なんか自覚したら思うような言葉が出てこなくなって、しかも頭の中は真っ白で、どうしてくれるの、いつになったら告白できるの。


好きって言えない


「サンジくんってなんでいっつもあんななの!」
「なにが?」
深夜、そうルフィたちが寝ている夜遅くに、aaaは同性であるナミとロビンに愚痴っていた。
「女の子にヘラヘラして…、顔がいいからって!」
サンジがモテるという事実が気に食わないaaa。
「なにそれ嫉妬?」
「はぁ?そんなわけないじゃん!!あんなやつだいっきらいだもーん!」
ベッドの上で跳ねながら、aaaは怒っている。
「…どこが嫌いなのよ」
ナミが問う。
「…わかん…ない、」
「なにそれ!」
呆れるナミは馬鹿じゃないのと呟いた。
「aaaはコックさんが好きなんでしょう、だからコックさんがモテるのが嫌なんだわ」
ソファに腰掛け、足を組んで、読んでいた本をぱたんと閉じたロビンが言う。
「え、そ、んな…こと…」
固まるaaaをツンツンと突くナミ。
aaaはそれでも動かない。
「ないって言える?それとも、あなたがコックさんを嫌いな理由がほかにあるのかしら」
少しきつめの言い方。
ふ、と笑ったロビン。
「…う…うぅ」
ほかの理由が思いつかないaaaは唸るしか出来なかった。
「言えないんじゃない」
ふん、とナミはどこか誇らしげだ。
「だってぇ……うー…そう、なのかな」
「…きっと。さぁ、寝ましょうか」
本をテーブルの上に置いて、ロビンはベッドに移動した。
「はーい」
「はーい」
ナミとaaaは同時に返事をして、布団にもぐり込んだ。
しかし、自分がサンジを好きだということがわかり、なぜか胸がドキドキしていたaaaはまったく寝れなかった。
(う、そ…。私ってサンジくんのこと、好きなんだ…)
サンジの笑顔が頭から離れない。

キッチンで朝食をとるクルーたち。
「ふわぁー」
おおあくびをしたaaa。
「aaaちゃん、眠れなかったの?」
皿を運ぶサンジに尋ねられると、aaaは目を見開いた。
(うっ…あ……どうしよう、)
好きな人が心配している時は何を言えばいいのかわからず、困惑するaaa。
「?、aaaちゃん?」
「あ、えっと、なんでもないよ!ナミとロビンと一緒に夜遅くまで話してたのが悪かったのかなー」
はは、と笑ってみると、サンジはそうと言ってイスに座った。

「aaaちゃん」
「あ、なに…?」
近寄るサンジを目の前にしてaaaは後退りをする。
「なんで後退りするの、」
「いや、なんでもないよ…」
サンジの顔がちゃんと見れない。
恥ずかしい。
なぜかサンジが昨日よりもかっこよく見える。
「目も見てくれない」
「だって、それは…―」
サンジくんがかっこいいから、なんて言えるわけもなく、aaaはサンジの肩辺りを見る。
「で、何?用があるんでしょ」
「あぁ、今日のおやつは何がいいかと思って」
顔が熱くなっていくのがわかった。
(真っ赤な顔なんて、見せられない)
今日のおやつを考えてみたが頭にあるのはサンジのみ。
おやつのことなんて考えられない。
「……なんでもいいっ、それじゃあ」
曖昧な言葉を残し、aaaはサンジの横を通って女部屋へと行った。

「aaaちゃん…」
サンジが呟いてみるもaaaが戻って来ることもなく。
(今日のaaaちゃん、クソかわいいけど変だ…)
はぁ、と溜息を吐くサンジ。
「なにか、あったのかな」
タバコをポケットから取り出し、そのうちの一本を口にくわえる。
マッチでタバコに火をつけ、思いっきり吸うと、苦い味が口いっぱいに広がった。
(……嫌われたとか?)
しかし思い当たる節がない。
(顔真っ赤にして、風邪か何かか?でもそれだったらチョッパーのとこにいってるか。……じゃあ、なんだ?)
ふぅ、と息を吐くと、ぷわぷわと宙を舞った煙。
(……………あー…なんか、クソ嬉しいかも…)
サンジは空を見上げた。
やっとわかった、気がした。

お昼前あたりの時間帯に。
女部屋から出てきたaaaとサンジはばったり会った。
「あっ、と…」
「あー…aaaちゃん、服なんか着替えてどうしたの」
aaaはさっきとは格好が違っていた。
「ん、ナミがそろそろ島に着くからって……、に、似合わないかな」
「いや、そんなことねぇよ。PRINCESSにはなんでもお似合いさ」
似合いすぎてニヤける口元を隠すサンジ。
(この服が一番似合ってる、とか言ってやりてぇけど…なんか、言えねぇ)
aaaがぺろりと服をめくると、サンジの心臓は高鳴り、顔が赤くなった。
「ほんと?ナミが選んだやつだったから……ナミってすごいね。サンジくん?」
「いや、aaaちゃんのスタイルがいいからだろ」
はは、と笑って誤魔化すサンジ。
(んなこと言ってないで…、PRINCEだろ!エスコートしろ!!aaaちゃんがする前に告白を…)
しかし言い出せず悶々としているサンジ。
(だ…駄目だ…声が震える!!…はやくどっか行かないと、バレる…!)
一方aaaはサンジを目の前にして心臓がバクバクだった。
(口から心臓がでるってやつだ…!)
とりあえず服から手を離し、その場を離れようとした。
「さっサンジくん、それじゃあ」
「待って!!」
がし、と掴まれたaaaの手。
(よし…言え!)
サンジが言葉を発するその時、aaaの言葉で遮られた。
「サンジくんは、好きな人って、いるの?」
「は?あ、いや、いな……いやっ、いる!」
咄嗟のことすぎて、いない、と言いかけたサンジは慌てて修正した。
「……だれ?どんな人?」
aaaは俯いて床を見ている。
「おれの…目の前にいるPRINCESS…」
「…っ!?」
aaaは慌てて周りを見渡すが、自分以外は誰もいない。
「…aaaちゃんだよ」
「うそ…」
「嘘じゃねぇ」
サンジは驚くaaaを抱きしめると、視線を合わせた。
「おれと、付き合ってくださいませんか…PRINCESS?」
「……うんっ」
抱きしめ合ったのは言うまでもなく。

(あれ?やっぱり好きって言ってない)
(……ベタな告白をしちまったー!恥ずかしい…!!いや、これがPRINCEってもんか…?)



〇Message
春佳さんに相互記念!
あれ?おかしいな、リクエストされたものとはまったく違うものに……
すいません、ほんと

※春佳さん以外お持ち帰り厳禁


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