祈織×琉生 R18


その肌に触れてみたい…――。

そう思った時には、もう遅かったんだ。

祈織くんの落ち込んでいる姿は、どこか儚げで色っぽくて…。

僕は溢れ出す欲望を抑える事が出来なかった。

この脳が叫んでいるんだ…。

祈織くんを感じたいと…―――。



美容室から帰ると、玄関の前に佇む祈織くんを見つけた。

その瞳は、暗く沈んでいるように見えて…僕は祈織くんの肩にそっと触れた。

「…祈織くん?…どうしたの?中…入らないの?」

「…ずっと待ってたんだ。琉生兄さんの事を…。」

僕の服の裾を掴み、瞳を揺らしながら僕を見つめる祈織くんに僕の胸は震えた。

「…そう、なんだ…。待たせちゃって…ごめんね。僕の部屋で…話そうか?」

僕は祈織くんの肩を抱きながら、エレベーターのボタンを押した。

部屋に向かう途中、祈織くんは何も喋らなくて…僕は不安になった。

…祈織くん、いつも以上に無表情…一体、どうしちゃったんだろう…?

祈織くんを部屋に入れると、僕に抱き付いてくる祈織くんに僕の身体はビクッと震えた。

「…琉生兄さん…僕…すごく嫌な事があったんだ。ねえ…琉生兄さん…僕を慰めてくれる…?」

「…っ…祈織、くん…。慰めるって……どうやって…?」

「それは…解るでしょう?琉生兄さんの全てで…僕を元気にしてくれれば、それでいいよ…?」

意味深な祈織くんの言葉に、僕は下半身に熱が集まっていくのを感じてぎゅっと目を瞑った。

「……解った…。祈織くんに…触れてもいい?」

「いいよ…?僕も…琉生兄さんに触れて欲しいって思ってたから…。」

祈織くんの制服を脱がせていくと、祈織くんは身動ぎ一つせずに、冷たい視線で僕を見つめていた。

まるで、傍観者のように僕の行動を眺めている祈織くんに、僕は堪らなく興奮してしまった。

僕は祈織くん自身に下着越しに触れ、やんわりと握ると祈織くんの眉毛が微かに動いた。

「…祈織くん…気持ち良い…?」

「…うん…気持ち良いよ。琉生兄さんのも…大きくなってるね。僕のを触って興奮したんだ…?」

祈織くんの手が僕自身に伸びてくる。服の上から握られ、僕は思わず甘い声を出してしまった。

「んぁっ…っ…!いお、りくっ…ん、ぁっ…んん…は、だ、めっ…!」

「…思っていたよりも、ずっと可愛くて困るよ…。ねえ…このまま僕と、最後までしてくれる…?」

「…ん、ぁ…っ…うん…いいよ…?僕も…祈織くんと、最後までできたら…嬉しい…。」

僕の服はいつの間にか下着ごと膝下まで脱がされていて、僕は恥ずかしさのあまり顔を両手で覆った。

「…琉生兄さん?恥ずかしいの…?これからもっと恥ずかしい事をするのに…?」

僕自身に直に触れながら、耳元で囁くように言う祈織くんに、僕の瞳からは涙が溢れてくる。

祈織くんを慰めるはずだったのに、僕の方が気持ち良くなってる…僕も頑張って、祈織くんを気持ち良くしなくちゃ…。

僕は祈織くん自身を口に含み舌を遣ってチロチロと舐め廻すと、祈織くんは僕の髪を掴み切なげな声を上げた。

「…ん…っ…は…ぁ、琉生兄さんの舌…すごく熱い…元気になっちゃいそうだよ、僕…っ…。」

「…んん…っふ…ぁ…、祈織、くん…オジさんくさいよ…ふふっ…。」

祈織くん自身は固く反り返り、先端からは半透明な蜜を流している。

先端を舌先で突くと、祈織くんは気持ち良さそうに喉を仰け反らせた。

「んっ…琉生兄さん…僕…琉生兄さんの中に挿れたいな…ねえ、挿れてもいい…?」

祈織くんは僕の背後に廻ると、僕自身を触りながら僕の秘部に舌を這わせてきた。

ねっとりした舌の感触に背中がゾクゾクするのを感じ、僕は思わず背中を仰け反らせた。

「…ぁっ…!ん、や…んぁっ…は、ぁ…んっ…ぁん…っ…いお、りく…ぁっ…!」

「…琉生兄さんの背中…真っ白で、すごく綺麗…興奮する…。」

背中に甘い痛みを何度も与えられ、思わず振り返ると祈織くんは僕の背中に唇を寄せていて…。

痕を残されていたのだと知ると、祈織くんがとても愛おしく感じて僕の瞳からは涙がぽろぽろと溢れ出した。

「…祈織くん…っ…僕…ずっと…祈織くんの事が…好き、だったの…っ…。」

突如、祈織くんの動きが止まる。そっと僕から手を離し、再び暗く沈んだ瞳をして俯いてしまう祈織くんに僕は不安の色を隠せなくて、そっと祈織くんを抱き締めた。

「……僕は…琉生兄さんに甘えたくないんだ。琉生兄さんに優しくしてもらって…慰めてもらって…もう充分幸せなんだ。これ以上幸せにはなれないよ…。」

「……なに、それ…?どうして…幸せになっちゃいけないの?僕は…僕の事は…幸せにしてくれないの…?」

真っ暗な部屋の中で、二人を繋ぐものなんて、何にも何にも無くて。

闇のように暗い世界に在る祈織くんの心…そっと、光のように明るい世界へと連れ出してあげたい。

そっと祈織くんの頬に唇を寄せると、祈織くんの唇が僕の唇に触れた。

その優しすぎる口付けに、僕の胸は苦しいくらいに締め付けられる。

祈織くんの指が僕の秘部にぬるりと入り込み、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音を立てながら暴れ回る。

「琉生兄さん…僕を…この暗闇から、連れ出して…。僕を愛して…琉生兄さん…っ…。」

「あっ…は、んぁっ…祈織くん…っ…いい、よ…?僕が…祈織くんの事…幸せにしてあげる…か、ら…っ…んぁっ…!」

祈織くんは僕の中から指を引き抜くと、固く張り詰めた自身を僕の秘部に宛がい、ゆっくりと挿入してきた。

「っ…琉生兄さん…っ!好きだよ……琉生兄さんの事だけを…ずっと想っていたよ…っ…!」

「あっ…んぁぁっ…!ぁ、んっ…僕、も…っ…祈織くんが…す、き…っ…んぁぁっ…あ、ぁっ…!」

激しい律動の中、祈織くんは初めて僕を好きだと言ってくれた。

それが嬉しくて、僕は祈織くん自身をきゅうきゅうと締め付けてしまった。

「…っく…琉生兄さん…いきなり力入れないで…イッちゃうから…っ…。」

「ぁっ…!だ、って…嬉しくって…っ…んぁ、あっ…んん…ぁ、ん…っ…やっ…ぁ、あぁぁっ…――ッ!」

僕の中で祈織くん自身が大きくなったのを感じ、僕は我慢できずに射精してしまった。

力尽きたように祈織くんに抱き付くと、祈織くんが切なげな瞳で僕を見つめている事に気付き、そっと顔を上げ祈織くんを見つめた。

「…琉生兄さん…っ…僕、まだイッてないから…もう少し頑張ってくれるとすごく嬉しいな…。」

「あ…っ、ご、ごめんね…?僕、こういうの慣れてなくって…動いてくれて大丈夫だよ…?」

頬を赤らめながら祈織くんを見つめると、祈織くんは恥ずかしそうに微笑み、再び腰を激しく動かし始めた。

何度も奥まで突き上げられると、達したばかりの僕自身が再び熱を帯びていくのが解り、僕は祈織くんの頬に手を伸ばした。

「…琉生兄さん…?どうしたの?身体、辛い…?」

祈織くんの困ったような表情さえ愛おしくて、僕は祈織くんの手を握り締めた。

「…違う…。祈織くんが僕を求めてくれているのが…すごく、すごく…嬉しいの…。」

涙目で祈織くんを見上げると、祈織くんは嬉しそうに微笑んだ。

そして、最奥を数回突き上げると、祈織くんは僕の中にその精を放った―――。


「…ねえ、琉生兄さんは、永遠に僕の傍に居てくれる…?」

祈織くんが僕の髪を撫でながら、不安気に訊いてくる。

僕は、強く頷くと、祈織くんの胸に頬を寄せて掠れた声で呟いた。

「…もちろん。ずっと、ずっと…祈織くんだけの傍に居るよ…?」

「…ありがとう、琉生兄さん…。愛しているよ…。」

手を繋ぎながら、僕達は何度も何度も唇を重ね合った。

ねえ、祈織くん…?いつか、ありのままの祈織くんを感じさせてね。

嫌な事があった時は、僕に当たってくれたって構わないから。

祈織くんの哀しみ全て、この暗闇に融けて消えてしまえばいい…。

切ない想いを包み込むように、どこまでも続く暗闇を見つめながら、僕は強く願ったんだ…―――。

切ない想いを包み込むように
(哀しみと幸せの両方に怯えている、小さな君が愛しくてたまらないんだ)

end.




詩様より、落ちている祈織を慰めながら、次第にむらむらしてしまう琉生のお話が読みたいとのリクエストがありましたので、書かせて頂きました。
こんな感じで良かったのでしょうか…?ただヤッてるだけみたいになっちゃって申し訳ないです…。少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。リクエストありがとうございました!



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