棗×梓 R18


ねえ、棗?

君が僕にとってどれだけ大切な存在か、君は知っている?

君の温もりが僕にどれだけの幸せを与えてくれているか、君は知っている?

きっと、君が想っているよりも、僕はずっと…

君の事を求めているよ…――。




ある日の深夜…――。

僕は棗のマンションに押し掛けていた。

ただ、棗に逢いたくて。

その声で、僕の名前を呼んで欲しくて。

その指で、僕の全てに触れて欲しくて。

「…ねえ、棗…。もっと傍に寄ってもいい?」

「…ああ、構わないけど…梓、身体熱くないか?」

そっと棗の肩に頭を乗せると、棗は頬を微かに赤くしながら僕の肩を優しく抱き寄せてくれた。

「……それは…棗のせいだよ。棗と久しぶりに逢えて…すごく、ドキドキしているからね。」

潤んだ瞳で見上げると、真剣な瞳をした棗と視線がぶつかった。

何かを伝えようと必死で言葉を探しているのが伝わってきて、僕は小さく微笑むと棗の頬に指先で触れた。

「…梓…俺、梓が好き過ぎて…どうしたらいいか、わかんねえよ…。」

僕の指を大きな手のひらで包み込みながら苦しげに眉を顰める棗に、僕の鼓動は速まっていく。

「…僕の事を愛してくれれば、それだけで僕は幸せだよ?もちろん…大人な愛し方で、ね?」

僕と同じアメジスト色をした瞳を覗き込むと、棗の顔が近付いてくるのが解り僕はそっと瞼を閉じた。

唇が重なると、棗の舌が僕の唇を割って咥内へと滑り込んでくる。

上顎を撫でるように舐められると、僕の唇からは悩ましい声が漏れていく。

「ん…っ…ふ、ぅ…っ…は、ぁ…っ…なつ、め…息継ぎくらい、させてよ…っ…僕を殺す気…?」

涙目で棗を睨み付けると、余裕の無い表情で僕を見つめ返してくる棗に僕の胸は高鳴っていく。

「悪い…けど、もう…抑えられないんだ…このまま梓を俺だけのものにしたい…。いいよな?梓…。」

僕が小さく頷くと、棗は僕の両肩に手を置きそっと押し倒してきた。

フローリングの冷たい感触にびくりと身を震わせると、棗の唇が僕の首筋に押し当てられたのが解り僕は思わず甘い声を上げた。

「んぁ…っ…棗…もっと…僕に、いやらしい事…して…?」

恍惚とした表情で棗に懇願すると、棗は僕の額に愛おしげに唇を寄せた。

そして、僕の衣服を性急に脱がせていく棗に僕の興奮は高まっていく。

乳首に舌を這わせながら腰を優しく撫で廻してくる棗に僕の身体はビクビクと震えた。

「…梓、どうしてほしいか言って?俺、梓におねだりされたい…。」

僕への愛撫を止め、頬を赤らめながら呟く棗に僕は一瞬固まった後、棗の手を取りそのまま自身へと導く。

「…僕のここ…棗に触れて欲しくて、もうこんなに固くなってるんだ…。棗が何とかしてくれる?」

「梓…俺の愛撫でこんなに固くして…淫乱だな。ホント可愛い…。いいよ、触ってやる。」

棗の意地悪な言葉に背中がゾクゾクと震え、僕は堪らなく感じてしまった。

棗の指が僕自身に添えられると、そのまま形を確かめるように握られた。

あまりにも気持ち良くて、僕の唇からは自然と"気持ち良い"という言葉が出ていた。

「…あぁっ…!棗…なつ、め…!気持ち良いよ…もっと触って…?もっと僕に愛を頂戴…?」

棗に握られている自身からは白濁液が止め処なく溢れていて、棗はそれを指に絡め取ると僕に見せつけるようにペロリと舐めた。

「梓のエッチなミルク、どんどん溢れてくるな…梓、そろそろ俺も限界なんだが…梓の中に入っても、いいか…?」

答えの代わりに深く頷くと、棗は僕の秘部に白濁液を塗りたくるとゆっくりと自身を挿入してきた。

「あっぁっ…!ん、やっ…!はぁ、ん…!棗…キスして…?」

棗の首に両腕を廻しながらキスをせがむと、棗は何も言わず唇を重ねてきた。

激しい律動の後、僕と棗はほぼ同時に絶頂を迎えた。熱い白濁液で互いの身体を濡らしながら…――。


情事後――。

「梓…愛してるよ。…梓は?」

「…そんなの、決まってるでしょう?僕も愛してるよ…棗だけを。」

僕に抱き付きながら不安気な声で問い掛けてくる棗を安心させるように耳元で囁く。

棗の鼓動を背中で感じながら、僕は言い表せられない程の幸せを噛み締めていた…――。


幸せな鼓動
(君の生きている証を、何度でも聴かせて欲しくて)

end.




5ヶ月ぶりの更新になってしまいました。今回は棗×梓を書きました。と言っても、数か月前に書きかけていたものの続きを書いただけですが。皆さんに少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。


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