旧短編 | ナノ


※現代パロディ
サンジ:社長
aaa:大学3年生くらい




お隣りさんは金髪の王子様で、今日めでたく社長に御就任なさりました。


社長さん


「若社長ぉっ!?」
aaaは声を張り上げた。
それもそのはず、向かいにいるお兄さん的存在の人が父親の会社を継いだという。
社長になった、と。
「す、ご……」
aaaとは七歳も離れた人であり、大きな会社を継ぐこともなんとなくは聞いてはいたが、こんなにも、早く――。
「ありがと」
よしよしと撫でてくれるサンジ。
笑顔が眩しい
「本当…すごいよ…」
「ねぇ…」
「ん?」
サンジに頬を触られ、サンジを見つめると、ずい、と顔を近づけられた。
「な、何…サンジ…?」
aaaは顔を赤らめる。
「ちゃんと聞いて…」
「うん…」
ごく、と唾液を飲むと、サンジの瞳の中の己を見た。

「好き」

そうして、aaaはサンジに抱きしめられた。
「……ふぇええッ!?」
驚くaaaに優しく笑いかけるサンジ。
「えっ、ウソ…えぇっ!?」
うろたえるaaaはわたわたと両手を振る。
「aaaちゃんは……?、aaaちゃんはどうなの?」
「うぅーっ、そんな…!」
催促され、aaaの頭の中はごちゃごちゃになる。
「おれは、好き」
抱きしめているサンジが上から二回目の告白する。
「わた、私……私は、す、」
「…す?」
「す、す、すき!、やき!」
aaaは己でも何を言っているかわかっていない。
「…やき、いらないよ。それとも、すきやき食べたいの?」
「ちっ…ちが…っ!」
速くなる鼓動を抑えられず、口が回らない。
「aaaちゃん……落ち着いて」
aaaはサンジの胸に顔を埋め、気持ちが落ち着くまで待った。
サンジはその間、ずっと背中を摩ってくれていた。
「ふぅ…」
「落ち着いた?」
「ん…」
今度はちゃんとサンジを見つめ、aaaは口を開いた。

「ずっと前から…好き、でしたっ!」
反射的に目を瞑った。

「…うん。おれもだよ」
サンジはまた、aaaを優しく抱きしめた。
「おれと、結婚を前提に付き合ってくれませんか?」
サンジはaaaの左手に右手を重ね、彼女の左手薬指にキスをした。
「えぇええ!?、けっこ…!?、えぇーっ!!?」
aaaはまた叫んだ。

それから三年と半年。
結婚前提のお付き合いはまだ続いていた。
「サン…っ、社長、仕事して下さいー…」
「サンジでいいよ」
aaaは己の力でサンジ社長の秘書にまで上り詰めた。
「よく頑張ったね、ご褒美」
ちゅ、ちゅ、と何度もaaaにキスをするサンジ。
「だっ、駄目!仕事中ーっ!」
パチィン、とサンジの両頬を叩いた。
「いひゃいよ…aaaちゃん」
みるみるうちに赤くなる頬を摩るサンジ。
「仕事しないサンジが悪いんだもん…っ」
「aaaちゃんのスーツ姿たまんねぇんだもん!」
ぎゅう、とaaaを抱きしめるサンジの手は彼女の腰に回されていた。
「もー…、パンツスーツにすればよかったかなぁ」
はぁ、と溜息を吐くaaa。
「パンツスーツ!、そんなaaaちゃんもイイー!」
「もー…」
aaaは何度目かの溜息を吐いた。

それから三十分後。
やっと仕事に取り掛かるサンジ。
「aaaちゃん。仕事が安定したら、結婚しようか」
「……へ?」
サンジの急な提案に、aaaは素っ頓狂な声を上げる。
「サンジ、今…」
「正式なプロポーズはまた今度、いいね?」
aaaに構わず話を進めるサンジ。
「aaaちゃん、大好き。愛してる」
笑ったサンジは、少年みたいに可愛く、それでいて大人の雰囲気を醸し出していた。
「私も、大好き!」
「知ってる。仕事、しようか」


その数ヶ月後、正式にプロポーズをされてaaaが驚くのはまた別のお話でございます。



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -