※現代パロディ



生まれてきてありがとう


Birth


夜空に光る星を遮るカーテンをした部屋に、二人はいた。
「aaaちゃん」
サンジの声に、aaaが振り返った。
「…誕生日、おめでとう」
大きなバラの花束が、aaaの視界を覆った。
むせ返るバラの香り。
「……サンジくん、なんで知ってるの。私、言ってなかった気が…」
「ナミさんとロビンちゃんが教えてくれました」
サンジからバラの花束を受け取るaaa。
「…あとさ、これ」
サンジは花束を持っていないもう片方のaaaの手を取り、す、と指に何かを嵌めた。
「予約ね」
「…!!」
aaaの左手薬指に、指輪。
「…サンジくんっ!」
「うおっ…と」
がば、とサンジに抱き着いたaaa。
「うぅ…っ、」
「え、な、なんで泣いてんの」
「だって…」
aaaは何度も目を擦るが、涙は溢れるばかりで止まらない。
「あぁ、擦っちゃだめだよ」
aaaの手を掴んで、サンジはaaaの目尻にキスをした。
「さ、サンジくん何するのー…!」
サンジの行動に驚いて、サンジを引き離そうとするが、サンジはaaaの腰に手を回していて離れない。
「aaaちゃんってさ、馴れないよね、こういうの」
サンジがaaaの唇に軽くキスをすると、顔を真っ赤にさせたaaaはサンジの肩をどんどんと叩いた。
「だって、恥ずかしいもん…!」
aaaはそっぽを向く。
「おれはそんなaaaちゃんがクソ可愛くてしょうがないけどね」
ちゅ、ちゅ、とサンジは何度もaaaの頬や額にキスを送る。
aaaは耳まで真っ赤になるが、しかし抵抗はしなくなり、サンジのキスが止むとサンジの胸に擦り寄った。
「もう…ほんと…」
またサンジの胸で泣き始めたaaa。
「泣き虫」
「…だって、嬉しいんだもん…、サンジくん…」
「うん」
よしよし、とaaaの頭を撫でるサンジ。
「サンジくん、大好き……愛してる」
「うん…」
aaaは背伸びをして、顔を赤くしながらサンジの唇にキスをした。
「aaaちゃん、愛してる。生まれてきてくれてありがとう」
サンジの笑顔に、aaaはほろりと涙を流した。
「てかよ、おれのために生まれてきたって感じだよな!マイエンジェル!!」
目をハートにして何かの舞を踊るサンジ。
aaaはサンジの腕に解放され、持っていた花束をテーブルに置いて、薬指の指輪を眺めた。
「嬉しいな…」
蛍光灯の光を受けて輝く指輪。
ただのシルバーリングのようだが、aaaの瞳にはどんなダイヤモンドよりも輝いて見えた。
「…サンジくん、ほんと、ありがとうね!」
「おれの愛の証ですから!」
にこ、と笑ったサンジに、aaaの頬も緩んだ。
「私も、サンジくんの誕生日にはサンジくんが一番喜ぶものあげるから…!」
「え?、おれが一番喜ぶものって…aaaちゃん…なんだけど」
「え…っ」
少しの沈黙が部屋を支配した。
「…まぁ、サンジくんが喜ぶなら、ね」
「はは、嬉しいよ。あ、ケーキ作っておいたんだ。食べよっか」
サンジがキッチンの冷蔵庫に向かっていくのを目で追った。
「aaaちゃん」
背中を向けたサンジが声をかけた。
「うん?」
「…ホンモノは、また今度ね」
「……うん!」
aaaはサンジの背中に飛び込んだ。



〇Message
はちさん、リクエストありがとうございます
そして、誕生日おめでとうございます
こんなのでよければどうぞ、もらってください
はちさんのみフリーです



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