棗→昴←要 R18 (昴総受) 木葉様リク


ずっと、気付かないようにしていた。

かな兄となつ兄が俺を見ていること…。

かな兄となつ兄の熱い視線から、ずっと逃げていたんだ。

でも、もう逃げる事は出来ないよ。

二人の想いが痛いくらいに、俺の胸を締め付けるから。

ちゃんと向き合って、俺から二人に伝えよう。

俺の本当の気持ちを…―――。



とある日の夜…俺は、かな兄となつ兄を自分の部屋まで呼び出した。

なつ兄は仕事が長引くかもと言っていた割に、かな兄より早く来てもう俺の隣に座っている。

「…すーばちゃん。どうしたの?急に呼び出したりして。…あれ?なんだ、なっちゃんも呼ばれたの?」

「ああ。そうか…かな兄も呼ばれてたんだな。」

かな兄は俺の左隣に座り、俺の髪を撫でてくる。

「…二人とも、来てくれてありがとう。ここに呼んだ理由だけど…俺、二人に伝えたい事があって…。」

「なになに?怒ったりしないから、話してごらん。」

「気を遣う事なんてないから、はっきり言ってくれていいぞ。心の準備もちゃんと出来てるしな。」

二人に見つめられ、俺は決心したように口を開いた。

「…俺…かな兄の事もなつ兄の事も大好きだから…ずっと三人で居たい…何でもするから、俺とずっと一緒に居て…!」

目をギュッと瞑りながら叫ぶように言うと、かな兄となつ兄は一瞬黙った後、優しく俺の手を握ってきてくれた。

「…まぁ、なっちゃんも呼ばれてたって知った時点で、大方察しは付いてたけどね。」

「…確かに、呼ばれてたのが俺だけじゃないって知った時から、昴が話したい事の内容は予想付いてたけど…どうする?かな兄。」

「俺?俺はもちろんOKだよー?だって、"何でも"してくれるんでしょ?こんなに魅力的な話、なかなかないよね。」

かな兄の手が俺の頬に添えられ、顔が近づいてくる…と思ったら、すかさずなつ兄が俺の腕を掴み自分の方へと引き寄せてくる。

「あ…っ…あの、えっと…なつ兄はどう?やっぱり、欲張りだって思う…?」

「いや…昴がそうしたいなら、俺は構わねえよ?ただ…一つ気になるのが、"何でもする"ってのは…その…言い辛いんだが…エッチな事とかも、拒まないで受け入れてくれるって事か?」

「あ、それは俺もすっごく気になるなー。やっぱり、三人でエッチな事するってのは、受け身のすばちゃんにとってはキツイんじゃないかなーなんて思っちゃうし。その辺はどう?すばちゃん。」

二人の顔があまりにも近くて、両耳に熱い息がかかって下半身が反応してきてしまい、俺は脚をもぞもぞと動かしながら小さな声で言った。

「ん…っ…俺は…二人になら……何されても…いい、よ…?その代わり…身体だけじゃなくて、ちゃんと俺の事…心で愛して欲しい…俺が望むのは、それだけだよ…っ…。」

「…昴は…昴は、俺とかな兄の事…心で愛してくれるのか?確かに、少し欲張りなんじゃないのか?俺だって、かな兄だって…昴の事だけが好きなんだからさ…。」

なつ兄が少し怒ってるような、悲しんでるような表情で俺を見つめるから、俺は胸が張り裂けるように痛んで…悲しくなってきてしまった。

「なっちゃん……それはちょっと言い過ぎだよ。すばちゃんだって、二人から同時に想われて、不安定になってるんだよ。どっちかが身を引けば、すばちゃんは幸せになれてたんだ。そう考えると、俺らにも責任がある…そうは思わない?」

「ごめん……なつ兄…俺…どうしたらいいか解らなくて…ふ、ぇ…っ…二人の事…傷つけてごめんなさいっ…。」

「…昴…俺こそごめんな…泣くなよ…俺、ずっと傍に居るから……ずっと、昴の事…好きで居るから…。」

慰めるように頬にキスをされ、びくんと身体が震えてしまう。先程から反応しかけていた自身が疼いて仕方なくて、俺は思わず甘い声を上げてしまった。

「なっちゃん…好きな子泣かせるなんて、男の風上にもおけないねぇ?…すばちゃんの方が傷ついてる顔してる。それに…さっきから気になってたけど、すばちゃんのココ。勃ってるね…?耳元で喋られて興奮しちゃったの?俺も興奮しちゃったな…すばちゃんの、触ってみてもいい?あ、ついでに中も触らせて?」

「えっ…ん…やっ…ぁ、んん…っかな兄…っ…ぁ、んんっ…!」

「おい…何やってんだ、かな兄!抜け駆けは許さねえぞ!…昴…俺のもしてくれるよな?」

瞬く間に履いていたジャージを上下ともに脱がされ、俺は二人を涙目で見つめた。

そこには、俺の知らない欲に濡れた男の瞳をした二人が居て…俺の心臓はドクンと高鳴った。

俺の後ろに回り俺の秘部に指を挿れながら俺自身を扱いてくるかな兄と、俺の前に膝立ちし俺の咥内に固く膨張した自身を突っ込んでくるなつ兄。

あまりにもいきなりで、あまりにも恥ずかし過ぎる行為に、俺自身からは先走りが次から次へと溢れかな兄の手を濡らしていく。

気付くと俺は夢中でなつ兄自身を舐めていて、先端を舌先で突くとなつ兄はぶるっと身体を震わせ俺の咥内にその精を放出した。

「あ、なっちゃんずるいなー。すばちゃんに飲んでもらうなんて。…ねえ、すばちゃん。俺のも舐めて欲しいな。俺、今回はなっちゃんに譲るから。泣かせちゃったんだから、しっかり愛してあげな。これは兄としての命令だよ。」

本当はかな兄も挿れたいはずなのに…こういう時、かな兄はやっぱり大人なんだなって思う。

「…かな兄…いいのか?俺、二回くらい平気なのに……。」

「かな兄のがずるいだろ。昴の一番感じる部分に触れた挙句、昴の中にまで触れやがって…。それに、命令って何だよ。でも、まぁ…今回は感謝しとく。」

なつ兄の子供のような言い分に、思わず笑みが零れる。すると、かな兄となつ兄が安心したような表情をしたような気がして…俺は首を傾げ二人の顔を交互に見つめた。

「やっと笑ってくれたね。ただでさえ貴重なすばちゃんの笑顔を、俺達のせいで曇らせてしまったかと思ってヒヤヒヤしてたんだよ?」

「え…?そ、そんなこと気にしなくても大丈夫だって。俺だって二人を傷つけてたんだから、お互い様だろ…?」

「どんな事があったって、どんなに傷ついたって…そのせいで昴を傷つけてしまったなら、それは俺達が全面的に悪いんだよ。」

「そういうこと♪さ、夜も更けてきたし続き、しようか?」

今度はかな兄が俺の前に回り俺の咥内に固く膨張しきった自身を押し込んでくる。

なつ兄は後ろから俺自身を触ると、先程かな兄に解されて柔らかくなった秘部に指を挿れ数回掻き回すと、ゆっくり固く張り詰めた自身を宛がい挿入してきた。

「んっんくっ…!ん、ふぅっ…!んっ、ん…んんっ…ふ、ぅ…んっ…!」

かな兄のを口に咥えながら、なつ兄のが奥まで入っている。この状況が俺を更に興奮させていく。

「はぁっ…は、ぁっ…昴…昴…気持ち良いか…?」

「なっちゃん…っ、すばちゃんは俺の舐めてるから喋れないよ?…でも、この表情からして、良くないって事はないんじゃない?ま、俺としては、すご〜〜く悔しいんだけどね。」

何度も繰り返される激しい突き上げに、俺はかな兄自身に歯を立てそうになるのを必死で堪え、二人の愛を受け止め続けた。



セックスが終わった後、疲れて横になっている俺の両隣にかな兄となつ兄がずっと居てくれて…それが俺にとっては何よりも嬉しかった。

「二人とも…寝ないのか?」

「昴が眠ったら寝るよ。先に寝ちまったら、勿体ないだろ?それに、かな兄が手出さないように見張っておかないといけないしな。」

「ちょっと、なっちゃん…聞き捨てならないなぁ、今の発言。大体、すばちゃんをこんなに疲れさせたのはなっちゃんでしょ?俺は指挿れて、すばちゃんの扱いて、俺のを咥えてもらっただけなのにさー。」

「はは…かな兄の方が先に俺を気持ち良くさせたから、妬いてるんじゃないか?そうだろ、なつ兄?」

なつ兄の頬がみるみるうちに赤く染まっていくのが可愛くて、俺はそっとなつ兄の頬にキスをした。

「っ…昴…!…可愛すぎだぞ、おまえ。そんな色っぽい格好でそんな事されたら…我慢できなくなる…。」

「…なっちゃん…今さり気なく俺の事無視したよね?うわー、傷つくなー俺…。ね、すばちゃん。俺にもチューして?」

俺は優しく微笑み頷くと、かな兄の頬にチュッと音を立ててキスをした。

「ね、かな兄、なつ兄。手、繋いで寝たい…俺…まだ少し身体が熱いから…落ち着かせて?」

「もちろん。朝が来るまでずっと握っててやるよ。」

「うん、俺もいいよ?俺としては、逆に興奮させてあげたいくらいだけどね?正直、まだ物足りないんだよねー…はぁ、格好つけて譲ったりしなきゃよかったな…。」



どんなに愛していても、二人を心の底から満たしてあげる事は、難しいのかもしれない。

それでも、二人の事を大切に想う気持ちは本物だから…。

もう、かな兄となつ兄からの愛がなかったら…俺は、心から笑えないんじゃないかと思うんだ。

だから、辛くても悲しくても傷ついても苦しくても…俺は…この二人から離れられない。

離れたくないんだ…―――。

止められない想い
(たとえ赦される関係じゃなくても、この気持ちはもう制御できないんだ)

end.


木葉様より、棗→昴←要(昴総受)が見たいとのリクエストを頂きましたので、早速書いてみました。3人登場人物がいると口調に特徴を出さないといけないので、大変でした。でも何か途中から楽しくなっちゃいました。かな兄はやっぱり書いていて楽しいです。リクエストありがとうございました。皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。


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