恵方巻

「恵方巻買ってきてよ、ヒソカ」
「えー」

嫌がるヒソカに無理矢理、恵方巻を買いに行かせたのが悪かったのか、aaaの目の前には、ひどい光景が広がっている。
ヒソカがピンク色の男性器を模したバイブを持ってきたのだ。
「なにこれ」
「恵方巻◆」
当たり前、みたいな表情されても。
ヒソカはけろっとしてバイブのスイッチを入れた。
激しくうねるバイブに吐き気がする。
変な動きをしないで欲しい。
「…食べ物じゃないし」
「でもちゃんと、くわえるものだ」
「くわえても食べられなかったら意味がないですよ、ヒソカさん」
食べてみるかい、とヒソカはaaaにバイブを渡そうとするが、aaaは首を横に激しく振って断った。
バイブなんか持ちたくないです。
「食べれるよ、ほら」
ヒソカは強い力でaaaの顎を掴むと、バイブを口に入れようとしてきた。
「胃には入れられないでしょうが…ッ!」
aaaはヒソカの腕を無理矢理離すと、バイブをヒソカの手から叩き落とした。
ごとん、と床に落ちたバイブ。
「そんなに気に入らないのなら…、仕方ないなぁ。もう出し惜しみしないよ◆」
ヒソカは久々に着ていたジーパンを脱いだ。
あまりにも清々しく脱ぐもんだから、止めることも出来なかったaaaは呆然とヒソカの露出した下半身を見た。
「何…してんの……?」
「恵方巻だろ?ほら、ここにあるじゃないか」
aaaに見せ付けるように、ヒソカは半勃ちのそれを掴んだ。
「バイブが嫌なんだったら、ほら、ここに◆ ボクも気持ち良くて一石二鳥◆」
ヒソカはaaaににじり寄る。
「フェラなんか…したくない…!」
なんでそんなものくわえなくちゃいけないのか、aaaはフェラが本当にしたくなかった。
ヒソカもしろなんて言ってこなかったし、第一男性器をくわえるなんてありえない。
気持ち悪い。
「…ね、お願い」
「やだ」
「今日の一回だけでいいから…ね」
ヒソカの頼み事をする時の顔は、好きな猫がこっちを見ているくらいに可愛くてもどかしい表情をする。
そんなふうに頼まれたら、aaaはもう断れない。
ヒソカはそれをわかってやっている。
「……一回、きりだよ」
「ありがとう◆」
ヒソカはベッドに、aaaはベッドの下に座り込み、ヒソカの股の間に入って勃起したそれにキスをした。

「ん、ぐ……ん、う」
唾液とカウパー液でぐちゃぐちゃになった口内に不快感を覚えながら何度も舌でヒソカの勃起した男性器を刺激した。
「気持ちいいよ…aaa…、やっぱりaaaが一番だ…◆」
「…………………誰かにしてもらったことあるの?」
aaaはヒソカのそれから口を離すと、口元を拭って、ヒソカを見た。
「あるよ、そりゃあ。aaaがしてくれないんだもん◆」
ヒソカは、もっと、と言ってaaaの頭を自分の男性器に押し付けた。
「んん…!」
「好きな人にされると気持ちいいなぁ。……下手でもね◆」
ヒソカは恍惚の表情を浮かべながら、びくびくと体を震わせた。

「とっても良かったよ。aaa◆」
「そりゃ、ドーモ」
終わったaaaは洗面所で口を何度もゆすいだ。
口元を拭い、aaaがヒソカのいるベッドルームに戻ると、ヒソカは下着を着てベッドに腰を掛けていた。
「aaa、気持ち良くしてくれたご褒美◆」
ぽい、とaaaに白い袋を投げたヒソカ。
aaaはそれを受け取ると、袋の中身を見た。
「恵方巻◆」
本物の、海苔で巻かれたごはんと玉子とかんぴょうときゅうり、それに桜でんぶがある恵方巻があった。
「…あ……あるんかい!!」
イラっとしたaaaは思わず叫んだ。
「ないとは言ってないよ◆」
「確かに…そうだったけど!」
くそ、騙された、とaaaは恵方巻を南々東を見ながらかぶりついた。
「普通のもいいね」
ふ、と笑ったヒソカにaaaは「何がだ!」と叫んだ。


prev next

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -