「あ…サンジくん、どっか行った?」
「行ったけど…」
「よかった…。ナミちゃん、これ渡してくれない?相手は……」
「サンジくんでしょ?知ってるわよ!こんなことしないで、ちゃんと話したら?」
「だ……だって……………恥ずかしいんだもん!!」


シュガーandシャイガール


ナミの手には可愛い花柄の封筒。
aaaの書いた、サンジへのラブレターだ。
「まったく……こんな手紙書くくらいなら、ちゃんと話し合えばいいのに!あ、サンジくーん!」
ロビンにおやつを渡し終わったサンジが、ナミに紳士的におやつを持ってきた。
「ナミさん!どうかされました?あ、三時のおやつです!」
サンジの差し出すおやつの皿を手に取り、カラになったサンジの手に、ラブレターをのせた。
「えっ!ナミさんからのラブレター!?……でもすみませんが…っ、このラブレターのご期待にはそえません…!!」
涙を堪えるサンジに呆れた表情を作るナミは、一度溜息を吐いて、口を開いた。
「違うわよ!aaaからよ、aaaから!あの子もあんたも、よくやるわよね」
ナミはそう言って、サンジを厄介払いするように手を振った。
「はは…、aaaちゃんのラブレター可愛いから、いいんです」
「…………何書いてあるの?」
「気になります?」
サンジはぴりぴりと丁寧に封筒を開くと、手紙を出した。
「んーと………"好きだよ。夜会おうね"?これだけ?」
あれだけ恥ずかしがっておいてこれだけの内容だったことに拍子抜けするナミ。
「恥ずかしがり屋だから」
サンジは得意そうな笑みを浮かべる。
「……みんなには早く寝るように言っておくわ」
なんか理由つけて、と言うナミに、サンジは断りを入れた。
「いやいや!いいです、そんなナミさんのお手を煩わせるようなことは!第一、おれたちいっつも夜に会ってますから、慣れっこです」
(何に"慣れっこ"よ…)
ナミはまた溜息を吐いた。

夜遅く。
きっともう子供たちは眠りについている時間。
aaaはこっそり女部屋から抜け出し、明日の仕込みをするサンジのもとへ向かった。
こっそりといっても、ナミとロビンにはバレバレだった。
(……サンジくーん)
心の中でサンジを呼びながら、ドアを開けた。
「あ、aaaちゃん。紅茶、いれるね?あ、でも眠れなくなると駄目だから、ホットミルクにしようか?」
「うん……、サンジくんがいれてくれるのならなんでもいいよ」
にこ、と笑いながら答えるaaaはイスに腰を掛ける。
(え…っ、"サンジくんがいれてくれるミルク"…?それってまさか…夜の営みのサイン!?いや……まさかな…でも、ここで気づいてやれないなんて男の恥!)
うんうん、と唸った後、サンジは声を張り上げそうになったが寸前で声のトーンを落として、ゆっくりと喋った。
「aaaちゃん……おれ、すぐ仕込み終わらせるから、待ってて!」
「…なんで?ゆっくりやればいいよ」
(…違ったか!!)
にこにこしながら笑うaaaに、サンジは少し冷や汗を垂らした。
「なんでもないよ。はい、どうぞ」
サンジは微笑みながらaaaの前にホットミルクを差し出した。
「サンジくん!あれも!」
「…aaaちゃん、紅茶じゃないんだしさ……」
「やだっ、砂糖ほしい!」
aaaは大の甘党で、どんなものにでも砂糖を入れたりかけたりする。
ホットミルクも例外はなく。
サンジは溜息を吐き、首を横に振った。
「駄目…、だってaaaちゃん」
曇った表情で、サンジは小さな声を発した。

「致死量並の砂糖入れるでしょ、紅茶にいっつも!」

だん、とテーブルを叩くサンジと。
「な!角砂糖13個は妥当でしょ!」
それに反論するように声を荒らげるaaa。
「んな砂糖いれっと本当に体に支障が出てくるからやめてくれよ……」
サンジは眉を顰め、そっぽを向いた。
とても心配そうな表情をするサンジに、aaaはごめんなさいと呟いた。
「……サンジくん、そんな顔してないで…」
「aaaちゃん…」
サンジはaaaの腕を引いて、胸におさめた。
「おれもヘルシーで甘いおやつ作るの頑張るから……紅茶も…」
aaaの首元に顔を埋めるサンジ。
そんなサンジの背中にaaaは手を回すと、ぎゅうと抱きしめた。
「うん…」
「それに」
aaaの顎を、サンジが掴むと、目を合わせるように上を向かせた。
「…サンジくん?」
かぁ、と顔が赤くなっていくaaa。
サンジは、に、と笑ってaaaと唇を重ねた。
サンジの舌が侵入し、中一帯を支配する。
「…んんっ」
脳みそに甘い刺激が走る。
aaaがサンジの胸の辺りをとんとんと叩くと、サンジは名残惜しそうにaaaの唇を舐めてから、唇を離した。
「はぁ…」
「砂糖より甘いもんやるから、ね?」
にっこりと笑ったサンジに、aaaは顔を真っ赤に染めて、サンジの胸に顔を埋めた。
「もう…っ、サンジくんたら…、こういうことみんなの前でするから恥ずかしいんだからね…っ!!」
「知ってるって!そんな恥ずかしがり屋なaaaちゃんも大好きだぁあ!」
目をハートにしたサンジがaaaを押し倒したのは、言うまでもなく。

この夜の出来事は、月のみぞ知る。



〇Message
相互記念、ありがとうございます
これからもよろしくお願いします!
音無さんのみフリー


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