「エース、おかえり」
「おう」


この、きみ色


aaaは仕事帰りのエースに手を振ると、サッチが遠くでキャーッと叫ぶのがわかった。
「…aaaが出迎えなんて、明日嵐に遇うかもな」
にっ、と笑いながらエースがテンガロンハットをaaaに被せた。
「遇うわけないじゃん!」
「いってー、背中の骨折れる!手加減しろよ!!」
エースの背中を殴ると、大袈裟に痛がるエース。
「これ、お土産なんだぜ、いらねぇ?」
エースがaaaの目の前に、大きな紙袋を差し出した。
「…欲しいっ」
がばっ、と紙袋に飛びつくが、エースがひょいと上に持ち上げ、aaaは空気を抱くことになった。
「…くれないの?」
「取ってみろよ!」
ドタドタと走っていく紙袋を持ったエースを追って、aaaは船内を走り回った。

「親父ぃ、エースがいじめる!」
たまたまエドワードの前を通ったaaaは、エドワードに言い付けた。
「グララララ!許してやれ、aaaと遊びてぇんだ」
エドワードが笑う。
aaaはぽかんとして、それからぼん、とぷっと笑った。
「エースって子供だもんね」
そう言って、aaaはエースを追いかけた。

「マルコ隊長!エースどこいるか知りませんか?」
サッチと話していたマルコに話しかけた。
「…おれは?」
存在を無視されたサッチがaaaに尋ねた。
「サッチは死ね!!」
笑ってたから、と叫ぶと酷くね、とサッチが悪態を吐いた。
サッチとは仲が良い方だ。
エースと同じく人懐っこいとでも言うのか、馴染めないaaaに話しかけてきたのがサッチとエースだったのだ。
「で、エースは?」
「……部屋にいるんじゃねぇのかよい」
「てかaaa、エースのこと気になりすぎ」
キャ、とサッチが女みたいな声で笑った。
aaaは苛ついて、サッチの鳩尾に一発ブチ込む。
「うぐふぅっ!!」
断末魔を上げ、サッチは床に倒れ込んだ。
「だって、エースがお土産くれるって…」
「言い訳だな。エースはほっときゃ飯の時には絶対会えんだからな。その時まで待てないってぇのは、一緒にいたいからだろい?」
マルコがそう言うが、aaaは首を傾げる以外出来なかった。
「そうなの…?」
「……そうだろい」
そうかと呟きながら、aaaはエースの部屋に向かった。
「…鈍感だなぃ」
「カワイーじゃんか。なんでエースなんだよー」
サッチは起き上がり、頭を掻いた。

エースの部屋のドアをノックすると、入ってくんなとエースの声が聞こえた。
aaaはエースを無視して部屋に入った。
「なんでそんなこと言うの?」
エースはベッドの上で体育座りをしていた。
「お土産、の前に…、あのさ、私、マルコ隊長に聞いたんだけど――」
「おれは子供じゃねぇ」
エースがaaaの言葉を阻止した。
「…はい?」
「おれは子供じゃねぇっ!」
ふい、とあからさまにaaaから顔を背け、口を尖がらせて、体育座りをしている男を、大人だとは思えない。
「いや、子供だよ、すごく…」
aaaはエースのいるベッドに近寄った。
「子供じゃねって言ってるだろ!!」
エースはaaaの腕を掴み引き寄せ、ベッドに押し倒した。
「な、aaa…。これからすることは子供がするようなことじゃねぇかんな?」
「……っ」
いつもより低い声で囁くエースに、aaaは全身鳥肌が立つのがわかった。
「え、エース…」
「おれ、aaaのこと好きみてぇだ。いつから好きかわかんねぇけど、結構前から」
「……ね、エース。マルコ隊長から聞いたんだけど、私ってエースのこと好きなんだって。エースに会いたかったのも、今すっごくドキドキしてるのもエースのことが好きだからみたい」
aaaの言葉に、エースは顔を真っ赤にさせた。

いつの間にか、きみ色に染まってたみたいです。


タイトル:確かに恋だった より


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -