このページは全てマルコ夢です
※現代パロディ、海賊もの共にあります


61 【伊勢大輔】
いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな

「ふぁああ!!凄い!凄いね!マルコっ!」
aaaは目の前の八重桜を指差した。
「あぁ……綺麗だよい」
マルコはaaaの肩を抱いて、引き寄せた。
この八重桜は昔、奈良の都で咲いていたという。
「マルコと見れて……幸せだなー…」
「嬉しいこと言うんじゃねぇよい」
aaaとマルコは瞳を見つめ合い、どちらともなく唇を重ね合わせた。


62 【清少納言】
夜をこめて 鳥のそらねは はるかとも よに逢坂の 関はゆるさじ

「こけっこー」
「だーかーら!無理だって言ってるだろ!」
役人に怒られても、aaaは鶏の鳴きまねを止めない。
「こけっこー!」
「朝じゃねっての!開けるわけにはいかない!」
逢坂の関の警備は万端。
朝の決まった時間にならないと開けてはくれない。
しかし、aaaはそれを知っていてもなお、鳴きまねを続ける。
「こけっこー」
(開けて……早く開けて!!マルコに早く会いたい!)
逢坂の関の向こう側にはマルコが待っているから。


63 【左京大夫道雅】
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな

「マルコさん…」
ぽろぽろと涙を流しながら、aaaはうずくまった。
「もう…だめ……」
aaaは部屋に一人だけ。
aaaはマルコと付き合っていた。
しかしaaaは偶然にも見てしまったのだ。
マルコが違う女性と歩く姿を。
マルコと別れようにも、マルコは今海賊の一人だ。
マルコが海賊になってもずっと想い合ってきてると、思ってたのに。
「私だけだったのかな…」
(人づてでなくって、直接マルコに会って話がしたいよ……マルコ…)


64 【権中納言定頼】
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木

「素敵ですよねー」
と呟きながら、aaaは船から身を乗り出しながら島を見遣る。
「何がだよい?」
「いいえー」
島の川を眺めながら返事をした。
綱代木が並ぶ川の道。
「ああいうとこ、歩いてみたい」
「ん?」
「マルコが好き」
「……俺もだよい」
「えっ、その間、なに!?」
「なんでもいいだろィ」


65 【相模】
恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそ惜しけれ

美しく純粋な女だと、島ではそう言われてきた。
ある日来た白ひげ海賊団という海賊のクルーに、私は惚れた。
私はその人に愛を捧げたのに、その人は一夜を過ごした後、旅に出てしまった。
私は袖を濡らした。
島でも一夜を過ごす女と噂され、私の名は朽ちてゆくばかりだった。


66 【前大僧正行尊】
もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし

「あなたに出会えて、嬉しかったです」
「不謹慎なこと言うんじゃねぇよい」
私は不治の病というやつにかかってしまった。
治らないと知っていても看病を続けるマルコさんに、愛を感じた。
「ここからは……綺麗な山桜が見えましたね」
「だからここを買ったんだろい」
ここからは桜が良く見える絶景スポットで、それでいて私たちくらいしかそれを知らなかった。
「マルコさん。愛してます。いつまでも」
「おれもだよい」
きっと私は桜が咲く頃にはいないから、山桜を見て懐かしんで欲しい。


67 【周防内侍】
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ

それは短い春の夜の情事の後のこと。
「……」
「寝てろよい」
ベッドのシーツに沈み、マルコの腕枕をしてもらいながら、睡魔に襲われる。
頭を撫でてもらいながら寝ると、とても心地が良かった。
しかしこれは全部、他の女にもしてきてることだと思うと、悲しくて堪らない。
今日も、ある女と一夜を過ごしただとか、またある女と付き合っているとかいうくだらない噂が立っていた。
……それでもいい。
一時でも、マルコに愛されるのなら。


68 【三条院】
心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな

「マルコさん……」
偉大な親父と仲間であるエースの墓を見遣り俯くマルコの後ろから声をかけた。
「どうした?」
「もう夜更けですよ……体に障ります」
傷だらけの体が悲鳴を上げているのも気にせず、マルコはただじっと墓を見ている。
「ガキじゃねぇんだ、自分の体のことくらい、わかるよい」
「だったら尚更のことじゃありませんか」
「……aaa」
「はい」
マルコの手がきつく握り締められたのを見て、マルコに近寄り、aaaはその手を己の手で包んだ。
「……っ」
aaaはマルコを後ろから抱きしめた。
マルコの表情はわからなかったが、唇を噛み締めて情けない声を出さないようにしていることだけが伝わった。
「クソ……」
上を向いて夜空を見るマルコの瞳には綺麗な満月が。
沸き上がる愛しさ。
「親父ィ……!!エース…!!」
もうこれ以上は何も失わないと、心に決めて。


69 【能因法師】
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり

竜田川に流れる紅葉。
「すごいんだって!」
「ふーん」
パンフレットを見ながら、喋り合う恋人達。
「……………やですか?」
「どうでもいいよい、お前以外は」
「!」
顔を真っ赤にさせたaaaを尻目に、パンフレットに目をやると、パンフレットの写真には紅葉が川を流れ、錦の織物みたいに鮮やかな、赤。
「……」
今のaaaみたいだと言ったら笑われそうだから言わないでおく。


70 【良ぜん法師】
さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこもおなじ 秋の夕暮

「……」
aaaは仕事で出張。
あと一週間は帰ってこない。
いつもは側にいるからわからなかったけれど、こんなにも愛おしい存在だったとは。
「はぁー」
溜息を吐いてもなんにもならず。
暇だったからベランダで夕日を見ていたが、やはり心は変わらずぽっかりと空いたまま。
「……?」
部屋から音が聞こえると思って、音のする方向に歩むと、そこには光る携帯。
携帯画面にはaaa、と書いてある。
急いでメールを見てみると、「愛してる」とだけ書かれていた。
ほっ、と安堵を見せ、そしてメールを返した。
「おれも、愛してるよい」と。



※地名はそのまま使ってます


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