「なぁ、aaaちゃんってほんとにおれのこと好きなの?」
外でおしゃべりをしてたら、たばこを吸っていたサンジくんが唐突にそう言った。


似た者同士


「……え?」
急な問いに戸惑うaaa。
サンジはたばこを船体に押し付け、ぐしゃりと潰した。
焦げ目がついた船を見たらフランキーがなんて言うか、少し恐ろしい。
「aaaちゃん、聞いてる?」
「う、うん……そりゃあ、好きだから付き合ってるんだよ…?」
aaaが不安気にサンジを見上げると、サンジは少し怒っているのか、なんとも言えないような怖い雰囲気を醸し出していた。
「…ご、ごめんね、私、ちゃんと好きだよ、サンジくんのこと」
サンジの手を掴み、握るaaa。
「じゃあさ、キスしてよ」
「…え?」
「aaaちゃんからキス、してよ。いつもおれからで、おれだけが好きみてぇじゃん」
ふぅ、と溜息を吐いたサンジに、aaaは慌てながら何度も頷いてみせた。
「す…、するよ!!だって、私もサンジくんのこと、好きだもん!」
サンジは、にぃと笑ってaaaがキスをできるようにと屈んだ。
「…ほら」
目を閉じて待機するサンジは、握っていたaaaの手を、くい、と引っ張る。
「……っ」
キスを待つサンジに、aaaはごくりと唾を飲み込んだ。
(か、かっこいい…)
見とれてしまっているaaa。
「してくれないの…?」
薄く目を開けたサンジに、aaaはハッとしてサンジの手を握り締めた。
「する!!」
「ん…」
また目を閉じたサンジ。
aaaは顔をだんだんと近付け、目を閉じてサンジと唇を重ね合わせた。
恥ずかしくて、顔から火が出そう。
(…クソ可愛い顔しちゃって)
目を開けたサンジは、aaaの下手なキスと真っ赤な顔に微笑みながら、aaaの口内に舌を侵入させた。
「…んんっ」
酸欠気味になるaaaのことを気遣うこともせず、サンジはaaaを貪った。
唇を離したサンジは、口を歪めた。
「aaaちゃん、クソ好きだ、愛してる」
「私も大好きだよ、サンジくん!」
aaaが、がばっと抱き着くと、サンジも力強く抱きしめた。
「……不安にさせたなら、ごめんね?」
申し訳なくて、一言そう言った。
「aaaちゃんがキスしてくれたからいいよ」
ちゅ、とaaaの頬にキスを落としたサンジ。

ほんとは嘘。
aaaちゃんが、ちゃんとおれを好きなこと知ってた。
泣きそうな顔が、キスする表情が見たくて――。

「そんなことしてたら、いつか嫌われるわよ」
「大丈夫ですよ」
キッチンでナミと話すサンジ。
「なんで、そんなことが言えるのよ」
「そりゃあ…」
口を濁したサンジに、ナミは頭の上に疑問符を浮かべた。
「サンジくん!」
ガチャリ、とキッチンに入ってきたのはaaa。
「サンジくん、私のこと…好き?」
首を傾げたaaa。
ナミは、ふ、と笑いながらキッチンを出ていった。
キッチンからは早々にいやらしい声が聞こえたような気がしたが、ナミは気にせず女部屋に戻った。

似た者同士だから、ね。


〇Message
いじわるなサンジ、というネタをいただきまして書きましたが、おっとうっかり収拾がつかなくなってしまいました
匿名でしたが…、ネタ提供ありがとうございます
40000hitありがとうございます
これからも「kissしてっ!!」をよろしくお願いします


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