なんだか最近、サンジ君の態度が余所余所しい
いつもなら、ハートを飛ばしながらデザートを持って来てくれる時間帯なのにそれもない

街に上陸したら必ず2人で出掛けていたのに、今日はお誘いすらなく、1人でさっさと降りて行ってしまった

…なんなの

別に喧嘩した訳じゃないし、サンジ君を怒らせるような事を言った覚えだって…
あった

そう言えば昨日、サンジ君の眉毛を馬鹿にした
でも、そんなの今に始まった事じゃないし…

いや、昨日はきつく言い過ぎたかもしれない
思い返してみれば、
サンジ君の眉毛、何でそんなにぐるぐるなの?変なのー
なんか、蝸牛みたい
そんな失礼な事、言ってたかも

でもサンジ君はそれくらいじゃ怒らない
あ、でもゾロに眉毛の事言われたらかなり怒ってたよね…

どうしよう!
そりゃサンジ君も怒るよね、眉毛を馬鹿にされた上に蝸牛とまで言われちゃったら…



「aaaちゃん」

「サ、サンジ君!」

「あのさ、ちょっといいかな?」

「い、いやだ!別れたくない!」

「え?」

「確かに、昨日は言い過ぎちゃった!ごめんなさい!だから、別れるなんて言わないで!」

「おれが言いてェ事はそんなんじゃねェんだけどな」

「え?あたしがサンジ君の眉毛馬鹿にしたから怒ってるんじゃないの?」

「それはいつもの事だろう?」

「それはそうなんだけど…」



じゃあ何なんだろう
他に思い当たる節なんてないんだけど…

やけにサンジ君、ソワソワしてるし、別れ話以外に思いつかないよ



「これ、aaaちゃんに」

「バ、バラァ?!」



サンジ君が後ろから出したのは真っ赤なバラの花束だった
でもどうしていきなりバラの花束なんて…
今日はなにかの記念日?
あたしの誕生日にしては早すぎるし…



「aaaちゃん、この前言ってただろ?プロポーズされるなら、自分の歳の数のバラをもらいたい≠チて」

「それは、プロポーズされるときの話しで、お祝いとしてじゃなくて…」

「お祝いの為じゃねェよ、aaaちゃんに結婚を申し込んでんだ」

「え…」

「おれと、結婚して下さい。プリンセス」



嬉しさのあまりに言葉が出ないとは、この事なんだろう
言葉が出ない代わりに、涙が溢れる


プロポーズされるなんて思いもしなかった
あたしは別れ話されるだなんて、どれだけつまらない事を考えていたんだろう



「返事を聞かせて頂けますか?」

「…喜んで!」



そう言ってあたしはサンジ君の胸の中へ飛び込んだ
その拍子に、19本のバラの花束が宙に舞った


(aaaちゃん、バラの花言葉って知ってる?)

(なに?)

(わたしはあなたを愛する≠ウ)

(し、しらない!)





19本の花束を君に
でも僕の愛は19本じゃたりない



◎春佳さんより相互記念でした




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