※キッド夢



「あ、のう……キッドさん…」
「……」
勢いよく振り向いたキッドに、aaaは怯える。
「なんか用か」
ギロリとした鋭い目つきをするキッド。
「え…っと………ない、です」
長い沈黙をして、それでも用がなかったことに、キッドは少なからず苛立った
「じゃあ話しかけんじゃねぇ」
「す、すみません」
aaaは申し訳なさそうに肩を窄めて、キッドの側を立ち去った。


の邪鬼


「あれは厳しいんじゃないか…、キッド」
隣でその様子を見ていたキラーが言う。
「るっせ」
キッドは子供のようにそっぽを向いた。
頬が少し赤く見えたのは、キラーの錯覚ではないだろう。
「……そんなことではaaaにあきられてしまうぞ」
「付き合ってもねぇのにあきられるだぁ?おれが捨てる、の間違いだろ」
短く溜息を吐いて、キッドは席を立った。
(…そんな気、毛頭ないくせにな)
キラーはキッドのあまのじゃくさに笑った。

何分か後、キラーを見つけたaaaはキッドがいないのを確かめてから側に近寄った。
「き…キラー…さん」
恐る恐る尋ねるaaaに、キラーは気にせずaaaを待つ。
「キッドさん……怒ってませんでしたか…?」
「全然だな」
「!」
aaaの表情が晴れやかになる。
「キッドはお前のことが嫌いなわけじゃない」
それだけ言って、キラーはaaaのもとから去った。
(……それって、もしかして…?)
一気に赤面したaaaを見るものは誰もいなかった。

aaaはキッドの自室のドアノブに手をかけると、ゆっくりとドアを開いた。
「…キッド、さん」
「ア?」
酒をがぶがぶと飲んでいるキッドの隣に座るaaa。
キッドは大したことなさそうに、aaaを横目で見ていた。
「さっきは、ごめんなさい………」
ぺこり、と頭を下げるaaa。
「あ?あー…あれか、気にしてねぇ」
キッドはまた酒を口に運ぶ。
「そ…そうですか…」
「…………」
長い沈黙。
「……飲め」
ずい、と飲みかけの酒をaaaの前に差し出すキッド。
(か、かか……間接キッス!?)
わたわたとしながら、aaaは手を振る。
「わ、私、お酒飲めないんです!」
本当は少しくらいなら飲めるが、さすがにキッドの飲みかけとなると話は別で。
「チッ…」
舌打ちをするキッド。
aaaは大袈裟に体を震わせた。
「ごめんなさい…」
「……」
キッドは無言で、目を閉じた。
「それに…、キッドさん、そのお酒好きでしょう?」
じ、とキッドの手の中にある酒ビンを眺めるaaa。
「…んなわけじゃねぇ」
「そうですか?……買い出しの時にいつもリストにあるから…」
苦笑いをしながら言うaaaの頭を、キッドが大きな手でがしりと掴むと、わしわしと撫でた。
(よく見てやがんな…)
「へっ、え?」
キッドらしくない行為に、aaaは慌てる。
「キャプテンの命令は……聞くもんだ」
キッドはがしりとaaaの小さな頭を掴むと、酒を口いっぱいにふくんでから、aaaの顔を引き寄せた。

キッドとaaaの唇が重なって――。

キッドの口移しで、aaaの喉に酒が流れ込んだ。
「……キッドさんっ!?」
「うめぇだろ」
ぺろ、とaaaの唇を舐めたキッドの舌に、aaaの体が一瞬だけ硬直した。
「……はい。おいしい、です」
顔を真っ赤にさせて俯くaaaを無理矢理膝に座らせると、伏し目がちの瞳を見つめた。
「……食前酒も終わりだ」
「…え?」
キッドはaaaの服に手をかけると、aaaは成す統べもなく、キッドに組み敷かれた。

「…世話の焼けるやつだ」
「キャプテンがあんなんだったなんてなぁ」
「おい!てめぇら、なんの話してやがる!!」
「うおっ!キャプテン!」
「我らが"キャプテンキッド"の話に決まっているだろう」
「てめぇ、キラー!」


〇Message
リクエストありがとうございます!!
こんなんですみません
コウさんのみフリーです


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