※学パロ!


「好き…」
「……」
今の状況=ヤバイ。


今からきみに告白します


放課後の学校の廊下で呼び出しとは、なんともベタな展開だった。
「好き…、ゾロくん」
上目遣いでaaaが呟いた。
恥ずかしいのか頬を染めているaaaにゾロは目を反らすほかなかった。
「………ごめんね、迷惑だよね」
涙を溜めながら、aaaは俯いてゾロから離れようとした。
けれど、ゾロに手を掴まれ、その行動は阻まれた。
「おい、おれの返事はいいのかよ…」
ギロリと睨むゾロにaaaは怯えて目を反らした。
「悪い返事なら…言わないで…」
ゾロが掴むaaaの腕が震えている。
今にも泣きそうなaaaを見て、ゾロは決心をした。
崩壊しそうな理性と性欲を抑え、ゾロはaaaを抱きしめた。
「前から好きだった」
ゾロが耳元で囁くと、aaaはゾロの背中に手を回した。
「ぞ、ゾロくん…、なんか、当たってるんだけど…」
くい、と引っ張られたゾロのシャツ。
(ば、バレた…!!)
ゾロはどっと滝の汗を流しながら、悪いと謝った。

翌日、下駄箱にて。
「あっ!、あ…」
aaaは下駄箱で靴を履きかえるゾロの姿を見つけ、声を掛けようとしたが、ゾロに挨拶をする女子を見て、何も言わず下駄箱を後にしようとした。
「よう」
ぽん、と肩を叩かれたaaa。
振り向くと、恋人であるゾロだった。
「…おはよ」
aaaの鼓動は急激に速まり、落ち着かせるために小さく溜息を吐いたが大した効果はなかった。
「一緒に、行こうぜ」
はにかみながらそう言うゾロにaaaは、赤い顔を見られないよう俯きながら「うん」と呟いた。

「ゾロくんは迷惑じゃない…?」
「なにが」
ゾロはaaaの持つ二つのかばんの内、一つをあくまでさりげなく持った。
「ゾロくんってもっとこう、派手な子が好きなんだと思ってた」
aaaはゾロの、かばんを取った手を見つめながら言った。
「…すっ好きになった女がお前だっただけだ。派手とか地味とか関係ねぇ」
ゾロはかばんを持つ腕を前に動かすととaaaが前に視線をやり、後ろに動かすと後ろに視線をやったaaa。
まるで猫のようだ。
「あれ、aaaちゃんだ」
近くから声がして、aaaはかばんから廊下へと視線を移した。
目の前にいたのはゾロの悪友、サンジだ。
「おはようございます…」
「なんでマリモなんかとイチャイチャ……、イチャイチャ!?」
サンジは驚き目を見開いて、手を口に当てた。
「マリモー…っ!!」
サンジはゾロを睨みつけるが、ゾロは無視して教室に向かった。
「よかったな、念願叶って」
「えっ、なんで、え?知ってたの?」
「バレバレ」
サンジはウィンクをした後に、aaaの肩を叩いて教室に入り、aaaも後に続いた。

教室に入ると、女子の視線がaaaに集まった。
「…っ」
「aaa?」
ゾロがaaaの机に荷物を置きながら、声をかけた。
「…あ、ありがと」
aaaはすぐさま席について、かばんの中身を机に入れた。
ゾロの存在を無視しているかのようだった。
「……」
ゾロは顔を顰めて、席についた。
サンジがゾロに近寄る。
「aaaちゃん、やべぇかもな。ちゃんと見てろよ?」
サンジがゾロにだけ聞こえるように言った。
「あ?、あー……、あぁ」
ゾロは教室全体を見回しながら頷いてみせた。
女子の、aaaへの明らかな悪意のある視線。
睨みつけているような、視線だ。
「…はぁ」
aaaは、はぁと小さく溜息を吐く。
aaaも、自分への視線に気がついてるようだった。

1時になり、昼食の時間。
「aaa、食おうぜ」
コンビニの袋を差し出したゾロ。
「…サンジくんは?」
「あ?、どっか行きやがったけど…、用事か?」
「あ、いや…、あの…」
どもりながら、aaaは弁当を取り出した。
「…あいつなんかいいだろ」
ゾロはaaaの席の前にあるイスに座り、コンビニの袋からおにぎり二つと焼肉弁当、緑茶のペットボトルを取り出した。
「…いっぱいあるね」
「こんくらい食わねぇとやってらんね」
(いつも授業中には寝てるだけなのに…?)
焼肉弁当を開け、がつがつと食べ始めるゾロ。
aaaはゾロを見ながら弁当を開け、ぱくぱくと弁当のおかずを食べていると、ゾロの手が止まった。
「…どうしたの?」
「あっ、あー、なんでもね」
ゾロはまたがつがつと弁当を食べ、そしておにぎりも食べた。
おかかとうめのおにぎりだった。

「早いね」
「ん…、そうか?」
ゾロがいつもより早く昼食を食べ終わったのは、実はaaaの食事風景を眺めるためだった。
「……」
「……」
二人の間には沈黙が流れる。
ゾロは弁当を食べるaaaを見つめ、aaaは視線を気にしつつも弁当を食べている。
すると、後ろの方から女子の声が聞こえた。
「見せつけちゃって、サイッテー」
「あんな地味なのに、よくゾロくんと付き合おうなんか思ったよね」
「ははっ、すぐに別れるんだし気にしなくていって!」
口々に聞こえる悪口にaaaの弁当を食べる手が止まった。
「……」
はぁっ、と荒い息をするaaa。
ゾロはaaaの頭に手を置いた。
「…!」
「前々から思ってたけどよ、aaaってあんま言わねぇよな。愚痴とか」
ゾロが小さい声で言う。
「…前々?」
aaaは首を傾げた。
「いつも一人きりだけどよ、友達とかと喋ってるときは笑ってるばっかだな。いつ発散してんだよ、ストレス」
性欲、と言いかけてしまい、ゾロは焦った。
「……」
aaaは押し黙った。
「今、発散してもいいんだぜ?、言ってやれよ、おれがついてる」
ゾロがaaaを見つめながら言う。
aaaは少し悩んだ後に、口を開いた。

「私はゾロくんが好き!ゾロくんは?」
後ろにいる女子に聞こえるくらい大きな声でそう言った。

「…ったりめぇだろ、好きだぜ」
ゾロはaaaの頭をわしゃわしゃと撫で回すと、にっ、と笑った。
後ろの方で女子が何か言っていたが、あまりよく聞こえなかった。
幸せすぎて。



「やべー、aaaといると勃起しちまう」
「マリモ野郎のブツの事情なんか興味ねっての。つーか緑のマリモにもあったんだな」
「……テメー」


タイトル:確かに恋だった より


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