旧短編 | ナノ


※現代パロディ(学パロ)




「好き、なんだけど……付き合ってくれないかな…」
「…え!?」
眼鏡を掛けた、素朴な子だった。
けれどおれが惚れたのは、眼鏡の下の魅力――。


ってやりたい人


「aaaちゃん、帰ろっか」
疎らな生徒がいる教室に入り、かばんに教科書を詰めるaaaに話し掛ける。
「ふわっ!!」
驚いたのか、aaaの体が跳ねた。
サンジは笑いながら、aaaの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「い…行こっか」
かばんを持って、教室を出る。

校門を通り過ぎ、帰り道。
さりげなく、さりげなくaaaの持つかばんを持ってやる。
「……っ」
何かを言おうとして戸惑うaaa。
おろおろしている。
「aaaちゃん?」
顔を覗き込むと、真っ赤になるaaa。
ば、と視線を反らしてから、何かを呟いた。
「…何?」
「…かばん、重くない……?」
ちらり、とサンジの持つ己のかばんを見遣るaaa。
サンジは微笑んで「全然」と言った。
「ねぇ、サンジ君……あのね、」
aaaは俯いて、サンジの足を見ながら言葉を選んでいく。
サンジはaaaの頬に手を添え、親指でaaaの唇をなぞる。
「…ん?」
aaaはサンジを恐る恐る見た。
「手、繋いでも、いい?」
「……うん」
赤いaaaの顔にキスを落とし、かばんを肩にかけ、aaaとサンジは手を繋いだ。
「ねぇ、aaaちゃん…家に来ない?」
「え…」
aaaは戸惑いを隠せず、立ち止まる。
「あ、泊まっていけってわけじゃなくて、寄る、って意味で!」
ばたばたと両手を振って、否定する。
「あ…ん、じゃあ、行く…。行きたい…」
小さく呟いたその声を聞き取り、サンジとaaaはまた歩き出した。
いつもとは違う道のりを歩いて、サンジは家に行った。

「きれい…」
家に上がって、リビングに通す。
かばんをソファに置いて、キッチンに向かう。
紅茶を入れて、aaaの座るソファの前のテーブルに置いた。
「どうぞ」
「あ、りがと…」
両手で包むようにカップを握り、熱々の紅茶に口をつける。
熱かったのかすぐに唇を離し、ふぅふぅと息をかけ始めた。
「ごめん、熱かった?」
aaaの頬を撫でてやるサンジ。
aaaは一口だけ紅茶を飲んで、テーブルにそれを置いた。
そして、サンジの胸に体を預ける。
「サンジ、君…。ねぇ、私…私でよかったのかな…」
お決まりのセリフ。
最近、言うことが多い。
「……aaaちゃんが良いんだけど」
aaaの掛けている眼鏡を外し、唇を重ね合わせる。
「はぁっ、ん…」
吐息が漏れる。
サンジがaaaの背中に手を回し抱きしめると、aaaの体がビクついた。
(…?)
サンジはaaaの背中を何度も摩った後、aaaの制服に手をかけた。
「あっ、…やだ!」
「尚更…、駄目」
いつもなら、aaaが嫌がる時は止めるのだが、今日は引き下がらない。
aaaは必要以上に嫌がり、抵抗する。
「aaaちゃん、隠し事はナシだよ」
付き合った頃からのルール。
「…やだっ…サンジく…!」
aaaの抵抗虚しく、上を全て脱がされ、下着だけになる。
サンジはaaaの両手を掴み、ソファに俯せになるように押し倒した。
丸見えの背中にあったモノ――。

真っ青な背中。
多数の打撲痕が重なり、一つの大きな痣として背中に刻まれている。
「aaa、ちゃん…」
サンジは目を見開き、驚愕する。

「あ、ヤ…見ないで…!」
慌てて、サンジが驚いて離した両手で背中を隠す。
「………クソ!!」
サンジはガン、とソファを殴った。
びく、とaaaは震えた。
「aaaちゃん……おれの、せいだよな」
サンジには親衛隊というものがいるらしく、サンジか大好きな生徒達が入っている。
そんな彼女達が、aaaの存在を許す筈が、ない。
「……ごめんな、痛かっただろ?」
aaaをソファから、サンジの膝へと移す。
「サンジ君のせいじゃないっ!違う!違うよ!」
aaaはサンジの胸に手をあて、サンジの泣きそうな顔を見て叫ぶ。
(おれのせいなのに……、)
サンジを傷つけまいとするaaaが、サンジには痛々しく映った。
(こんなに強くて、弱いaaaを…守れねぇなんて…!)
サンジはaaaの腰辺りに腕を絡め、抱き締めた。
「クソ愛してる…もう、強がらねぇでくれ……おれが、守るから…」
サンジの大きな背中に手を回し、aaaはサンジの言葉に涙を流した。
「サンジく……サンジ君……!」

授業が終わったらすぐにaaaのもとへと足を運ぶサンジ。
もうaaaを傷つけさせないと、目を離さないようにした。
ちゃんと、守れるように、と。



○おまけ
「aaaちゃん!」
「…サンジ君、次、体育だから…」
「じゃあおれも行く!」
「……ちゃんと授業受けなよ…」
「aaaちゃんにクソ野郎共がひっつかねぇようにしねぇとだし!」
「ねぇ、授業…」
「よし、おれも体操服に着替えるからちょっと待ってて!」
「サンジ君…、授業…」
「燃えてきたァー!」


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