※現代パロディ



年のしあわせ


暖房をつけ、温かい部屋でおせちを食べる二人の影。
「しあわせ!」
「おれも!」
頬いっぱいにおせちの具を詰める。
「おいしー!」
今年のおせち担当はサンジだったお陰で、とてもおいしいおせちが出来上がっていた。
彩りも良く、味は最高。
「あれっ?そっち?」
苦笑いを浮かべるサンジ。
「へ?何が?」
答えながらもおせちの入った重箱を空にしていこうとする。
「いや……喜んでくれて何よりです!」
箸で黒豆を取ろうとして、しかし滑り踊る豆に苦戦するaaa。
サンジは黒豆をいとも簡単に掴み、aaaの口の前に持ってきた。
「はい、あーん」
「…あーん!」
少し戸惑いながらも、ぱくり、と食べた黒豆。
「黒豆もサイコー」
今度はだし巻きたまごを口に放り込むaaa。
「本当おいしいよ、サンジ。ありがとう」
満面の笑みを浮かべ、aaaはサンジに礼を言った。

おせちをたらふく食べた後、二人はソファでテレビを見ていた。
「そういえば、言ってなかったね」
思い出したように、サンジ。
「ん?何が?」
テレビに向いていた顔を、サンジに向けると、aaaは頬を両手で包まれた。
「あけましておめでとう、aaaちゃん。今年もよろしくね。これ、お年玉」
と言って降ってきた無数のキス。
額、頬、最後に唇。
「んっ、はぁ…んぅっ」
舌を搦め捕られ息が出来なくなる、幸せの時間。
このまま窒息死してもいいだなんて思ってしまう。
「はぁ…、ありがとう…サンジ」
にこ、と笑むとサンジも笑い返した。
「じゃあ、私もお年玉ー」
aaaはサンジの上唇に噛みつくようなキスをし、同時にサンジのシャツのボタンを一、二回していく。
「…ん、う」
aaaの後頭部をサンジの手が押さえ付け、サンジが満足のいくまで口内を堪能する。
「はぁっ…はぁっ…」
またしても息が切れる。
「……サービス」
開けたサンジのシャツの間から見える鎖骨に吸い付く。
「aaaちゃん…」
優しくサンジがaaaの頭を撫でた。
「……愛してるよ、サンジ」
鎖骨から唇を離したaaa。
鎖骨には赤い鬱血痕。
「おれもだ、aaaちゃん」
軽くキス。
「あ。言ってなかった。あけましておめでとう、サンジ」
サンジをぎゅうと抱きしめるaaa。
aaaの背中に回されたサンジの腕。
「今年もよろしく!愛する彼氏さん!」
サンジの胸に頬擦りするaaaの髪を優しく梳く。
「よろしく……aaaちゃん」

暖房が効いて温まった部屋。
「しあわせー」
「おれもー」
ソファに座り、床につかない足をぶらぶらと振るaaa。
「あったかー」
膝掛けとして毛布がかけられている、aaaとサンジの足。
その毛布を抱きしめるaaa。
「えっ?そっち?」
「へ?何が?」
毛布から手を離し、サンジを見遣る。
「……おれと一緒にいれて幸せなんだと思ってたから。おれの勘違い?」
サンジがaaaの頬に手を添えると、aaaはその手を触った。
「ううん。サンジと一緒にいる時はいっつも幸せだから……今は、それが普通、みたいな感じ…」
目を細めるaaa。
「だからね、離れないで、サンジ」
不幸になっちゃう、と言うaaa。
「不幸になんかさせねぇ。…離さねぇ。ずっと、一緒」
サンジはaaaを優しく抱きしめた。
「ありがとう…サンジ…」

「あっ、後で初詣行こうね!」
「ん、皆とも約束してるしな」
ルフィたちと一緒に初詣に行く約束。
「ロビンとナミの着物姿かー…可愛いんだろうなぁ」
想像すると、とても美人だった。
「あー…イイ…。じゃなくって、aaaちゃんも着てね、着物!」
「うん!」
aaaが笑うとサンジも笑った。




◯Message
あけましておめでとうございます


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