ルナさんリクエスト


夢の中で、私はサンジに告白する。
そして、告白は成功して、私は泣きながらサンジに抱き締められるんだ。


嫌いになって欲しかった


夢は夢であって現実ではない。
夢から目覚めた明朝、ベッドの上でごろごろと寝転がりながら、aaaは夢のことについて考えていた。
「…バカみたい」
布団を手繰りよせて、目をかたく瞑った。
(私がサンジに告白するなんて、多分…むり)
aaaは急に睡魔に襲われ、そのまま眠りについた。

三時間後、ナミに起こされ、寝間着からTシャツとハーフパンツに着替え、キッチンに向かった。
「んナミすぁん、ロビンちゅあん、aaaちゃん、おはよう!」
ナミとロビンにはメロリンモードなのに、aaaの時は抑揚も何にもない、ただの貼付けられた台詞だ。
サンジの挨拶に、aaaはおはよと応えてイスに座った。
(私はそんなに色気ないのか、胸はCだけどさぁ………、ナミとロビンがありすぎるだけじゃんか)
ふぅ、と溜息を吐いて、サンジが運んできた料理に手を付ける。
(はー…、おいしいなチクショー)
もぐもぐと口の中に詰め込んだ脂っこくない肉をスープで流し込んだ。

ご飯を食べ終わって、個々で行動し始める。
しかしaaaはたいしてすることもなく、今日はキッチンにいることにした。
その旨をサンジに言うと、サンジは紅茶を入れてくれた。
aaaは洗い物をし終え、皿を拭くサンジを紅茶を飲みながら眺める。
(サンジってかっこいいよなー…。ウーン…自分でプリンスって呼べって言ってたし、自分でもわかってるみたいだよなー)
考え事をしていると、すぐに紅茶がなくなった。
aaaがテーブルにカップを置くと、サンジは紅茶のカップを持ってaaaの向かいのイスに座った。
「サンジは…さ、……好きな人とか、いる?」
「…急になんだい?」
サンジは笑うでもなく、aaaを見つめる。
「いやー、なんとなく。だってさ、サンジってナミにすごいメロリンしてるでしょ?ロビンより」
「ん?そう見える?」
サンジはしらばっくれているようだ。
「うん」
「そう。……ナミさんのことは、好きだよ」
(ッ!!)
aaaは少しだけ動揺し、しかしサンジに悟られまいと冷静に気持ちを落ち着かせた。
「だよねぇ!サンジってばわかりやすすぎ!」
あはは、と笑うとサンジはじっと真剣な面持ちでaaaを見ていた。
「……なに?」
笑うことを止め、aaaはサンジを見据えた。
「aaaちゃんってさ、笑うの下手だよね」
「!」
サンジの言葉に、今度は動揺を隠せなかった。
「い…意味わかんない…」
aaaは泣きそうになって、キッチンから飛び出した。

(aaaちゃんの方こそわかりやすすぎ…)
はぁ、と溜息を吐き、キッチンに取り残されたサンジはたばこを取りだし、口にくわえた。
(なんでおれなんかを…)
ふうと息を吐くと、白い煙がキッチンを包んだ。
(おれは…、)
サンジはたばこを灰皿に押し付け揉み消し、キッチンを出た。

船尾にaaaの後ろ姿を確認し、サンジは声を掛けた。
「aaaちゃん」
aaaは涙を拭っていた。
「あ…、サンジ…!!」
サンジが近付こうとすれば、aaaは反射的に距離を取る。
「待って、行かないで」
サンジは歩みを止めてからaaaを引き留め、aaaは少しの沈黙の後、頷いた。
「……おれさ」
「……私ね」
同時に切り出してしまい、二人はどちらが話すかと悩んで沈黙してしまう。
「えっと…、aaaちゃんからどうぞ」
「あ……うん。…うまく笑えてなくて……ごめんね。私、サンジのこと好きだったから…ナミに嫉妬してた…、サイテーだね…私…」
aaaは溢れ出した涙を何度も拭う。
サンジはaaaに近寄り、頬に手を当てようとした。
「や…っ!」
ぴし、と手を弾かれた。
「あ…、ごめ……」
「………aaaちゃんはさ、なんでおれなんか好きになったの」
「…は?」
aaaは間抜けな声を出してしまった。
(なんで、バレて…)
「おれ、aaaちゃんに冷たくしてたでしょ?」
「わざとなんだ……」
aaaは顔をしかめた。
「……おれさ、aaaちゃんのこと好きだ、一目惚れだったんだ。aaaちゃんがおれを好きなこともすぐに態度でわかって、嬉しかった。でも、」
「…サンジ?」
サンジは続ける。
「おれって、酷いやつでさぁ、いっつも付き合った子泣かせてばっかで……おれ、レディみんなに甘いからよ。aaaちゃんは笑顔が似合うから、ずっと笑ってて欲しかった…!相手はおれじゃなくてもいいって…思って」
サンジは目を逸らした。
「ばか!なんで付き合ったこともないのにそんなこと言うの!!」
aaaがサンジに掴み掛かると、サンジは目を見開いた。
「サンジが冷たかろうが好きなもんは好きだし、そんな急に嫌いになれるか!!」
バカ、と叫んでaaaはサンジの頬にビンタした。
サンジは自分の頬に手を当てた。
「………はっ!あははは!!」
サンジが笑う。
「な、何…」
「aaaちゃんには恐れ入るよ!!気持ちが楽になった、ありがとう」
「え、う、うん…?」
サンジはaaaを抱きしめると、ちゅ、と額にキスをした。
aaaは目を丸くする。
「はぁ……、aaaちゃんが好きだ、愛してる。もう、泣かせない」
「…そんな、笑うの下手なんて言うから泣くんだよ」
「嫌いになってほしかったからな。でも……おれといる時、いつもぎこちなく笑うんだよaaaちゃん」
サンジは困ったように笑う。
「だって…、ナミとかロビンとかの話されたら……」
「嫉妬するって?もうしねぇって」
サンジはaaaの背中に回した腕の力を強めた。
「うん……約束、」
「ん」
二人は瞳を閉じて、唇を重ねた。


「ナミさんはレディとして好きだぜ」
「ふぅん」
「aaaちゃんはPRINCESSとして愛してる」
「私もPRINCE大好き!!」





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -