棗×椿 R18

いつも、どんな時でも

俺の心の中には椿が居た。

その意味に気付いたのは、もう随分と前の事だった。

この気持ちを伝えるつもりはなかった。

それなのに椿があまりにも無防備な笑顔を見せるから、俺はその笑顔から目が離せなくなる。

その笑顔を俺だけのものにしたいと、願わずにはいられなくなる。

なあ、椿?

俺に気がないなら、これ以上俺に構うのは止めてくれないか。

このままだと、俺はいつかきっとオマエに手を出してしまう。

オマエを傷つけるのだけは…俺には、堪えられそうにないから…――。





「な・つ・めーっ!捕まえたっ。」

「…椿。オマエ、何しに来たんだ?…どうしたんだよ、その荷物?」

ある日の夜…―――。

仕事が終わり帰宅しようとマンションの廊下を歩いていると、部屋の前で待ち伏せをしていたかのように無邪気な笑顔を浮かべて手を振っている椿を見つけた。

椿の足元に大きなバックがある事に気付くと、俺は椿の元へ駆け寄り溜息混じりに問い掛けた。

「んー…ちょっとね…棗と一秋の経験をしちゃおーかなーって。」

「…はあ?それって…泊まりたいって事か?」

「…うん。だめ?きょーにーにはちゃんと言ってあるし、棗に迷惑はかけないから…。」

「…っ…分かったよ…好きなだけ泊まっていけよ。ただし、一秋の経験とやらには付き合わないからな?」

潤んだ瞳でねだられ、追い返す事なんて出来る筈もなく。

俺は、椿を部屋に上げてしまった。


「棗…もう寝ちゃうの?」

「ああ…少し疲れてるからな。椿も早く着替えて寝ろよ。」

「…あれ?棗、布団で寝んの?ベッドあるのに…。」

俺はなるべく椿を視界に入れないようにしながら床に布団を無造作に敷くと、椿に背を向けて横になった。

「…椿と一緒になんて眠れるわけないだろ。ただでさえ二人きりで、どうしたらいいのか分からないっていうのに…。」

「……棗…やっぱり、俺としよーよ。一秋の経験………。」

椿がベッドから降りる音が聴こえ、俺の心臓は早鐘を打ち始める。

椿の温かい指が俺の背中を優しく撫でた瞬間、俺の中の理性は音を立てて崩れ去って行った。

勢い良く振り向くと、濡れた瞳をした椿と視線がぶつかった。

椿の頬にためらいがちに触れ、その温もりを確かめるように撫でると椿は頬を微かに赤く染め俺の手のひらに愛しげに唇を寄せた。

「…椿…俺……分からないよ…椿が何を考えてるのか…。椿は、俺にどうしてほしいんだ…?」

「…俺に触れてほしい。キスしてほしい。抱きしめてほしい。俺を…好きになってほしい。」

熱を帯びた瞳でねだられ、俺の胸は苦しいくらいに椿でいっぱいになっていく。

椿の頬に手を添えると、椿は頬を染めながらゆっくりと瞼を閉じた。

そのまま顔を近付け唇を重ねると、椿の手が俺の後頭部に廻ったのが分かり俺の胸は熱く震えた。

互いの唾液を吸い合うようなキスに夢中になっていると、椿が恥ずかしそうに身を捩らせている事に気付き俺は椿の顔を覗き込んだ。

「…椿。ちゃんと言って?本当はもっとあるんだろ?俺にしてほしい事…椿の可愛い声で教えてくれよ…。」

椿の耳朶を甘噛みしながら耳元で囁くと、椿は身体をビクンと揺らしながら俺の手にそっと指を這わせてくる。

そのまま俺の手首を掴み、自らの勃ちかけている欲の塊に服越しに触れさせてくる椿に俺の興奮は高まっていく。

「…俺の、ここ…棗が欲しくて、もうこんなに熱くなってるんだよ…棗が責任持って…気持ち良く、して…?」

「…本当だ…椿のチンポ、脈打ってるな…それにもう、こんなに固くなってる…まるで、ここに来る前から欲情していたみたいだな。」

「…っ…そ、んなの…当たり前じゃんか…!棗に愛して貰うためにここに泊まりに来たんだもん…ね、棗…俺、もう待てないかも…棗にエロイ事されたくて、たまんない…。」

「そんな瞳でねだられたら嫌なんて言えねえって、分かっててやってないか?…いいけど。椿も俺の事…愛してくれるなら…このまま、朝まで…気持ちいいこと、ずっとしててやるよ…。」

俺は椿の上に跨ると椿の身に纏っている衣服を乱暴に剥ぎながら、露になった肌に唇を寄せていく。

椿の股間を弄る手はそのままにもう片方の手で椿のぷっくりと膨らんだ乳首を弄ると、腰をビクビクと震わせ甘い声を漏らす椿が愛おしくてたまらない。

「ん、ぁっ…あ…っひ、ぁっ…!ん、は…ぁ…っ!ふぁっ…や、ん…ぁ……っ!なつ、め…乳首とチンポ同時に触んの、やめて…?気持ち良すぎてイキそうになるから…っ…。」

亀頭を親指でくにゅくにゅと刺激すると椿は両脚をガクガクと震わせ切なげな嬌声を漏らしながら、椿の乳首を摘んだり捻ったりしていた俺の手に指先で触れ懇願した。

「エロイ事されたかったんだろ?だったら何回イッてもいいんじゃないのか?俺は椿が俺のを挿れずにイクところ…見てみたいけど?」

乳首に舌を這わせると、椿の亀頭からいやらしく溢れ出す白濁に目を奪われた。

俺はそれを指で絡め取ると、椿の秘部の周りに塗りたくっていく。

窪みの周りを焦らすかのように優しくなぞると、椿は身体をビクンと跳ねさせ欲の塊から熱い白濁を放ち濡れた瞳で俺を見つめた。

「…は、ぁっ…は、ぁ…なつ、めのバカ…後ろは弄らないんじゃなかったのかよ…?」

「そんな事、一言も言ってないだろ?けど…椿が前と乳首だけで気持ち良くなっちゃう姿が見られて、俺…すげえ興奮した…イッた直後のオマエの表情も、エロくてヤバイし…。」

達したばかりで敏感になっている椿の秘部に指を滑り込ませると、椿の腰が淫らに揺れた。

ズチュグチュという卑猥な水音を立てながら掻き回し中を解していると、椿は自ら両脚を大きく開き誘うような視線を俺に向けてきた。

「…棗…もう、解さなくてもいーから…早く、俺の中に来て…?棗の温もりで、俺の事…幸せに、して…?」

椿の瞳から大粒の涙が一粒溢れ出したのを見た瞬間、俺は椿の目尻に唇を寄せていた。

俺はその滴を舌で舐め取ると、椿の濡れてヒクヒクと蠢く秘部に自分の熱く膨張しきった欲の塊を押し当てゆっくりと腰を沈めていった。

「椿…!つば、き…!好きだ…!誰よりも好きだ…椿…つばき…つば、き…っ…!」

激しい律動を繰り返す度、椿の中がヒクヒクと収縮するのが分かり俺は幸せで胸がいっぱいになった。

無意識に椿の亀頭に手を伸ばすと、椿は頬を真っ赤にしながら掠れた声で呟いた。

「…ぁっ…ひぁっ…!ん、あ…っ…棗の指は、俺を淫らにさせるんだ、な…っ…んぁ、あ…!ふぁっ…ぁ、んぁ…っ…あ……っ…!」

「…椿…!あんまり煽らないでくれよ…俺、オマエに優しくしたいんだ…。」

亀頭に触れようとしていた手を椿の手に絡めると、優しく絡め返してくれる椿に俺の胸は椿で埋め尽くされていく。

「…優しくなんてしなくていーんだよ?ありのままのお前で、俺を愛してよ。どんな棗でも、俺は受け止めてみせるからさ。」

「椿…!そんな可愛い事、そんな表情で言うなんてずるいぞ…?けど…俺も限界だ…一緒に気持ち良くなろうな…。」

椿の亀頭に手を添え、耳元で何度も"愛してる"と囁くと、椿は耳を真っ赤に染め腰をヒクつかせながら静かに絶頂を迎えた。

その後を追いかけるように椿の中に欲望の証を注ぎ込むと、椿の身体がまたビクッと反応しているのが解り、俺の胸は震えた。

達したばかりの椿を優しくシーツで包むと、椿は何も言わずに微笑みながらそっと瞼を閉じた。

椿と椿への想いを抱きしめながら、俺は椿の寝顔を朝方までずっと見つめていた。

今日も好きが溢れてる
(この想いは、いつまでも続いていくと信じているから)
end.

またまた棗×椿を書きました。
最近はあまりエロを書いていなかったので、リハビリとして濃厚なのを書いたつもりです。
いつも沢山の拍手やコメント、ありがとうございます。励みになっています。
皆さんに少しでも楽しんで貰えたら嬉しいです。



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