みいまさんリクエスト


おれが好きなのは。


自覚


キッチンでレシピを作るサンジに忍び寄り、aaaが肩を叩いた。
「…サンジくん、どうかな」
サンジが後ろを振り向いたところで、aaaはくるりと回ってみせた。
「え?、あ、それ前の島で買ったやつかい?かわいいね」
aaaは先週買った服を着ていた。
「ほ、ほんと?」
「うん」
にっこりと笑ったサンジに、aaaは買ってよかったと思った。
「サンジくん!!」
騒々しくキッチンに現れたのはナミだった。
「あぁっ、ナミさん、なんでしょう!」
「この服どう?、みんな服とか興味ないから参考になんないのよねー」
ナミが着ている胸が強調された服に、aaaは圧倒された。
「似合ってますよ、とっても」
「ほんと?、ありがとう」
夏島に近付いてきたからか、気温はどんどん暑くなってきていて、ナミはぱたぱたと服を摘んで扇いだ。
「…あ、aaaもいたの。その服可愛いわねー」
「うっ、うん、ありがと」
「ていうか、二人で何してたのー?」
ニヤニヤと笑うナミに、aaaは顔を真っ赤にさせた。
「いえいえ、そんな、何もしませんよ」
サンジの一言に、aaaは固まった。
「……サンジくん、それじゃあ」
aaaは急ぐようにキッチンを出ていった。
「……サンジくん、aaaのことどう思ってる?」
「可愛い妹、ですかね。あ、もしかしてナミさん、嫉妬?」
メロメロになって嬉しがるサンジに一発食らわせてから、ナミは俯いた。
「aaa、可愛いわよね?」
「?、はい、とっても。さっき着てた服似合ってた」
そう言ってたばこを吸い始めたサンジを、ナミは見つめていた。
「じゃあ私はどう?」
「とっても素敵なPRINCESSです!」
煙を吐きながら言ったサンジに、ナミは目を細めた。

そして、ある日それは起こった。
「…aaaちゃんは?」
「悪ィ、aaa、aaaが連れ去られちまった…!!」
ウソップとaaaが船番をしていたところに海賊が襲ってきたらしい。
ウソップは戦ったものの敗れ、aaaは連れ去られてしまった。
「いや、ウソップは頑張ったんだ、悪くねぇよ」
島に停泊しているというその海賊のもとに、サンジとクルーたちは向かった。
チョッパーはウソップの怪我の手当てのため、船に残った。
森深くにある大きな木の家に着いた一味。
「…ここか。胸糞悪ィ」
「行くぞ」
ルフィがそう言って、力任せに開けた扉には壊れ、部屋の中の一人の海賊が扉を見遣る前に、ルフィが殴り倒した。
他のクルーたちが海賊を倒している間に、サンジは紐で縛られ、倒れているaaaを発見した。
「aaaちゃん!」
紐を解いて抱きしめると、aaaはサンジの背中に腕を回して泣いた。
「サンジくん…!」
「ごめんな、aaaちゃん…」
抱きすくめたaaaの体は、とても小さかった。

サニー号に戻って、サンジはなおも怯えるaaaを介抱していた。
チョッパーによると、精神的ダメージは時間でしか癒せないらしい。
クルーたちは努めてaaaに優しく接し、サンジも出来うる限り一緒にいた。
「aaaちゃん!ご飯持ってきましたよ」
「…サンジくん」
女部屋に一人、ベッドに座って本を読むaaa。
五日経って、aaaは一、二回しか外に出ていない。
「今日のメニューは――」
一生懸命に話すサンジが嬉しくて、aaaは微笑んだ。
「…ありがとう、サンジくん」
「え?、あ、あー…いや、うん、どういたしまして」
照れて頭を掻くサンジ。
aaaはソファに移動して、サンジのご飯を食べた。
「これ、おいしいね」
「それ自信作なんだ」
カチャカチャとスプーンやフォークの音がする。
ぱくりと口に運んだ料理がおいしくて、aaaはまた微笑んだ。
一方のサンジは、五日間aaaと接してきて、仲間に対する感情とは別のものが生まれていた。
(…やべ、なんでだ、ドキドキする)
aaaの隣に座ると高鳴る胸に、サンジは疑問符を頭に浮かべた。
「サンジくん、どうしたの?」
「…ん?、いや、なんでもないよ」
そう、と言ってaaaは料理を平らげた。
「そろそろみんなと食べようかな。心配かけてるみたいだし」
チョッパーが言ってた、とaaaは言う。
「無理するもんじゃねぇよ」
サンジがaaaの頭を撫でると、aaaが少しだけ顔を赤くして笑った。
その表情に、サンジが、固まった。
(……aaaちゃんを、もっと独り占めしてぇ――)
サンジはaaaの頬と後頭部に手を当て、唇を重ねた。
「っ!!」
驚くaaaを気にもかけず、舌を絡めるサンジ。
「っ、ん…、サンジ…く、」
キスの合間に名前を呼ばれ、理性を取り戻したサンジは咄嗟に体を離した。
「…あ、わ、悪ィ」
ソファから飛び退いたサンジをaaaが見つめると、サンジは慌てて謝った。
「仲間なのに、気持ち悪ィよな。でも、aaaちゃんと一緒にいてぇって思ったら、つい…」
自分の唇に手を当てながら謝るサンジに、aaaは立ち上がり近寄った。
「…私、あの時サンジくんが助けにきてくれて、嬉しかった。サンジくんってやっぱり王子様なんだなって……、大好きになっちゃった」
aaaはサンジの両手を掴み、自分の手を重ねた。
熱が伝わる。
「両想いだね」
にこ、と笑ったaaaは、サンジを抱きしめた。
「……ね?」
上目遣いで言ったaaaに、サンジはやっと自覚した。

やべぇ、おれ、aaaちゃんのこと、好きだ。


〇Message
みいまさん、リクエストありがとうございます
ちゃんと設定に沿っていましたでしょうか
少し難しく、書くのに手間取ってしまい遅くなりましたが、こんなのでよければもらってください
サイトの小説、気に入って頂けて嬉しいです、ありがとうございます
これからもサイトをよろしくお願いします
みいまさんのみフリーです



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