「aaa、遊園地に行こう」
「え、急に何?」
遊園地
突然、切り出してきたヒソカはaaaに遊園地のチケットを二枚見せた。
「ヒソカの手元になんで普通の人が持つようなものがあるの?ヒソカのトレードマークはチケットじゃなくてトランプでしょ」
「たしかにボクのトレードマークはトランプかもしれないけど、たまにはチケットくらい持たせてくれよ◆」
aaaはヒソカからチケットを受け取る。
「なんで…遊園地?」
「シャルナークからもらったんだ。仕事でもらったらしいけど、それ、カップル限定のペアチケットらしいから。気前がいいよね」
「ふーん」
「さ、行こう!」
「今!?」
aaaはヒソカになかば引きずられながら家を出た。
着いた遊園地は休日だからか、大繁盛だった。どこを見渡しても人がいる。aaaが人の多さに溜息を吐いていると、周りの人の視線がこちらに向いていることに気付いた。それもそのはず、aaaの隣にはあのヒソカがいる。とは言っても、ピエロの格好をしているわけではなく、髪はワックスか何かでかき上げられ固められた状態ではあるものの、Tシャツにジャケット、ジーパンというカジュアルな服装だ。メイクも狙ってきたかのように薄化粧。
こんなにスタイルも顔も良いとモデルか何かだと思われそうだ。
「さ、aaa、行こう」
「ん」
ゲートでチケット確認を終え、二人は遊園地内の案内を見た。どれに乗ろう。
「ボク、これがイイ◆」
「コーヒーカップに乗る気はない。私、これがいい。ジェットコースター。行こ」
「あっ」
コーヒーカップに乗りたいヒソカを一蹴して、aaaはヒソカの手を掴み、ジェットコースターがある場所に急いだ。行列だが、気にせず並ぶ。
「次、どこに行く?決めとこうよ」
「コーヒーカップは?」
「却下。楽しくないし」
「楽しいけどなぁ…。じゃあ、メリーゴーラン」
「それも却下」
「……」
最終的にはaaaが決めてしまった。ヒソカは肩を竦めて「コーヒーカップ」だの「メリーゴーランド」だの呟いていた。しかし、そんなことは気にしない。遊園地に来たからには、楽しまないと。ジェットコースターの順番が来ると、二人は乗って、安全ベルトを締めた。
「aaa、怖くない?怖いなら、手、握ってあげようか?」
「…大丈夫」
aaaは楽しみなのか怖いのかわからないが、緊張していた。ヒソカもそれを感じ取り、気付かれないように、心の中で笑った。
「はーっ、楽しかった!次、水かかっちゃうらしいジェットコースターね!」
「また絶叫系?」
「駄目なの?」
「しょうがないなぁ」
乗り終わり、いつの間にか撮られた写真をちゃっかり買って、休憩。
「楽しそうでよかった◆」
ヒソカがaaaに微笑みかけた。突然の笑顔に、aaaの顔が赤く染まる。
「リンゴちゃんになっちゃった◆ カワイイ」
「もう…そんなこと言わないで…!!」
ヒソカの素直な言葉が恥ずかしい。イケメンにそんなこと言われたら、照れる。
「シャルナークにお礼言わないとね◆」
「…うん」
ヒソカはaaaの手を握った。ヒソカの先導によって、aaaはメリーゴーランドとコーヒーカップ、ついでに観覧車に乗ってしまった。観覧車内では貞操の危機だった。
〇Message
144444hitキリリクありがとうございます
だいぶ待たせてしまってすみませんでした
遊園地というリクエストでしたが、初めてのネタだったので楽しかったです
これからもサイトをよろしくお願いします