカ…ひぁっ…!」
「……っ…そんな目されたら…逆に虐めたくなるな…。」
空いている方の手で椿のピンク色の秘部に指を二本挿れると、イイ場所を探るように掻き回していく。
「ひぁぁっ…!あ、ぁっ…棗っ…出ちゃ、っ…あっ…んぁぁぁぁ…―――ッ!」
ある一点に指が当たった瞬間、椿は身体をビクビクと跳ねさせ俺の咥内に熱い精を放ちぐったりとベッドに寝転んだ。
「椿のイク顔、マジやばいな………俺までイキそうになったよ。」
「はぁっ、は、ぁ…俺の中で…イケばいいだろ…俺に…もっと、棗を感じさせて……?」
達したばかりの濡れた瞳でねだられ、俺はゴクリと生唾を飲むと椿のヒクヒクといやらしく蠢く秘部に熱く昂ぶった自分自身を宛がうと一気に最奥まで突き上げた。
「…椿…っ、痛くないか…?」
椿の目尻から涙が一粒溢れ、椿の頬を濡らしていく。
その滴を舌で舐め取ると、椿の中が狭くなるのを感じ、俺は小さく息を吐くと椿自身を優しく握り込んだ。
「んぁっ…!あ、んっん…!棗……!はぁ、んっ…!も、っと…激しく…して、いいよ…?」
熱っぽい視線で見上げられると、俺は完璧に理性を失い、椿の腰を掴むと最奥を何度も何度も突き上げた。
部屋には俺と椿の身体がぶつかり合う音と、艶めかしい水音と、雨音だけが響いていて…俺は朝方まで、椿を寝かせる事が出来なかった。
「…なぁ…棗?俺の事……好き…?」
「ああ…好きだけど。どうして…?」
行為の後、疲れているはずなのに、椿は目を閉じようとしない。
何か不安な事があるんだろうか…。
俺は椿の頬に優しく触れると、椿は俺の指にカプッと噛み付いてきた。
「…梓よりも、好き?」
震えた声で訊いてくる椿の身体を抱き寄せると、目元に優しく唇を寄せた。
「……当たり前だろ。そもそも比べたりしないし…俺が抱きたいと思うのは…いつだって椿だけだよ。つーか、噛むなよ、痛えだろ。」
「ごめん、つい。……そーだよな…。ありがと、棗。安心した。俺も大好きだからな!」
嬉しそうな顔で笑う椿が愛おしくて、俺は椿を力いっぱい抱きしめた。
これから先も、雨の日は椿を思い出すんだろうけど…
でも、もう想うだけじゃ足りないから…これからは、雨になったら椿に会いに行こう。
雨の日じゃなくても、椿に呼ばれたらいつだって駆けつけるから。
寂しくなったら、いつでも俺を頼って。
「…愛してるよ、椿。」
雨音が響く夜には
(君の不安も寂しさも、俺が全部全部、拭い去れたらいいのに)
end.
ちょっと気分転換にいつも書かないCPを書く事が最近多いんですが、この二人もなかなか楽しかったです。皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。
top
| |
|