雨がざあざあと降っている。
うんざりするくらいに、長期間。
グランドラインの気候は気まぐれだというけれど、だったらそろそろ晴れてもいいと思う。


It will be sunny tomorrow.


丸い輪っかの煙が空を舞う。
タバコの煙が、キッチンの中に充満している。
「サンジ…たばこくさーい」
「すいません、PRINCESS。外で吸えないもんで」
タバコを灰皿に押し付け、揉み消したサンジはテーブルに突っ伏すaaaのもとへ歩み寄った。
「知ってるよー…、雨降ってるもんね、ずっと」
「一週間くらいは続いてるな」
ちらりとキッチンのドアの窓から外を覗く。
「外に出て遊びたい…」
「ナミさんによると、もう少しで雨は上がるって」
「……………サンジ!!」
急に声を荒らげたaaaに、サンジは少なからず驚いた。
「…どうしました?PRINCESS、おれ何か気に障るようなことしましたか?」
「…二人っきりのときは……だめ…」
「…あぁ……、ん」
二人っきりの時に他の女性の名を言うと拗ねるaaa。
遊び相手をとられた子供みたいに可愛くて、サンジはくす、と笑った。
「ごめん、aaaちゃん」
サンジがわしわしとaaaの頭を撫でると、aaaの顔が綻んだ。
(嬉しがってる……可愛い)
頭を撫でていた手をaaaの腰に回し、抱き寄せる。
抵抗をみせることもなく、aaaはすっぽりとサンジの胸におさまった。
「……サンジ、どしたの」
「抱きしめたかったから、抱きしめたんだけど」
サンジが頬を撫でると、aaaは擽ったそうに目を瞑った。
「好きだ、aaaちゃん…」
「ん…」
するするとエスカレートしていくサンジの手。
「暇つぶし……しよっか」
aaaの服に入ったサンジの手はaaaの肌の感触を確かめるように這う。
「っ…うん…」
擽ったそうにaaaは身をすぼめた。

「雨の日って憂鬱だよね…、んんっ」
くぐもった声。
突起を摘んだ指がそうさせていた。
「そうだな。……でも、おれは好きだ」
サンジの瞳がaaaの赤く火照った肢体から窓の外の景色へと移る。
「なんで…?」
「だって、ほら、こうやってaaaちゃんを独り占めできるからさ」
「あっ!!」
がっ、と力まかせというほどに強く中を穿ち、aaaは絶頂を迎えた。
「はぁ…っ」
余韻に浸るaaaの顔を眺めるサンジの目線はいつにもましていやらしい。
「aaaちゃん、クソエロい…好きだっ!」
がば、と抱き着いてくるサンジを面倒くさそうにあしらうaaa。
「サンジ…あつい…」
肌寒さと、発熱で、体がおかしくなりそう。
「でも……そのままだと風邪をひいてしまいますよ、PRINCESS」
「……サンジが看病してくれるならいい」
aaaがそう言うと、サンジは苦笑した。
床に放り投げたままだった服を集め、腕を通す。
ひんやりとした服が体を冷ましていった。

「ねぇ、サンジ。さっき言ったよね」
女部屋へ戻ろうとしたaaaがドアを開けたままサンジを見遣る。
「ん?」
「雨の日は私を独り占めできるって」
「うん」
キッチンで洗い物をする手を止め、サンジはaaaの方を見ている。
「It will be sunny tomorrow.」
まだ雨の降り続く空を見上げて、aaaは続けた。
「だから独り占めはできないね」
「……素直に一緒にいたいって言いなよ」
サンジは微笑んだ。
「王子様はエスコートするもんでしょ?」
「そうでした、PRINCESS」
サンジは手を洗ってから一礼し、aaaの手をとった。
「明日、一緒にいてくれませんか?」
「うん!」
笑ったaaaを抱きしめたサンジは、ゆっくりとaaaに唇を重ねた。



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