旧短編 | ナノ


※ハートフルにkissする5秒前の続編(短編としても読めます)



急がなくたっていい。


優しくkissして!


サンジと目を合わせることや、体を触られることに顔が赤くなってしまうのは相変わらずで、それどころか恋人らしいことをしようとすると胸の高鳴りのせいでうまく喋れなかったり、意識が遠退きかけたりと前より症状が酷くなっている。
「……それは……だいぶ重症ね」
「うん…」
ベッドに腰掛けたナミと、ナミの向かいのベッドに正座するaaa。
ロビンはソファに座り、本を読んでいる。
(aaaの好き度が、ね…)
ナミはそう感じつつ、うーんと考え込んだ。
「どうしよう……サンジくん不審がってるよ、絶対…」
「大丈夫よ……多分」
「多分って!なにそれー…」
ベッドに崩れ落ち、シーツに沈むaaa。
うわああ、と泣き始めるaaaの頭を撫でるナミ。
「うぅ…やだぁ……」
「そんなこと気にする人じゃないと思うけど?」
ロビンが本を閉じ、aaaを見遣る。
「ロビン聞いてたの!?本読みながらって、聖徳太子みたい!」
「それって褒め言葉よね…?」
ナミの言葉にaaaが頷く。
「うー……すっごく恥ずかしいんだよう……サンジくんと喋るの」
恋人って思うだけでも顔が熱くなる、とaaaは頬に手を当てる。
(前からあんな感じな気がするけど…)
結局、解決策は見つからず女部屋を後にした。

aaaが船から海を眺めていると、後ろから足音が聞こえた。
後ろを振り向くと、目の前には、aaaの恋人の顔があった。
「ひゃああ!!サンジく…っ!?」
驚いたaaaはうっかり足を滑らせ、船から落ちそうになり、船から身を乗り出したaaaの手を、サンジが掴んだ。
「おっと。大丈夫?」
引き寄せ、抱きしめるサンジにaaaは顔を赤くしている場合ではなかった。
「えっと…、だい、じょ、ぶ です!!」
わたわたと手を振りながら、身の安全を示す。
「そっか、よかった」
ふう、と安堵の溜息を吐いて、サンジはaaaの頭を撫でた。
「今日のおやつ―……」
サンジが喋り出す。
aaaがサンジを見上げると同時に風が吹いてサンジの金髪が揺らいだ。
太陽で、金色が光って眩しい。
(サンジくん…きれい…)
さらさらと空を流れる金の糸を触ろうとaaaは手を伸ばした。
「……aaaちゃん?」
「えっ?あー……ごめん…なさい」
名前を呼ばれて、aaaは手を引っ込めた。
「…うん?」
「サンジくんの髪…きれいだったから…」
「あぁ…、aaaちゃんの髪の方がきれいだよ。とっても」
にこ、と笑ってサンジはaaaの髪を梳いた。
「へっ、そそそんな…っ」
わたわたと手を振るaaaに、サンジは微笑む。
(う…うまく喋れないよー!!)
aaaは緊張で気絶しそうだった。
「……aaaちゃん」
サンジはaaaの頬を両手で包み、耳元へ唇を寄せると、「ほんと、きれい」と囁いた。
「ッ!」
甘い響きにaaaは体を跳ねさせ、ぎゅうと目を瞑った。

(やべぇ、胸が……クソどきどきしてやがる、うぜぇ…。aaaちゃん可愛すぎだ…)
サンジ自身、高鳴る鼓動を抑えられず、どうしたらいいのか焦っていた。
顔を真っ赤にしながら震えるaaa。
aaaの唇が少し開いていて、まさにキスしてくださいと言っているようなものだ。
「……aaa…ちゃん」
「…ん?」
サンジの声に、やっと目を開いたaaa。

「…抱きたい」

「!?」
今度は目を見開き、固まってしまった。
「え…と…………」
「あれから……告白してから一ヶ月だよ?そろそろ…、いいんじゃねぇかな」
サンジの手が、指が、aaaの唇をなぞった。
(……プレイボーイって思われてねぇよな…)
内心、いろんな意味でドキドキしているサンジだった。
「で…でも…」
顔が熱い、きっと真っ赤だ。
「無理にとは言わないけど…、おれがaaaちゃんを好きなのは本気だし、aaaちゃんだっておれのこと好きなんだよな?あ、脅してるわけじゃねぇんだ、悪ィ」
サンジはaaaよろしく手を左右に振る。
「わ、私…サンジくんのこと好き…だから…いいよ…」
「うそ…マジで?」
俯いて真っ赤な顔をもう見せずに、サンジの裾を少し引っ張りながら、こくりと頷いた。
「あ、でも…えっちなのあんまり…苦手なの…」
なに言ってるんだ私、とぶつぶつ呟くaaa。
「あぁ、うん……わかった。まかせて」
サンジは笑うと、aaaを抱きしめた。
「でも……そんなに急く必要もないな、何やってんだろ、おれ。ガキみてぇ」
はは、と笑うサンジに、aaaもつられて笑った。
サンジはしゅる、とaaaの右手と恋人繋ぎをする。
「ゆっくりゆっくりやってこうな…」
「うん…」
aaaの頬に優しく口づけた。



〇おまけ
「え…えっちが嫌いってわけじゃなくて…その、あの…」
「…へ?」
(……変態発言に聞こえた!?)
「それって…」
「違うの!私は、サンジくんと…その…」
「抱いてもいいってことだろ…?わかってる」
「う、うん…」
(で……今からセックスしてもいいのか?)
(ひーっ!私ほんと何言ってるんだろ…)


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