旧短編 | ナノ


※aaa:中忍



い人い人


「ゲンマさん、また、任務ですか?」
「悪ィな」
「いえ…いいんです」
そんな淡い会話をして、ゲンマを見送ると、aaaは火影のところへ向かった。

「火影様…、何か、任務ありませんでしょうか?」
もやもやした気持ちを晴らすには、一番任務がいい。
何も考えなくていいから。
「またうまくいってないのか?」
綱手も、それを承知である。
「うまくいってないというか…」
「そんな気持ちをしたまま任務をすると、いつか失敗するぞ」
「大丈夫です…」
綱手はaaaに任務用紙を渡すと、睨みつけるようにaaaを見つめた。
「気をつけろ、わかったな!」
「…はい」
aaaはそそくさと部屋を、そして里を後にした。

任務用紙には、Bの文字。
(忍との交戦可能性有り、か)
戦うことが嫌いなわけではない。
しかし、aaaは自分の力に自信が持てなかった。
「はぁー…」
溜息を吐いたaaaは気付いていなかった。
背後に尾けている無数の忍たちに――。

aaaは任務をし終え、依頼人と談笑していた。
「それでは…、失礼します」
にっこりと笑って家を出た。
数十歩、歩いたところで忍に囲まれた。
「誰…、何のつもり?」
「ちっと邪魔なんでな、気ィ失っといてもらうぜ」
「ヤです」
aaaはクナイと手裏剣を取り出し、身構えた。
「へっ、威勢の良いガキだぜ」
向かいの忍もクナイを取り出す。
「よく喋る人ですね……」
構えていた手裏剣を投げ、クナイを掲げてaaaは飛び上がった。

数十分も経たずに戦いは終わった。
しかし、aaaは手負いだった。
腕と腹を切っている。
「ふぅ、う…」
息も切れている。
aaaは両手で体を抱きしめ、木にもたれ掛かった。
(少し、休憩…)
aaaは意識が遠くなるのを感じた――。

目覚めたaaaが目にしたものは、見慣れた天井。
「ん…?」
「よぉ」
ベッドの側にいたゲンマが、横たわるaaaを覗き込む。
「ゲンマ、さん…。私、なんで、ここ…」
ゲンマとaaaが住んでいる部屋のベッドに、aaaは寝ていた。
「ん、あぁ……、拾った。aaaを」
「ひっ、ひろっ!?」
「任務から帰ってる時に…倒れてたんだよ、aaa」
ゲンマはしれっとした顔で話す。
aaaはぽかんと口を開けたまま。
「あ、う…」
情けない姿を曝してしまった、とaaaは俯く。
「俺の体だ、勝手に傷つけんな…」
す、と包帯の巻かれたaaaの腕を撫でるゲンマ。
「ごめん…なさい…」
「心配しただろ…」
ゲンマはベッドに腰掛け、aaaを抱きしめる。
「…aaaを一人にさせらんねぇ」
「ゲンマさ…」
ゲンマの胸から顔色を窺うと、ほのかに赤い頬。
「心配性なんだ…」
「……、ゲンマさんっ」
今度はaaaから抱きしめると、ゲンマは強く抱きしめてくれた。
「aaa、愛してる。今度は一緒に行こう」
ゆっくりと這わすゲンマの唇の感触を、いじらしく感じた。

「守ってやる…」
キスの合間に聞こえた台詞が、aaaの耳にいつまでも残った。




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