この船のコックさんと、出逢って半年。
同じ期間、片思いしてた。

普段、女性クルーのふたりにべったりメロメロな彼のことだから、この恋は叶わないって思っていた、けど。





「――好きだ。」

「―――ずっと、好きだった。」

2週間ほど前のこと、ふたりきりのキッチンで告白された。

『――私も、好き…』







でもそれから、ふたりだけの時間はなかった。
おしゃべりはいっぱいするけど、その空間には絶対だれかいる。主に、食べ物を求めるルフィとか。
……まあ、10人が同じ船に乗ってる以上仕方のないことなのかもしれないけれど。
前よりも格段に関わる時間が増えたのは事実だしうれしいこと。
でももっと、って欲張っちゃうのは、恋してるから………だよね?




「島が見えたぞぉ〜!!」

私たち麦わらの一味は、久しぶりに島に着いた。
今回の留守番はサンジくんひとり。



よし。


『ねぇサンジくん。』
「ん?なんだいaaaちゃん。今日は出掛けないの?」

お昼ご飯を食べて1、2時間後、太陽が西に傾きだした頃。時刻的には、おやつの時間。
みんなは島に降りていて、この船には私とサンジくんだけ。

『うん、今日は船でゆっくりしたくて……で、何か甘いものが食べたいの。』

こうやって頼めば、サンジくんは快く引き受けてくれるはず。サンジくんがおやつを私のためだけに作ってくれる機会なんて滅多にない。いつもみんなの分も作ってるから……みんなが島に出掛けてる今がチャンス。作戦決行だ。

「じゃあ、愛しのプリンセスのために何か作りましょうか!何かリクエストはあるかい?」
『作るものは、何でもいいよ。でもひとつお願い。』

サンジくんがおやつを作っている間は、私はひとり。せっかくふたりきりなのにそんなの寂しい。
だから、

『私にも手伝わせて?』

―――ね?







「………ダメだ…」

『………………え?』

サンジくんは私の言葉を聞いて、目元を手で覆った。悩んでいるみたい……
それに、一緒におやつを作るのを反対されてしまった。
彼のことだからきっと、レディの手を煩わせるわけにはいかない!とかそういう理由なのかな………
………あ、別に自惚れてなんかいないよ!?


『……何で、ダメなの?』
「…………………る」

え?今なんて言ったのかな……よく聞き取れなかった。
それが伝わったみたいで、サンジくんは目を覆っていた手を除けて、真っ赤な顔で言った。











「可愛すぎる、って言ったのさ。」












そんなサンジくんが今までで1番かっこよく見えて。
もうふたりで作るおやつなんてどうでもよくなっていた。

照れた顔を隠すために俯いていると、両の頬に大きな手を感じた。
その手によって、サンジくんとばっちり目が合う。


『もう、甘いものはいらないや………』
「おれも、作る気になれないよ………目の前にこんなに甘いものがあるのに。」






ふたりの時間






降り続く、甘いキスの雨。







* * * * *
はい、きすく様への相互記念夢です。
やっと書けましたー…
が。
すいません駄文で!はい!
ちゃんと甘くなったかも不安です……

こんなのでよければ、フリリクも受け付けますよ←イラナイ



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