旧短編 | ナノ


※学パロ


好き、好き、君が好き。クソ愛してる。

クソ愛してる!

日差しの強い夏の屋上にて、私は目を閉じ仰向けになっていた。

誰もいないそこは、校外の道の車のエンジン音と走行音とセミの鳴き声だけが聞こえる。
「寝ちゃいそ……」
ゆっくりと睡魔の導くままに、意識を手放しかけると、屋上の扉が勢いよく開き、その音に驚いて眠気はどこかに行ってしまった。
「aaaちゃん!」
「ひゃっ!」
名前を呼ばれて変な声が出た。
「どこに行ったのかと……心配したよ…」
そう言うのは金髪でイケてるメンズ、イケメンでありレディに優しい王子の様な人、サンジ。
汗まみれの腕が私の背中に回った。
「し、心配……?」
はた、と金髪王子の言葉に固まった。

――なんでサンジ君が私の心配?

「なんで……サンジ君、なんで私の為なんかに……」
こんなに汗かいて、息切らして、私を抱きしめる。
額の汗を拭ってやりながら、微笑んだ。
「あぁっ、好きだ……aaaちゃん……好き……」
譫言のように「好き」と呟くサンジに、顔が、頬が赤く色づく。
「あ、う……サンジ、く?」
「顔、真っ赤」
にこ、と音がするくらい笑って、サンジは私の頬にちゅうとキスをした。
「!?、どどどどうしたの!?」
「夏の暑さで、おかしくなっちゃったみたい……」
そっと両手でaaaの頬を包んだ。
「…aaaちゃん、好き」
「う、嘘じゃ…ない…?」
aaaはサンジの後頭部に両手を当て、引き寄せた。
「嘘じゃないよ、大好き……」
互いに引き寄せあい、そして二人はキスをした。
「ん、サンジ、くん…好き」
「おれも、クソ愛してるよ」
ぎゅう、とサンジはaaaを抱きしめた。
「………ほんとに私でいいの」
サンジの顔を見上げる。
サンジはとても格好良く、素敵で、まるで王子様みたいな人なのに、私は普通の人で。
だから、不安。
「aaaちゃんがいいの!!好きな子とは一緒にいたいからね」
ちゅ、と頬にキスをした。
瞬間、aaaの顔は明るくなった。
「!!……好きー!!」
がばーっ、とaaaはサンジに抱き着いた。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -